葉物野菜の代表、『ほうれん草』。
私たち日本人にとって最も身近な野菜のひとつで、厚労省が2015年に発表した『日本人がたくさん食べている野菜』ランキングでも第6位に入っています。
風味の良さや料理のレパートリーの豊富さもさることながら、体に良いイメージも手伝って、恐らく誰でも一度は食べたことのある野菜ではないでしょうか?
この記事では、ほうれん草に含まれる栄養素と、優れた効果・効能、そして残留農薬の影響など、ほうれん草に関する気になる知識を分かりやすく解説します。
ほうれん草に含まれる栄養
まずは、ほうれん草に含まれる栄養素の種類と、その含有量について見ていきましょう。
成分名 | 含有量 (100gあたり) |
備考 |
---|---|---|
エネルギー | 20kcal | |
水分 | 92.4g | |
糖質 | 3.1g | |
脂質 | 0.4g | |
タンパク質 | 2.2g | |
食物繊維 | 2.8g | 水溶性:0.7g、不溶性:2.1g |
ビタミンA (βカロテン) |
4200μg | ※ビタミンAについて詳しくはこちら |
ビタミンE | 2.3mg | ※ビタミンEについて詳しくはこちら |
ビタミンK | 270μg | |
ビタミンB1 | 0.11mg | ビタミンB群 ※ビタミンB群について詳しくはこちら |
ビタミンB2 | 0.2mg | |
ナイアシン | 0.6mg | |
ビタミンB6 | 0.14mg | |
葉酸 | 210μg | |
パントテン酸 | 0.2mg | |
ビオチン | 2.9μg | |
ビタミンC | 35mg | ※ビタミンCについて詳しくはこちら |
ナトリウム | 16mg | ミネラル類 |
カリウム | 690mg | |
カルシウム | 49mg | |
マグネシウム | 69mg | |
リン | 47mg | |
鉄分 | 2.0mg | |
亜鉛 | 0.7mg | |
ルテイン | 12mg | ※ルテインについて詳しくはこちら |
ビタミンCを中心に、βカロテン、ビタミンB群など、数々のビタミンをバランス良く含むと共に、カリウムを中心にミネラル類のバランスも非常に優れているのが特長です。
また、目の健康を守るファイトケミカルの一種、『ルテイン』を多く含むことも大きな特長で、ほうれん草の健康効果に関する研究は、この豊富に含まれるルテインに関わることが多いようです。
>> ファイトケミカルとは?最強の抗酸化作用を持つ、”第7の栄養素”のまとめ
>> 目の健康の守護神!ルテインの効果・効能・食品・摂り方まとめ
いずれにしても、ほうれん草に対して私たちが抱いている「体に良さそうな野菜」というイメージ通り、豊富な栄養素が様々な健康効果・効能をもたらします。
総じて、ほうれん草は、体調を崩しやすい冬場を乗り切る上で打ってつけの健康野菜と言えるでしょう。
ほうれん草の効果・効能まとめ
続いては、ほうれん草の持つ健康効果・効能を、上記で書いた栄養素の効果を踏まえて順にご紹介します。
1:失明の予防効果
ほうれん草に豊富に含まれるルテインは、加齢性黄斑変性症や白内障などの、失明の原因となる病気を予防するのに有効だと知られています。
黄斑変性症とは、網膜の中心部である『黄斑』に障害が起き、見えにくくなる病気のこと。
悪化すると失明につながることで知られ、欧米では失明の原因第1位、日本では第4位に位置する恐ろしい病気です。
2016年、日本眼科学会雑誌に掲載された研究には、ルテイン10mgを含む冷凍のほうれん草を2ヶ月間食べると、血中のルテイン濃度が増加し、視力が回復したとの記載があります。
一方、白内障とは、目にとってのレンズの役割を果たす水晶体が白く濁ってしまう病気のことです。
この白内障へのルテインの効果は1992年にハーバード大学の研究により明らかになっており、ほうれん草を1週間に4皿以上食べると、白内障の発症率が50%減ったとのこと。
このように、ルテインは失明に繋がる眼病の治療や予防に優れた効果を発揮します。
2:糖尿病の治療・予防効果
糖尿病やその合併症を緩和・治療したり、予防する効果も確認されています。
2015年にテヘラン医科学大学が行った糖尿病のマウスを対象にした実験によれば、ほうれん草の抽出物を与えたところ、およそ3~7日間程度で、糖尿病によって起こる潰瘍が治療されたとのこと。
また、2017年のシンガポールにて発表された調査によれば、ルテインやゼアキサンチンなどのカロテノイド類が、網膜内部で神経を保護し、かつ炎症を抑えることで糖尿病性網膜症(糖尿病の代表的な合併症のひとつ)を予防する作用があると述べられています。
どちらにも共通しているのは、ほうれん草に含まれるルテインなどの抗酸化栄養素が効果的に機能しているということ。
糖尿病をはじめ、9割以上の病気の原因とも言われる『活性酸素』を除去する作用がもたらす効果と考えられます。
3:ガンの予防効果
ガンを予防する効果も認められています。
2005年、神戸学院大学の研究によれば、ほうれん草由来の糖脂質成分がヒトのガン細胞の発生や増殖を抑制する高い効果があると結論付けています。
この研究では、他にパセリ、タマネギ、緑茶、ニンジン、ニンニク等の野菜も試験されましたが、その中でもほうれん草が最も高い効果を示したとのこと。
また、アメリカ国立衛生研究所によれば、ほうれん草は乳ガンの発症リスクを抑える効果があるとのこと。
1988年〜1991年にメイン州、マサチューセッツ州など4つの州を対象にした調査において、ほうれん草を週に2回食べる人は、そうでない人に比べて乳ガンの発症リスクが有意に低かったという結果が出ています。
先程も触れたように、ほうれん草に含まれるルテインやビタミンC等の抗酸化成分は、活性酸素の発生を抑える効果が高いのが特長ですが、活性酸素の過剰発生で起きる病気の最たる例が、ガンです。
これらの成分を種類・量ともに豊富に含むほうれん草には、当然の効果かもしれません。
4:喘息を緩和・予防する効果
喘息の症状を緩和したり、予防する効果もあると考えれます。
この理由は、ほうれん草が抗酸化物質(βカロテン、ビタミンC等)とマグネシウムを豊富に含んでいるためです。
はじめにβカロテンの効果ですが、1999年にイスラエルのRabin Medical Centerが行った調査では、βカロテンを摂取した喘息患者38人のうち、20人に改善が見られたとの結果が出ています。
次いでビタミンCは、同じくRabin Medical Centerが1997年に、7~28歳の喘息患者20名に対して行った調査により示されており、このうち半数に喘息の症状の改善が観察されたとしています。
最後にマグネシウムについては、イギリスのノッティンガム大学の1994年の発表によると、食品から摂取するマグネシウムの量が増えると肺機能を高め、喘鳴のリスクが低下するとされています。
これらの栄養素を漏れなく含むほうれん草には、喘息の予防や症状の改善効果が備わっています。
5:高血圧の改善・予防効果
血圧を最適な値に調整し、高血圧などを改善・予防する効果に優れています。
2015年にカナダのトロント大学やセント・マイケルズ病院などが行った研究によれば、ほうれん草に豊富に含まれる『無機硝酸塩』という成分が、血管の状態を改善するのに非常に優れていると結論付けられています。
同研究によれば、ほうれん草を1週間食べるだけで血圧が下がり、動脈硬化などのリスクを劇的に下げることができるとのこと。
ちなみに、この『無機硝酸塩』は近年、心臓血管に好影響をもたらすと注目されており、多くの研究でその効果が証明されているようです。(イギリスのエクセター大学、日本の杏林大学、アメリカ国立糖尿病研究所など多数)
さらに、ほうれん草には、塩分(ナトリウム)の排出を促すミネラルであるカリウムが豊富。(塩分の過剰摂取は高血圧の主たる原因)
また、血流を維持しながら高血圧の軽減に寄与する成分として知られる葉酸まで備えています。
このように、無機硝酸塩、カリウム、葉酸と、ほうれん草は高血圧を改善・予防する成分を豊富に含んでいるのです。
6:骨や歯を強くする効果
骨を形成する栄養素を多く含み、丈夫な骨を作り、骨粗鬆症などを予防する効果も確認されています。
まずはビタミンK。コペンハーゲン大学や全米科学アカデミーによって、ビタミンKは骨の代謝(生まれ変わり)を高め、骨密度を高める等、丈夫な骨を作るために有効な栄養素であることが証明されています。
これに加え、ほうれん草にはミネラル類が豊富に含まれています。
カルシウムは骨や歯を作る成分として知られており、そのカルシウムのはたらき(吸収)を助けるのはマグネシウムであり、他に、リンも骨を作る成分です。
事実、2009年・日本の獨協医科大学の研究では、ほうれん草やにんじん等の緑黄色野菜を食べない人は骨量が低くなる傾向があり、そのリスクは食べる人の約5倍にもなるという結果が出ています。
なお、骨の形成に必要な栄養素は、歯の形成にも重要。つまり、ほうれん草は歯の健康にも寄与する野菜なのです。
7:脳神経の健康維持効果
脳神経を健康な状態に保ち、『脳神経疾患』を予防する効果が証明されています。
脳神経疾患とは、その名前のとおり、脳内の神経に異常が起き細胞が死んだり等することで起こる病気の総称で、以下の病気がその代表例です。
- 脳梗塞
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
アメリカの国立薬害研究所によれば、ほうれん草やブルーベリー、スピルリナ等は脳神経を保護する効果に非常に優れ、加齢などによる神経変性を防ぐとのこと。
また、同じくアメリカのタフツ大学の研究では、ほうれん草やブルーベリー、イチゴに含まれるファイトケミカルが神経細胞の伝達速度を高めることが証明されています。
脳神経の保護だけではなく、神経伝達速度の向上にも役立つため、集中力を高めたい方にもおすすめです。
※関連記事:ほうれん草以外にもある、科学的に「脳にいい」と証明済みの食べ物
8:ダイエット効果
ほうれん草はダイエットにも効果的な食品です。
これは、ほうれん草に含まれる『チラコイド』という特有の成分によるもの。満腹感を増し、食欲や空腹感を抑える作用があるため、ダイエットに有効であると考えられています。
スウェーデンのルンド大学が2010年に行った研究では、チラコイドを32日間に渡って摂取したところ、体重と体脂肪率が有意に低下したという結果が出ています。
なお、同大学は2015年にも肥満の女性を対象にチコライドの調査を行っています。
2015年の調査では、朝食前にほうれん草エキスを飲んだ被験者は、空腹感が21%減少し、満腹感が14%増加。その結果、お菓子などの間食をする割合が36%も減ったと報告されています。
同様の研究は肥満男性にも行われています。
2015年アメリカで行なわれた実験では、ほうれん草エキスを飲むと2時間以上も満腹感が得られるとの結果が出ており、これはチコライドが満腹ホルモンの放出を促進する作用があるためだとしています。
9:筋肉の疲労を回復する効果
疲労(主に筋肉疲労)を回復する効果もあり、2015年、イラン医療科学大学が20人の男性アスリートを対象に行なった研究で証明されています。
本研究では14日間に渡って参加者の半分(10人)にはほうれん草を、もう半分にはプラセボ(実際には成分を含まない偽薬)を服用してもらい、その後ハーフマラソンを走ってもらいました。
その結果、事前にほうれん草を食べていた参加者に、筋肉の受ける酸化ストレスや尿酸値などの筋肉の損傷を示すあらゆる値が少なかったことがわかりました。
これを踏まえ同研究チームは、習慣的にほうれん草を摂取することで、筋肉の疲労回復速度を高めることができるとしています。
10:抗菌効果
抗菌効果の高さも証明されています。
南イリノイ大学などによれば、ほうれん草には抗菌物質が豊富であるとのこと。
同大学は大腸菌と黄色ブドウ球菌に、ほうれん草から抽出した抗菌物質を加えたところ、これらの菌のDNAの突然変異を引き起こすことで抗菌活性を示したことがわかりました。
ほうれん草に含まれる抗菌性の高い栄養素は、βカロテンとクロロフィル(緑色の色素成分)。
これらはどちらもファイトケミカルに分類される栄養素であり、抗酸化作用とともに抗菌作用にも優れた栄養素として知られています。
その他考えられる効果・効能
その他、ほうれん草に含まれる栄養素に鑑みると、以下のような効果・効能も考えられます。
美肌効果
ほうれん草にはビタミンC、ビタミンE、クロロフィルやルテイン等の様々な抗酸化物質を含むため、活性酸素の除去効果が抜群です。
こうした抗酸化作用は、細胞の老化や紫外線による皮膚へのダメージを防ぐことが可能。
また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける効果があり、肌細胞の原料となるビタミンE、これらの作用を助けるビタミンAまで備えていることからも、健康的な肌を作る美肌効果も高いと考えられます。
消化器官の機能を改善する効果
ほうれん草には腸内を掃除し、悪玉菌や老廃物などを洗い流す役割のある食物繊維も比較的多く含まれています。
これに加え、血液を作り出し、血圧を正常な状態に保つはたらきのあるミネラル類が豊富。こうした作用は、胃や肝臓、腸などの消化器官にかかる負担を軽減し、本来の機能を発揮するのに有用であると考えられます。
これにより、便秘の改善や体全体の代謝が高まる等、様々なメリットをもたらします。
ほうれん草は、消化器官を改善する優れた効果からか、フランスには「ほうれん草は”胃の箒(ほうき)”だ」ということわざも存在します。
ほうれん草を食べる際の注意点
上記のように優れた効果・効能を持つほうれん草ですが、食べる際に注意すべき事項がいくつかあります。ここでは、その注意点をいくつかご紹介します。
1:残留農薬に注意(最も危険な野菜!)
ほうれん草は、環境ワーキンググループ(EWG)の発表する『残留農薬の多い果物・野菜ランキング』に毎年ランクインしている危険な野菜の代表例。
2016年はワースト8位、2017年に至ってはなんと2位にランクインしており、実は最も残留農薬の危険性が高い野菜なのです。
※その農薬の数は、他の野菜・果物から検出された量の約2倍にも及ぶことがわかっています。
上記はアメリカでの調査結果ではありますが、実は日本国内でもほうれん草から基準値を超える量の農薬や殺虫剤が検出されたというニュースが度々報じられています。
ちなみに、農薬が原因で起こるとされる病気・疾患は、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の他、催奇形性(奇形児)、生殖機能の異常、パーキンソン病などの自己免疫疾患や、アルツハイマー病、ガン等、夥しい数があります。
当然、残留農薬の量が多いほどこれらの発症リスクは増大しますので、最も危険な野菜であるほうれん草の残留農薬対策は必要不可欠です。
なお、ほうれん草の残留農薬を避けるための方法は、以下2つのことが挙げられます。
1-1:野菜洗い用の洗剤で洗う
最もおすすめなのは、残留農薬を落とすことのできる専用の洗剤で事前に洗うことです。
本来であれば、後述するようにオーガニック栽培のほうれん草を食べるのが最も望ましいのですが、こうした野菜は手に入りづらく値段も張るのが難点。
その点、野菜・果物洗い用の洗剤は市販のほうれん草でも残留農薬を落とすことができ、経済性・安全性ともに優れているため、最もおすすめできる方法です。
残留農薬落としの洗剤はホタテの殻から作られた洗剤が有名ですが、それよりも使いやすく、安心な野菜・果物洗い用洗剤として特におすすめなのが『やさいくだものあらい』です。
やさいくだものあらいは、原材料全てが自然素材でできているのが最大の特長。以下が原材料の一覧です。
- ミネラル水
- ハーブエキス(青森ヒバエキス・オレンジエキス)
- 大豆レシチン
- 貝殻
- 発酵物質(EM発酵物質)
残留農薬を確実に落とし、汚れや不純物も落とし切るだけでなく、さらに、洗った野菜・果物の鮮度を長期間維持することができる洗剤です。(お肉や魚にも使用可能)
以下の写真にもあるように、鮮度が維持できるのがわかります。
毎日使うものだからこそ、長く使用できるようにリーズナブルで、何よりも安心・安全に使用できる洗剤を選びましょう。
>> 全てが自然素材の野菜・果物洗い用洗剤!『やさいくだものあらい』はこちら。
なお、ほうれん草の残留農薬ランキングは2016年は8位でしたが、2017年には2位。
つまり、ほうれん草は現在最も残留農薬が多く、いわば世界一危険な野菜なのです。(検出された農薬の量はその他の野菜・果物の2倍以上だったとのこと)
オーガニック栽培のほうれん草ならばともかく、市販のほうれん草を食べる際には、残量農薬落とし用の洗剤で洗うことが絶対条件と言えるでしょう。
やさいくだものあらいの効果・使い方は?メーカー様にインタビュー
では、『やさいくだものあらい』は本当に効果があるのでしょうか?そして、どのように使えばいいのでしょうか?
実際に本製品を使用中のライターが、疑問点を、メーカーであるまいにち株式会社様にインタビュー。その内容を下記記事にまとめました。
本当に信頼できる製品なのかどうか気になる方は、こちらをご一読ください。
>> 「やさいくだものあらい」の効果は?原料は安全?メーカーさんに電話質問してみた!
1-2:オーガニック栽培のほうれん草を購入する
前述のように、最も望ましいのはオーガニック栽培のほうれん草を購入、食べることです。
『日本食品標準成分表』によれば、現代のほうれん草に含まれるビタミンCの量は35mgですが、実はこれは戦後1950年の約5分の1程度の量まで減少しているのです。
※1950年時点のほうれん草のビタミンC含有量は、100gあたり約150mg
戦後間もない時代の日本では、慣行農法のように農薬(化学肥料、除草剤や殺虫剤など全般)をほぼ使用していませんでした。
これは、農薬を多用することで作物から栄養は失われ、元来のオーガニック農法で育てられた野菜にこそ多く栄養が含まれることの証明です。
オーガニック農法のほうれん草を選ぶことは本来含まれる栄養素を無駄なく摂取することができるというだけでなく、農薬のリスクを減らし、さらに、農薬による土壌汚染を防ぐことにも繋がります。
できる限りオーガニック農法のほうれん草を選ぶようにし、もし市販のほうれん草を購入する際には上記の『ベジセーフ』を使用し、残留農薬を確実に落とすことが重要です。
ほうれん草の選び方
これだけの優れた効果・効能を持つほうれん草ですが、それは新鮮で栄養の豊富なものを食べることが条件です。
先程も書いたように、ほうれん草に含まれるビタミンCの量は戦後の5分の1にまで減少しています。ただ食べるだけでは上記のような効果・効能を得ることは極めて難しいと言わざるを得ません。
そこでここでは、栄養が豊富で新鮮なほうれん草の選び方をいくつかご紹介したいと思います。
1:旬の時期に買う
まずは定番ですが、旬の時期に出回るものを選ぶことが重要です。旬の時期=味がよく、最も栄養価の高まる時期を意味するからです。
ほうれん草の旬の時期は11月~2月の冬。旬の時期のほうれん草と通年出回っているもののビタミンCを比較すると、前者は60mgなのに対し、後者は35mg。両者には約2倍もの差があります。
※上記の栄養成分一覧表は通年のものを記載しています。
また、旬のものは市場に多く出回るため、値段も安価になるというメリットもあります。
2:葉が濃い緑色のものを選ぶ
ほうれん草の葉は鮮度が落ちるにつれて、黄色く変色します。
ほうれん草の代表的な栄養素に緑色の色素である『クロロフィル』があげられますが、葉が緑色でなくなったものは栄養が抜けてしまったことを意味します。
葉の色が濃い緑色のものを選ぶことで、クロロフィルの他、ビタミンC等の栄養素も豊富に含んだものが手に入ります。
3:香りが強いものを選ぶ
ほうれん草を手にとって、葉の匂いを嗅いでみましょう。
ほうれん草はクセのない風味が特長ですが、新鮮で栄養が豊富なものは、特に葉から葉物野菜特有の香りが比較的強く感じられます。
香りがないもの、弱いものは、収穫されてから長期間保存されていることを意味しますので、鮮度・栄養ともに低いものである可能性が高くなります。
4:葉がピンとしているものを選ぶ
みずみずしく、新鮮なほうれん草の葉はピンとしていて張りが良いのが特徴です。
ほうれん草の葉の先端を、人差し指と親指でつまんで少し力を入れて押さえるようにし、柔らかく折り曲がらずパリッとした手応えが感じられれば新鮮な証拠です。
この状態を感じられれば(想定ですが)半日以内に収穫されたばかりの、とても新鮮な状態であると考えられます。
5:黄色や黒いはんてんがないものを選ぶ
ほうれん草の葉の表面に、黄色や黒いはんてんがないものを選びましょう。
こうしたはんてんが見られる場合、虫食いか、もしくは殺虫剤等で処理されている可能性が考えられます。
特に殺虫剤が使用されているものは、栄養がないばかりか体にとって悪影響を及ぼす可能性も考えられますので、こうしたものは避けてください。
6:茎が細いものを選ぶ
茎が細いものを選びましょう。
茎が太いものは、成長しすぎ(熟しすぎ)ていて栄養価が落ちていることが考えられます。
ただし細すぎるものも栄養価が低い可能性がありますので、あまりに太いものでないものを選ぶのがポイントです。
ほうれん草の保存方法
続いては、ほうれん草を長持ちさせる保存方法をご紹介します。
1:水で洗わない
水で洗うと腐りやすくなり、ビタミンCなどの水溶性の栄養素が逃げてしまいます。
土が付着している場合などは特に洗い流したくなりますが、洗わずそのままの状態にしておきましょう。
ただし、ベジセーフで洗ったほうれん草はこの限りではありません。
上記でご紹介したベジセーフは野菜の保存期間を延ばす効果もありますので、洗ったあとによく水を切れば、鮮度を保ちつつ長持ちさせることが可能なようです。
2:袋に入れて冷蔵庫で保管する
ほうれん草などの葉物野菜は、クッキングペーパーなどで軽く包み、袋に入れて空気を抜いておくことも効果的です。
また、常温ではなく冷蔵庫で葉を寝かさずに立てておくようにするのもポイントです。
多くの野菜は、空気・熱・光に触れることで鮮度を失いやすくなりますので、これらを可能な限り避けるようにしましょう。
3:調理した状態で保存しない
最後に、調理した状態で保存しないことも重要なポイントです。
洗う手間・調理の手間に鑑みて、蒸したり、おひたしにしたり等をしておくことの多いほうれん草ですが、前述のように熱や水分に触れると極端に保存期間が短くなります。
ほうれん草の効果・効能・栄養・摂り方について:まとめ
冬に旬を迎えるほうれん草は、目の健康維持や糖尿病対策、疲労回復や美肌効果まで様々な効果・効能があり、まさに『葉物野菜の王様』と呼ぶに相応しい野菜です。
しかし、その優れた効果・効能とは裏腹に、残留農薬が世界で最も高い危険な野菜No.1という側面も持ち合わせており、食べ方には特に気をつけたいもの。
オーガニック栽培のものを選ぶ、もしくは、野菜・果物洗い用の洗剤で残留農薬をきちんと落としてから調理することを決して忘れないようにしましょう。
できるだけ栄養豊富で新鮮なものを選び、毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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