『パパイン』
その名前から想像のつくように、南国の果物・パパイヤから抽出された成分で、強力な消化酵素の一種です。
その最大の特徴はタンパク質を分解する作用にあります。このタンパク質分解作用が、食品の消化を助けたり、皮膚の古い角質細胞を除去する等、健康・美容に関して様々なメリットをもたらします。
この記事では、パパイン(パパイン酵素)の持つ効果・効能と、パパインを使用した洗顔料やサプリメント、歯磨き粉など、特に美容方面に関した情報をお届けしたいと思います。
30秒でわかる記事の概要
パパインとは?
はじめに、『パパイン(パパイン酵素)』と、その原料となるパパイヤについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
未成熟の青パパイヤに含まれる成分
パパインとは、冒頭でも書いたようにパパイヤの果実や葉から抽出された酵素成分。まだ熟していない、いわゆる『青パパイヤ』に天然に存在する酵素の一種です。
正確には、未成熟の青パパイヤの表皮を傷つけると白い液体が滲み出てきますが、これに大量に含まれる酵素のことを言います。
パパイヤといえば完熟した黄色い状態のものをイメージしがちですが、実は完熟パパイヤにはそれほど多く含まれていません。
パパインはあくまでも未成熟の青パパイヤに含まれる酵素であり、熟すにつれて徐々に失われます。
そのため、パパインを摂取する目的で完熟パパイヤを食べるのはほぼ意味を成しません。
後述するサプリメント等で摂取するのが最も効率的な方法です。
優れたプロテアーゼ、酵素の王様
パパインの最大の特長はタンパク質の分解作用にあり、このタンパク質の分解作用を持つ酵素のことを『プロテアーゼ』と呼びます。
パパインは、エンドペプチダーゼ活性、アミダーゼ活性、エステラーゼ活性といった複数のタンパク質分解酵素としてはたらくことが判明しています。
なお、タンパク質はペプチドと呼ばれる成分でできており、プロテアーゼは水と混ざりあうことでタンパク質をペプチドに加水分解(水と混ざることで分解すること)する性質を持っています。
これが、プロテアーゼがタンパク質分解酵素と呼ばれる所以です。
※タンパク質はより細かく分解されるにつれて形を変え、タンパク質→ペプチド→アミノ酸 の順に分子の大きさが小さくなります。
ちなみにパパイン酵素には、タンパク質以外にも脂肪や糖質を分解する作用も確認されており、これが健康・美容においてパパインやパパイヤが注目されるきっかけになりました。
自然界において、タンパク質・脂肪・糖質それぞれを分解する酵素は数多く存在しますが、この3種類全てに対して分解作用がある酵素は非常に稀なこと。
それゆえ、パパインは『酵素の王様』と呼ばれることもあります。
パパインの用途
このように、タンパク質をはじめ、糖質・脂質の分解作用まで持つ優れた酵素であるパパインは、世界中で様々な用途で使われています。
最も有名なのは食肉を柔らかくするための用途で、たとえば南米の人々は、パパイヤやパパイヤの葉を利用し何世紀にも渡って生活に取り入れてきました。
他にも、フィリピンではパパイヤの葉を石鹸の代用品、または石鹸を作るための材料として加工して使う等、古くから美容のために用いてきました。
もちろん健康食品として取り入れる用途もあり、日本でもパパイヤを原料の1つにした酵素ドリンク等が人気を博しています。
パパイヤの栄養素
続いては、パパイヤ(未熟・青パパイヤ)の栄養成分について見ていきましょう。
成分名 | 含有量 ※100gあたり |
備考 |
---|---|---|
エネルギー | 39kcal | |
水分 | 88.7g | |
タンパク質 | 1.3g | |
脂質 | 0.1g | |
糖質 | 9.4g | |
カロチン | 45μg | ビタミンA類(βカロチン) |
βクリプトキサンチン | 140μg | ビタミンA類で、ファイトケミカルの一種 ※βクリプトキサンチンの詳細はこちら |
ビタミンE | 0.7mg | ※ビタミンEの詳細はこちら |
ビタミンB1 | 0.03mg | ビタミンB群 ※ビタミンBの詳細はこちら |
ビタミンB2 | 0.04mg | |
ナイアシン | 0.3mg | |
ビタミンB6 | 0.01mg | |
葉酸 | 38μg | |
パントテン酸 | 0.55mg | |
ビタミンC | 45mg | ※ビタミンCの詳細はこちら |
ナトリウム | 5mg | ミネラル類 |
カリウム | 190mg | |
カルシウム | 36mg | |
マグネシウム | 19mg | |
鉄分 | 0.3mg | |
亜鉛 | 0.03mg | |
リン | 17mg | |
食物繊維 | 2.2g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より引用
上記のように、パパイヤにはパパイン酵素以外にも多種多様な栄養素が含まれており、これがパパイヤの持つ健康・美容効果をもたらしているようです。
パパイヤの歴史
最後に、蛇足ですがパパイヤの歴史を簡単にご紹介します。
パパイヤは、ブラキオサウルスやディプロドクスといった大型恐竜の棲息していたジュラ紀(約2億年前)の南米でもその存在が確認されており、その後マヤ文明期のメキシコにおいて医療用の植物として用いられる等して利用されてきました。
世界中に広まったのは16世紀の大航海時代のことで、バスコ・ダ・ガマ(コロンブスという説もあり)によって広められました。
同船の乗組員が倒れた際、南米の原住民からもらったパパイヤを食したところ、立ちどころに回復したとの言い伝えもあり、当時の船乗りには致命的な病気で、ビタミンC不足によって起こる『壊血病』の治療に貢献したとのことです。
ちなみに、パパインが初めて酵素として使用されたのは1873年のこと。
G.C ロイ氏によって『カルパッタ・メディカル・ジャーナル誌』に、パパイン(正確にはパパイヤジュース)が食物の分解作用に優れていることが発表されたことをきっかけに、その優れたはたらきが知れ渡りました。
日本には明治時代に伝わったものの、全国に普及したのは輸入が許可された1968年以降のこと。パパイヤは、日本においてはまだまだ歴史の浅い果物なのです。
パパインがタンパク質を分解するメカニズム
パパインのタンパク質分解作用は、パパインが広範囲のpH値を持つという特性に由来しています。
つまり、タンパク質をペプチドに分解できるpH値にも、ペプチドをアミノ酸に分解するpH値にも対応可能なことから、タンパク質同士の結合を切断を容易にしているのです。
このタンパク質の結合を切断する作用により、タンパク質の栄養素としての消化吸収を促進するため、多くの疾患や肌や体の不調を未然に防ぐことに繋がるのです。
※腸に対する効果から、青パパイヤは『腸にいい食べ物』のひとつにも数えられています。
>> 腸にいい食べ物 総まとめ!「腸活」効果が証明済みのスーパーフード
パパインの効果・効能
では、パパインは私たちの体にどのような効果・効能をもたらすのでしょうか? 順にご紹介します。
1:消化を促進する効果
上記のように、パパインの最大の特徴は消化酵素のように作用しタンパク質を分解すること。食事をした際にタンパク質や脂肪、糖質の消化を助けます。
ミシガン大学の研究では、パパインが胃や腸や膵臓など消化器官の機能を強化し、消化を促進する効果に優れているとしています。
消化が促進は排泄の促進にも繋がり、これによって胃腸の状態が改善され、便秘解消やデトックス、体臭・口臭の予防、ダイエット等の様々な副次的効果をもたらします。
2:傷や腫れの治癒効果
火傷や傷、皮膚の炎症や腫れなどを軽減したり、治癒を促進する効果があります。
これは、パパインの持つ抗炎症作用とタンパク質分解作用に由来しているものと想定されます。
メリーランド大学メディカルセンターの研究で、外科手術の跡や火傷、床ズレ等の自然治療に最適であることがわかっています。
なお、パパインを傷の治療に用いる際には、傷口が開いている状態ではなく、すでに傷口が塞がり治癒途中の傷に塗布するのが最適とのこと。
また、ハワイやタヒチでも、傷や火傷、発疹や虫刺され等の治療にパパイヤの表皮を用いてきた歴史があり、皮から抽出したパパインを皮膚に塗布して利用しているようです。
3:美肌効果
美白、肌のターンオーバー促進など、美肌効果に優れています。
化学物質フリーのスキンケアを提唱するインドの皮膚科医・スルビ博士によれば、パパインの優れたタンパク質除去作用は、垢などの死んだ皮膚細胞の排出を促進し、皮膚の修復スピードや、肌細胞の保水効果を高めてくれるとのこと。
また、酸化防止作用のある栄養素も多く含むことから、肌の老化物質『活性酸素』を除去するため、パパインは総じてスキンケアに最適な成分と言えます。
肌のターンオーバーの促進、老化物質の除去、保水効果を高めるなど、肌にとって様々なメリットを有しているため、美肌の実現に最適です。
4:オーラルケア効果
虫歯や歯周病などを予防する、オーラルケアにも効果的です。
2017年大阪歯科大学が高齢者に対して行った研究によれば、パパインが舌のバイオフィルムの形成を阻害し、減少させる効果があったとのこと。
また別のインドで行われた研究では、パパインが虫歯の原因であるプラークと歯肉炎の発生を抑制するとの結果が出ています。
以上のように、プラークやバイオフィルムといった虫歯・歯周病の原因物質を除去、もしくは形成を妨げるため、オーラルケアに最適です。
また、タンパク質や脂肪、糖質を分解できることから、歯のホワイトニングにも効果的と言えます。
5:抗ガン効果
ガンの予防にも効果的だという報告もされています。
十分な証拠は揃っていませんが、パパインとガンの腫瘍に関する以下のような例があります。
チェコのチャールズ大学が2001年に行った研究では、パパインやトリプトシンなどのタンパク質分解酵素を与えられたマウスは、腫瘍の転移・増殖・再発が減少したとの結果が出ています。
また、オーストリアのウィーン大学が1990年と1994年に、パパインがサイトカインを発生させることで腫瘍の原因因子を除去すると発表しています。
研究例が少なくまだ不十分な証拠しかありませんが、パパインには免疫機能を高め、ガンを予防する効果があると考えられます。
6:抗菌効果
真菌などの細菌に対しても有効な、優れた抗菌効果も有しています。
African Journal of Agricultural Researchの2010年の研究により、パパインが悪性の真菌を統計的に減少させることがわかっています。
パパインの持つ優れた抗菌効果は、食品の防腐剤としても有用で、食品の保存料として頻繁に使用される『安息香酸ナトリウム』の代用品として利用可能。
様々な食品、特に生鮮食品を保存したいときに便利で、海外ではヨーグルトの保存料としても使用されているようです。
7:前立腺炎の治療効果
メリーランド大学メディカルセンターの研究では、前立腺炎の治療にも役立つことが示されています。
同大学によれば、パパインと抗炎症薬を併用すると、前立腺内部の炎症や腫脹などを緩和すると発表されています。
今後、より徹底した研究が望まれますが、パパインの持つ抗炎症作用をよく表した結果と言えるでしょう。
パパインを使用する際の注意点・副作用
上記のように、健康・美容ともに優れた効果のあるパパインですが、使用するにあたっていくつか注意点(副作用や、使用を控えるべき人)があります。ここではその一例をご紹介します。
- 大量摂取を控える:パパインを大量に摂取した際に、重度の喉を傷つけたり炎症を引き起こす可能性があります。
- 日焼けや傷、腫れなどのある肌に直接塗布しない:これらの症状がある肌にパパインを塗布すると、水疱や傷み・炎症を引き起こすことがあります。
- パパイヤアレルギーに注意:ごく一部の人はパパインをとってアレルギー反応を示すことがあります。アレルギーをお持ちの方は、必ず事前に医師に相談してください。また、キウイにアレルギーのある方は、パパインにもアレルギー反応を起こすこともあります。
- 妊娠中・授乳中の方:妊娠中または授乳中の方に対してパパインの副作用に関する十分な証拠がありません。服用することは控えた方が懸命です。
- 出血障害のある方:血液の凝固作用を阻害する恐れがありますので、パパインの使用(肌への塗布など)を控えましょう。
- 手術の予定のある方:手術中の出血を誘発する可能性があるため、手術の2週間前にはパパインの服用を中止してください。
パパインを使用した製品
では、ここからはパパイン(パパイン酵素)を使用した製品(サプリメント、洗顔料、歯磨き粉)などを順にご紹介します。
サプリメント:バイオ・ノーマライザー
パパインの酵素を健康食品として取り入れるには、『バイオ・ノーマライザー』が最もおすすめです。
青パパイヤの実だけでなく皮や種まで丸ごと原料にし、食品添加物を一切使わずに作られた100%天然成分の発酵食品です。
その効果は日本のみならず世界各国で認められており、世界中で合計130篇以上の学術論文が発表されているほど注目されています。ちなみに中国ではインフルエンザの予防薬として使用されているとか。
『バイオ・ノーマライザー』はパパインの持つ免疫力を強化する作用を最大限に活かしたサプリメントです。毎日の食事にプラスしてみましょう。
また、パウダー状のものと、タブレット状になっているものの2種類がありますので、好みに応じて使い分けやすいのもポイントです。
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洗顔料:アルファピニ28
アルファピニ28は、パパイン酵素と天然のサンゴ成分を配合した洗顔パウダーです。
一般的に酵素洗顔は肌に刺激の強いものが多いのですが、アルファピニ28は以下の添加物・化学物質を一切使用していないため、肌への刺激・負担が非常に少ないのが特長です。
- 合成色素
- 合成香料
- 防腐剤
- 鉱物油
- アルコール
- 石油系界面活性剤
また、アルファピニ28の製造元であるシェルゥーム社は、鹿児島県の奄美大島に完全無農薬のオーガニック自社農園を持っています。
ここで栽培されたショウガ科の多年草植物『クマタケラン』を栽培し、この製品にも配合。
クマタケランは強力な紫外線と雨という過酷な環境下でも自ら酸化を防ぎ水分をしっかり保つ性質を持っている植物だとか。
可能な限り自然なもののみを使用し、余計なものは一切使用しない。原料へのこだわりが見える洗顔パウダーです。
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歯磨き粉:プレミアムブラントゥース
歯磨き粉のおすすめはプレミアムブラントゥースです。
正確には歯磨き粉ではなく歯磨き用のジェルで、パパイン酵素の他にココナッツオイルや茶カテキンエキスなどの複数のオーガニック成分を含んでいるのが特徴です。
また、この製品のもうひとつの特徴は、通常の研磨剤『フッ素』が含まれていないこと。
フッ素は史上最悪の汚染物質とも呼ばれ、強い毒性を持ち、かつては水道水の消毒にも使用されていたほど。人体にとって無害とは決して言えない物質です。
また、歯の表面を削る=傷をつけることを意味するため、その傷に汚れや菌が定着してしまうというデメリットももたらします。
プレミアムブラントゥースはフッ素のこうしたデメリットに配慮し、フッ素を無配合。代わりにパパインをはじめとした天然の洗浄成分を配合しており、この成分の効力で汚れやプラーク等を落とします。そのため、歯磨き粉としての役割だけでなく、ホワイトニングにも効果があります。
オーガニックの天然成分を使用し、フッ素等の余計な物質は無配合。歯磨き粉とはいえ、体内に使用するものである、というメーカーの意識が見て取れる製品です。
>> オーガニック天然成分を使用&フッ素無添加。ホワイトニングもできる『プレミアムブラントゥース』をチェック!
パパイン(パパイン酵素)について:まとめ
健康だけでなく、美容にも優れた効果を発揮するパパイン。全身を美しく保つその作用は、エイジングケアに最適な成分です。
洗顔料、入浴剤、歯磨き粉など色々な製品に使用されていますので、ぜひご自分の悩みや要望に合わせて最適な製品を選んでみてください。
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