ファイトケミカルとは?最強の抗酸化作用を持つ、”第7の栄養素”のまとめ

ファイトケミカル

『ファイトケミカル』をご存じですか?

近年、“第7の栄養素”として注目を浴びている抗酸化成分です。

>>その他の6つの栄養素は?7大栄養素を分かりやすく解説。

『ファイトケミカル』という名前はビタミンやミネラルに比べればまだ知られていませんが、意外に私たちの身近にあり、恐らくこれも読んでいるあなたもよくご存知の成分かもしれません。

そして何より驚くべきは、その健康効果。私たち現代人には嬉しい効果がたくさんあります。

この記事では、話題の第7の栄養素『ファイトケミカル』の種類や効果、最適な摂り方などを、分かりやすく解説します。

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ファイトケミカルとは?

ファイトケミカルとは植物だけが持つ、色素・苦味・渋味・香り・えぐみ・辛みなどの成分で、主に皮や種などに多く含まれています。

最大の特長は抜群の抗酸化作用にあり、あらゆる病気の原因とされる活性酸素を取り除き、私たちの体を健康に保ってくれます。

ファイトケミカル 皮 種

ちなみに、ファイトケミカルは英語で「phytochemical」と書き、phytoは「植物」chemicalは「化学物質」の意味。

代表的なものとしては、お茶の渋味成分である『カテキン』、トマトの赤い色素成分『リコピン』、ブルーベリーなどの青い色素成分『アントシアニン』、唐辛子などの辛み成分『カプサイシン』などがあり、現在1万種類以上が確認されています。

総称である『ファイトケミカル』という名前は知らなくても、その一種であるカテキンやリコピンという名前を知っている人は多いのでないでしょうか?

誤解を恐れずに言うならば、「なんだか体に良さそうだけど、ビタミンともミネラルとも名前がついていない栄養素」は、ほとんどがこのファイトケミカルです。

植物だけが持つ特別な力・ファイトケミカル

では、なぜ植物だけがファイトケミカルを持っているのでしょうか?

その理由は、植物が動けないことにあります。

植物にとって、自然界には危険がたくさんあります。太陽の紫外線、雨や風、草食動物などです。

私たち人間や動物は手足があるので、こうした危険を感じれば、その場から離れたり身を隠すことができますが、植物は土に根を張って生きていますから動けません。

ファイトケミカル 苦み

そこで植物は、見るものを威嚇するための色素を出したり、相手を遠ざけるために香りを出すことで、身を守るという方法を取りました。恐らく植物が動けていたら、ファイトケミカルという特別な力を得ることはなかったでしょう。

野菜や果物を食べるということは、味を楽しむことはもちろん、植物だけが持つ特別な力を取り込むことにもなるのです。

ファイトケミカルの分類

それでは、ファイトケミカルの種類にはどんなものがあるのでしょうか?

先に書いたように、ファイトケミカルは現在1万種類以上が確認されていると言われていますが、性質によっていくつかの大きな種類に大別することができます。

まずはその大別したファイトケミカルの代表的な例をいくつかご紹介します。

1:ポリフェノール類

例:エラグ酸、リグナン(セサミンもこの一種)、クルクミン等。

ワインやチョコレートに含まれることで知られるポリフェノールは、恐らく最も有名なファイトケミカルでしょう。リンゴなどの果物にも含まれています。

2:カロテノイド類

例:βカロチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン等。

主に色素系の成分で、トマトやスイカの赤い色、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜の緑色がそれに該当します。

3:フラボノイド類

例:アントシアニン、ケルセチン、カテキン等。

ブルーベリー等に含まれる紫色の色素成分アントシアニン、お茶に含まれるカテキン等、こちらもポリフェノール類と並んで馴染みの深いファイトケミカルと言えます。

4:テルペン類

例:メントール、リモネン、ピネン等。

レモンやオレンジなどの柑橘類の皮に含まれる精油成分で、それぞれ特有の香りを放ちます。食用というよりは、アロマオイルなどにされて使用されることが多いのが特徴です。

より具体的なファイトケミカルの種類

では、さらに細かく、具体的にファイトケミカルの種類を見ていきましょう。

ここでは上記で大別したファイトケミカルのうち、いくつかの成分の特徴や効果・効能について簡単にご紹介します。

より詳しくは各成分の個別記事がありますので、そちらを合わせてご覧ください。

リコピン(トマト)

リコピン ファイトケミカル

トマトに含まれるリコピンは、赤い色素成分のファイトケミカルです。

ビタミンEの約100倍もの抗酸化力があると言われ、油に溶ける『脂溶性』の栄養素です。そのため、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。

ダイエットや、骨や歯を強くする効果、美肌効果など多彩な効果があります。

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カテキン(緑茶)

カテキン ファイトケミカル

緑茶の渋み成分カテキンも、ファイトケミカルの一種です。

肥満予防に効果があるとされ、先進国の中でも日本人の肥満率の低さは緑茶を飲む習慣に起因しているという説もあります。

私たち日本人に最も身近なファイトケミカルです。

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アントシアニン(ブルーベリー)

アントシアニン ファイトケミカル

ブルーベリーなどに含まれる青い色素成分・アントシアニンもファイトケミカルの一種です。

この成分もまた非常に強力な抗酸化作用を持っており、アメリカ農林水産省は、「40種の果物・野菜の中でブルーベリーが抗酸化作用においてトップクラスである」と報告しており、その作用はアントシアニンに起因しています。

アントシアニンは他にも多数の野菜・果物に含まれ、特に多いのが黒人参と呼ばれる植物です。(詳細は下記を参照)

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ルテイン(ケールなどの緑黄色野菜)

ルテイン ファイトケミカル

ほうれん草等の緑黄色野菜に広く含まれ、特にケールに豊富に含まれるルテインもファイトケミカルの一つです。

目を病気やブルーライト等の有害光線から守る他、脳機能アップ、美肌効果もあるとされています。

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カプサイシン(唐辛子)

カプサイシン ファイトケミカル

唐辛子の辛み成分として有名なカプサイシンもファイトケミカルの一種。

食欲増進や乗り物酔いの緩和、肥満予防などの効果の他、気分を向上させるハッピーフードとしての効果も確認されている成分です。

しかし、その刺激性ゆえに摂り過ぎは禁物。過剰に摂取すれば、胃ガンや味覚障害などの原因になります。

そのため、常食を避け、食べたとしてもピリ辛程度の味付けにとどめておくなどの工夫をしましょう。

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イヌリン(菊芋)

イヌリン ファイトケミカル

菊芋やゴボウなどに含まれる多糖類の一種でもあるイヌリンも、ファイトケミカルの1つです。

イヌリンは腸を清掃した上に善玉菌のエサにもなり、腸内環境を正常化してくれる優れた成分です。

また、イヌリンは別名『天然のインスリン』とも呼ばれ、糖尿の改善に有効な栄養素としても知られています。

もちろんそれだけではなく、便秘解消やダイエット、アトピーの改善や大腸ガンの予防などにも効果が見込めます。

人間の免疫細胞の60%が存在する腸に効く成分だけに、免疫力の強化とそれによって様々な病気に対して効果があります。

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その他のファイトケミカルの種類は?

上記4種類はファイトケミカルのほんの一部であり、これ以外にも多くの種類があります。

1万種類以上あるため全てをご紹介することは不可能ですが、以下のページに代表的な成分を五十音順でまとめています。合わせてご覧ください。

ファイトケミカルの効果

続いては、ファイトケミカルの効果について書いていきます。

活性酸素を除去、癌を予防する

癌 ファイトケミカル

先行してファイトケミカルの種類の項で簡単に書いたとおり、それぞれの成分が持つ健康上の効果は異なりますが、すべての成分に共通している効果が、ガンの予防・治療です。

ご存じのとおり、ガンは日本人の2人に1人が発症し死因第1位の、まさに”国民病”ですが、ガン細胞を発生させる『活性酸素』という物質を、あなたはご存知でしょうか?

活性酸素はもともと有害な物質ではありませんが、増えすぎると人間の細胞を攻撃し始めます。

そして、活性酸素の攻撃によって傷つけられた細胞が分裂する際にエラーを起こし、異質な細胞ができあがります。この異質な細胞こそが、ガン細胞の素となるものです。

つまり、活性酸素はガンの原因であり、これを除去する効果のあるファイトケミカルは『天然の抗ガン剤』とも言い換えられるのです。

補足:活性酸素についての関連記事

活性酸素

なお、活性酸素についてより詳しくは下記の3つの記事をご覧ください。

活性酸素の基礎知識から、なぜ体内で過剰に発生してしまうのか? どんな病気を引き起こすのか? 増えすぎた活性酸素を除去できる食べ物にはどんなものがあるのか? を3回に分け、詳しく書いています。

ぜひ合わせてお読みください。

その他のファイトケミカルの持つ優れた健康効果

他にも、ファイトケミカルには下記のような効果があることが示唆されています。

  • 免疫力の強化
  • 抗炎症作用
  • DNAの損傷を防ぎ、DNAの修復を助ける
  • ガン細胞の増殖を抑える
  • 傷ついた細胞の分裂を妨げる(傷ついた細胞はガン細胞となる可能性がある)
  • ホルモンバランスを整える

ファイトケミカルを効率よく摂取するには?

では、ファイトケミカルを効率よく摂取するためには、どうすればいいのでしょうか?

簡単にまとめると、以下の4つの秘訣があります。

  1. 無農薬やオーガニック栽培の野菜・果物を食べる
  2. 野菜や果物を丸ごと食べる
  3. 色々な種類の野菜・果物を食べる
  4. サプリメントで補う

これら4つの秘訣を守れば、何気なく普段食べている食事から、より効率よくファイトケミカルを摂取することができるでしょう。

それぞれの秘訣についてより詳しくは、下記の記事にまとめています。こちらも合わせてご覧ください。

ファイトケミカルスープ

なお、家庭で手軽にファイトケミカルを上手に摂る料理として、ファイトケミカルスープがあります。

野菜を皮ごと使ってスープにすることで、水に溶けやすい性質のファイトケミカルも丸ごと摂取することができます。

簡単に作ることができますので、家庭でのファイトケミカル摂取にはおすすめです。なお、当サイトのライターが下記の記事にまとめていますので、こちらも合わせてご覧ください。

>> 家庭でも簡単に作れるファイトケミカルスープのレシピ

サプリメントについて

ファイトケミカルを効率的に、安心・安全に摂取するサプリメントについては下記の記事にまとめています。

サプリメントでファイトケミカルを摂取したいと考える方は合わせてご覧ください。

>> 国内で買える、良質なファイトケミカルを摂取可能なサプリメント一覧

ファイトケミカルについて:まとめ

病気になったら薬を飲んだり手術をする等、従来型の『対処医療』から、病気にならない体を作る『予防医療』への転換が進む現代。ファイトケミカルはそんな予防医療の救世主になりうる栄養素かもしれません。

現在健康が気になる方、病気に苦しんでいる方、いつまでも健康に生きたい方、ファイトケミカルはこうした健康に生きたいと願うすべての人の味方です。

ファイトケミカルの種類・効果・摂り方などを学び、いつまでも健康に人生を謳歌できる体を作りましょう。

>>複数のファイトケミカルをまとめて摂れる『ニューサイエンス』のサプリメントはこちら。

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