ダークチョコレート
市場にはたくさんのチョコレートが出回り、一般的には甘い物・お菓子として認識され「体に悪い物」のイメージが強いかもしれません。
しかし、カカオを70%以上含有した『ダークチョコレート』は別物です。
生活習慣病の予防の他、脳機能UPやアンチエイジングまで、多彩な健康・美容効果を備えたスーパーフードです。
正しい選び方を知っていれば、ダークチョコレートは私たちの健康をサポートする存在になってくれるでしょう。
- ダークチョコレートの栄養素
- ダークチョコレートの効果・効能
- 正しいダークチョコレートの選び方
- おすすめのダークチョコレート
主に上記の内容について、詳しく、かつ分かりやすく解説したいと思います。
30秒でわかる記事の概要
ダークチョコレートとは
ダークチョコレートとは、上記の写真にもあるようなカカオバターを使用して作られた見た目が黒っぽいチョコレートです。
普段よく食べられる市販のミルクチョコレートと比較して、主原料のカカオの含有量が多く、ビターな風味が特徴です。
総合すると、カカオの割合が多くカカオバターを使用したビターな風味のチョコレートを『ダークチョコレート』と呼ぶようです。
カカオバターについて
カカオバターとはカカオ豆から摂れる脂肪分のこと。やや白みがかった色で無味・無臭です。
カカオ豆の実をすり潰して絞り出したペースト状のものをカカオマスと呼びますが、これから脂肪分だけを抽出したものがカカオバターと呼ばれます。
カカオ豆は脂肪分が非常に多く、その半分は油脂だと言われます。
この脂肪分には口溶けを滑らかにし艶を出す作用があるため、チョコレートの原料として用いられています。
市販のチョコレートとの違い
ダークチョコレートと市販のチョコレートとの違いは大きく以下2点にあります。
1:市販はミルクチョコレート
市販の一般的なチョコレートは『ミルクチョコレート』と呼ばれます。
原材料に粉乳(ミルク)をしており、これはカカオ特有の苦味を緩和し、口当たり・口溶けをよくするために用いられます。
なお、日本の基準では、『チョコレートのうちチョコレート生地の乳固形分が14%以上のもの』をミルクチョコレートと呼ぶようです。
2:植物油脂が使われる
そしてもうひとつの特徴が、カカオバターの代わりに植物油脂が使われていることです。
前述のように、カカオバターを作るためには手間もコストも必要になるため、これを解消するために予め加工された安価な植物油脂で代用しています。
ちなみに植物油脂の多くは、キャノーラ油やパーム油、大豆油など。
これらは、GMO植物を原料とし水素を添加され精製されたトランス脂肪酸で、人体に危険な油とされています。
特にキャノーラ油は市場に最も出回り、2017年末に『アルツハイマーを誘発する油』と発表された非常に危険かつ身近なものです。
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ダークチョコレートの基準
なお、ダークチョコレートの基準は、国や業界、販売元や市場によって大きく異なります。
たとえば、FDA(アメリカ食品医薬品局)ではダークチョコレートは最低15%のカカオバターを含み、乳成分は12%未満のものと定めています。
これに対し日本では複数の基準が存在し、日本チョコレート・ココア協会によれば以下3つの基準があるようです。
- ミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが40~60%のチョコレート
- カカオ分70~90%の低糖チョコレート
- 糖分や乳製品が少なく苦味の多いチョコレート
このように、国や業界、販売元、市場などにより大きく基準の別れるダークチョコレート。
共通して言えるのは、カカオとカカオバターの含有量が多く、乳製品は少ない、そして苦味の強いチョコレートであることです。
ダークチョコレートの栄養素
続いては、ダークチョコレートに含まれる栄養素の一覧を見ていきましょう。
SELFNutritionDataによれば、カカオ含有量70~85%程度のダークチョコレートに含まれる栄養素とその含有量は次の通りです。
成分名 | 含有量 (約100gあたり) |
備考 |
---|---|---|
カロリー | 605kcal |
|
糖質 | 24.2g | |
食物繊維 | 11.0g | |
脂質 | 43.1g | |
タンパク質 | 7.9g | ※タンパク質の効果について |
ビタミンA | 11.7μg | ※ビタミンAの種類・効果について |
ビタミンK | 7.4μg | |
ビタミンB2 | 0.1mg | ビタミンB群 ※他にビタミンB1やビタミンB6も極微量含まれる。 ※ビタミンBの種類・効果について |
ナイアシン | 1.1mg | |
ビタミンB12 | 0.3μg | |
パントテン酸 | 0.4mg | |
カルシウム | 73.7mg | ミネラル類 |
マグネシウム | 230mg | |
カリウム | 722mg | |
ナトリウム | 20.2mg | |
鉄分 | 12.0mg | |
亜鉛 | 3.3mg | |
銅 | 1.8mg | |
マンガン | 2.0mg | |
セレン | 6.9μg | |
カカオポリフェノール | 840mg | ※ファイトケミカルの一種 |
カカオポリフェノール
上記のように、糖質・脂質・タンパク質をはじめ、ビタミンB群とミネラル類が豊富に含まれていますが、ここで注目したいのが『カカオポリフェノール』。
カカオポリフェノールは、病気や老化の原因、活性酸素を除去するはたらきに優れた『ファイトケミカル』の一種です。
ポリフェノールは、赤ワインやリンゴ、コーヒー等に含まれることで知られますが、中でも最も含有量が多いのがカカオ。
そのため、これを主原料としたダークチョコレートはカカオポリフェノールの宝庫。その含有量は100g中、840mgとされ、これは赤ワインの5倍近い数値です。
その他300種類のファイトケミカル
ポリフェノール以外にも、カカオには300種類以上の抗酸化物質(ファイトケミカル)が含まれていると言われます。
フェネチルアミン、カテキン、クロロゲン酸等がその例で、特にフェネチルアミンが豊富。
それ故、一般的なダークチョコレートの抗酸化力はブルーベリーの約20倍とも言われています。
補足:ファイトケミカルについて
“第7の栄養素”とも呼ばれる話題の抗酸化成分『ファイトケミカル』については、以下の記事に詳しくまとめています。
種類・効果・効率よく摂取する方法・サプリメント等、ファイトケミカルの基礎知識をはこちらをご覧ください。
>> ファイトケミカルとは?最強の抗酸化作用を持つ、”第7の栄養素”のまとめ
ダークチョコレートの効果・効能
ここからはダークチョコレートの持つ効果・効能をご紹介します。
※上記の栄養素や、大学・研究機関の臨床試験などを中心に、科学的な根拠に基づいた効果・効能です。
1:心臓病を予防する効果
心臓病を予防する効果がある可能性が確認されています。
ダークチョコレート中に含まれる成分は、コレステロールの酸化を防ぐ作用に優れているとされ、これを示す複数の研究例があります。
たとえば、2006年ヴァーヘニンゲン大学が高齢男性に対して15年間に渡って行った追跡調査によれば、ココアの摂取量が多いほど心臓の血圧を下げ、心疾患による死亡率を低下させることが判っています。
他にも、2011年・マサチューセッツ州で25~93歳まで・4970人に対して行われた研究では、週に5回チョコレートを食べると、心疾患のリスクが57%低下するとの結果も出ています。
どちらの研究にも共通しているのが、心血管の血圧を抑える作用。
この作用が、ダークチョコレートを定期的に食べることで心臓の病気のリスクを下げられることを示唆しています。
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ダークチョコレートとは逆に、心臓病を誘発してしまう食事も明らかになっています。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
>> 心臓病リスクが1.56倍!『南部パターン』の食生活とは?
2:糖尿病の改善効果
カカオポリフェノールが糖尿病の治療薬として有効である可能性も指摘されています。
たとえば、イギリスのハル大学による研究では、2型糖尿病の患者の善玉コレステロールを上昇させ、血糖値を低下させたことが示されています。
この研究では、高ポリフェノールチョコレートを16週間に渡って摂りましたが、体重の増加や血糖値の上昇は一切確認されなかったとのことで、安全に糖尿病の治療に利用可能であることがわかります。
また別の2005年のイタリアでの研究でも、ダークチョコレートがインスリン感受性を増加させることがわかっています。
本試験では7日間、500mgのカカオポリフェノールが含まれるダークチョコレートが用いられましたが、この短期間においても、有効な作用が確認されたとのことです。
なお、本試験ではホワイトチョコレートの効果についても同時に試験されましたが、こちらでは目立った効果がありませんでした。
このように、カカオポリフェノールは血糖値の低下作用が高く、糖尿病の改善・予防に有効であることがわかります。
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糖尿病の予防・改善に効果的と証明された食品は、他にも数種類あります。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
>> 食べるだけ!糖尿病に良い(予防・治療効果あり)と証明済の食べ物まとめ
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3:ガンを予防する効果
カカオポリフェノールは、優れた活性酸素の除去能力と抗炎症作用を持ちます。
これらの作用はガンの発症リスクを抑えることがわかっており、豊富なポリフェノールを持つダークチョコレートは抗ガン効果の高い食品とも考えられます。
たとえば、2011年にスペインのマドリードで行われた研究では、マウスに高カカオの食事を与えたところ、以下の作用が確認されたと発表しています。
- ガン細胞の増殖を抑制する
- アポトーシス(ガン細胞の自殺)を促す
- 細胞の酸化を抑制する
これにより、初期段階のガンの進行抑制や予防に有効であると考えられるとされています。
同様の研究は2002年にフランスでも行われ、ここでも「結腸ガンの細胞増殖を抑制する」という結果が出ています。
また、2009年ベルギーの研究では、ポリフェノールが腸壁に作用して炎症を抑えることが明らかになっています。
これらはカカオポリフェノールのガンへの有効性を示す研究のほんの一部。
同成分の持つ優れた抗酸化・抗炎症作用の高さと、それに由来するガンへの有効性が見て取れます。
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ほとんどのガンの原因は食事や生活習慣にあることが判明しています。
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4:歯周病の予防効果
2009年に岡山大学が行った研究によれば、歯周炎をはじめとした歯周病の予防効果もあると発表されています。
マウスはカカオを多く含むエサを4週間に渡って与えられ、時間経過とともに抗酸化力が増し、歯周炎の抑制に効果があったとのこと。
また、2010年に明治製菓と鶴見大学が共同で行った研究でも、カカオの持つ高い抗菌作用が示されています。
同研究では、この抗菌効果はカカオポリフェノールによるものであるとされ、歯周病原菌に対して強い耐性を示したと記述されています。
このように、カカオ、及びカカオポリフェノールには優れた抗菌作用があり、これが歯周病の予防に適しているものと考えられます。
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歯周病の予防作用に優れた成分としては、青パパイヤに特異的に含まれる酵素『パパイン』が挙げられます。
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5:脳機能の改善効果
脳の認知機能など、脳機能の改善効果にも優れています。
たとえば、2008年にフランスの研究機関『ETAP-Lab』が行った研究では、カカオポリフェノールは脳神経を保護する作用に優れていることがわかっています。
特に加齢による認知機能の低下を遅らせる作用に優れ、これにより認知症や認知機能の低下を防ぐ効果が期待されるようです。
また、アメリカのハーバード大学医学大学院等がカカオポリフェノールの脳血管に対する作用を示した研究(2006年)もあります。
この研究では、カカオポリフェノールが脳内の末梢血管を拡げ血流を改善することで、認知症の予防や改善に有益と考えられるとしています。
最後に、イギリスのレディング大学の研究例(2011年)をご紹介します。
この研究では、成人30人に720mgのカカオフラバノールを含むダークチョコレートを食べてもらい、認知機能を測定しました。
その結果、『ダークチョコレートは脳の血流を改善し、認知機能と視力の改善に劇的な効果がある』という結果が出ています。
以上のように、ダークチョコレートは脳神経の保護と血流の改善という両面から、脳機能の改善を行ってくれるのです。
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6:アンチエイジング効果
老化の原因とされる活性酸素の除去と、紫外線を予防する作用を備えるため、特に肌のアンチエイジングに優れた効果を発揮すると考えられます。
前述のように、ダークチョコレートには、カカオポリフェノールの他にも、フェネチルアミン、カテキン等、約300種類ものファイトケミカルが含まれます。
これらは、肌細胞の老化を招く『活性酸素』を除去するのに有効であると、リモージュ大学をはじめ複数の研究結果で示されています。
また、ドイツのヴィッテン・ヘァデッケ大学が行った研究(2006年)では、カカオを長期に渡って摂取することで肌の状態が改善されることがわかっています。
本研究では、女性に12週間に渡ってカカオパウダーを摂取してもらい、皮膚状態を調査しました。
その結果、カカオに含まれるフラバノールが以下の効果を備えていることが判明しました。
- 紫外線を防ぐ効果
- 皮下細胞の血流を良くする効果
- 皮膚の密度を高める効果
- 水分を増やす効果(保湿効果)
総じて、美肌を作りつつ、アンチエイジングにも優れた効果があることがわかります。
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アンチエイジングの作用を備えるフルーツとして有名なのが、生命の果実とも呼ばれる『シーバックソーン(サジー)』です。
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7:肥満を予防する効果
脂肪の代謝を促進し、肥満を予防する効果があることがわかっています。
これは2005年に森永製菓等が行ったマウスを用いた研究によって明らかになっています。
同研究では、マウスを以下2つのグループに分けました。
- 高脂肪のエサとカカオを与えるグループ
- 高脂肪のエサと疑似的なカカオを与えるグループ
この結果、前者の高脂肪のエサとカカオを同時に与えられたマウスは、肝臓内において内蔵脂肪を作るはたらきのある酵素が作られるのを抑えていたことがわかったのです。
研究者らは上記結果を以て、カカオは脂質の代謝を高め、肥満を予防すると結論づけています。
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肥満は今や世界的な問題。イギリスなど欧米では『砂糖税』と呼ばれる税金を課すことで、この対策に乗り出しています。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
>> イギリス、2年後に『砂糖税』導入を決定!高すぎる肥満率の対策に。
ダークチョコレートの選び方
このように多彩な健康・美容効果を備えるダークチョコレートですが、選び方を間違えれば全くの逆効果になってしまいます。
ここでは、より良いダークチョコレートの選び方をご紹介します。
1:カカオ含有量70%以上のもの
カカオの含有量が最低でも70%以上のものを選びましょう。
ダークチョコレートの効果はカカオに由来するもの。そのため、カカオの含有量が多くなればそれだけ効果が高まります。
また、カカオが含まれる割合が多いということは、砂糖などの材料が少なくなることも意味しますので、より体に優しいものになります。
2:フェアトレード・かつオーガニック原料のもの
フェアトレード、かつオーガニック栽培のものを選びましょう。
オーガニック栽培である理由は言わずもがな、人体に有害な農薬を避け、原材料そのものに含まれる栄養素が高くなるから。(カカオ以外の現在も同様)
フェアトレードである理由は、持続可能な生産と生活に必要な価格を維持することで、今後も安定して優れた品質のダークチョコレートを供給することが目的です。
3:カカオバターのみを使用したもの
カカオバターのみを使用したものを選びましょう。
市販のチョコレートにはキャノーラ油やパーム油などの『植物油脂』が使われますが、これは先程も書いたように『トランス脂肪酸』の一種です。
カカオ自体にいくら栄養があったところで、植物油脂を同時に摂ってしまっては本末転倒です。原材料名にカカオバターの名前があることは必ず確認しましょう。
おすすめのダークチョコレート『ALTER ECO』
ALTER ECO(アルテル エコ)はフランスのフェアトレードチョコレートのメーカー。上記の3つの条件を満たしたおすすめのダークチョコレートです。
原材料は非常にシンプルで3つのみ。有機カカオマス、有機カカオバター、有機さとうきび糖です。
これはカカオの含有量が85%と高いため、一粒でもダークチョコレートの風味が十分に味わえ、かつ価格もお手頃です。
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ダークチョコレートを食べる際の注意点・副作用など
ダークチョコレートは過剰摂取により以下の副作用が確認されています。
- ニキビ
- 各種アレルギー反応
- 湿疹
- 便秘
- 腹部の張り
- 頭痛
- 虫歯
- 心拍数の乱れ
- 睡眠障害
- 吐き気・胃の痛み
- 下痢
- 味覚障害
このように様々な副作用が確認されており、一見すればダークチョコレートは体に害悪のあるようにも思えますが、過剰摂取をしなければ上記の症状は十分に回避可能とされます。
特に、妊娠中の方、授乳中の方は十分に注意してください。
一日あたり20~30g程度を目安として、体調により量を調節しましょう。
ダークチョコレートについて:まとめ
一般的にお菓子のひとつとして認識され、体に悪いイメージのあるチョコレートですが、ダークチョコレートは健康・美容効果に優れた食品です。
ただし、本当に体に良いものを選ぶことが前提です。今回ご紹介した選び方を参考に、ぜひより良いものを選んでください。
こだわって選んだチョコレートは、心臓病やガンなどの予防や血圧低下、美容や脳機能アップまで、様々なメリットをもたらしてくれるでしょう。
その美味しさを楽しみながら、健康と美容の改善・維持にお役立てください。
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