『黒人参』をご存知ですか?
その名前のように黒い見た目の人参で、抗酸化成分が豊富な人参の原種に非常に近いとされる植物です。
抗酸化成分をはじめとした豊富な栄養素を含み、体調管理や年齢による疲れや衰えを気にする方に最適。
この記事では、黒人参と黒人参を原料としたハーブティー(黒人参茶)の効果とレシピ、食べ方等について詳しくご紹介します。
※効果については、大学や研究機関の発表・臨床試験などを中心に、科学的な根拠に基づき記載していますが、実際の効果を保証するものではありません。
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30秒でわかる記事の概要
黒人参とは?
はじめに、黒人参についてもう少し詳しくご紹介します。
冒頭でも書いたように、黒人参は人参の原種に近い品種で黒っぽい紫色が特徴的な植物。
主に、標高4000メートルの山に囲まれた非常に稀有な環境で生産されるため、希少価値が高い品種です。
風味は、一般的なオレンジ色のにんじんのような青臭さが少なく、また糖度が高いため、野菜というよりもフルーツに近く食べやすいという特徴を持っています。
黒人参が栽培される地域は?
日本ではあまり馴染みのない黒人参ですが、世界的には多くの国と地域で用いられる植物で、最も多く栽培されているのはトルコ。
その他にも中国、インド、アフガニスタン、エジプト等の多くの国でも栽培されています。
特にトルコでは黒人参をジュース(サルガムと呼ばれる)にして日常的に飲む習慣があるほど一般的な野菜です。
なお、黒人参は元々、中央アジアが原産で地中海の国々やアジアで栽培されていた野菜で、その歴史は一般的なオレンジ色のにんじんよりも古いと言われています。
豊富なアントシアニンを含む
後ほど詳しく説明しますが、黒人参の黒っぽい紫色は『アントシアニン』に由来するもの。
アントシアニンは、ブルーベリー等に含まれる色素成分のファイトケミカルで、これが多く含まれるほど色が濃くなる傾向にあります。
黒人参はその名前のとおり黒に近い紫色。豊富なアントシアニンを有していることがわかります。
このアントシアニンが黒人参の優れた抗酸化作用を支えており、後述する様々な健康・美容効果を生むと考えられます。
※アントシアニンの効果や摂取方法について詳しくは『アントシアニンの効果・食べ物まとめ。”最強抗酸化食品”ベリーの力の源!』をご覧ください。
一般的なにんじんとの違い
ちなみに、私たちが普段スーパー等で購入し食している一般的なオレンジ色のにんじんとの違いは、含有される成分にあります。
黒人参が前述の『アントシアニン』を多く含んでいるのに対し、一般的なオレンジ色のにんじんは橙色の色素成分『β-カロテン』が多く含まれます。
この色素の含有量の違いが、そのまま見た目にも表れています。
※なお、どちらも同じセリ科の野菜であり、あくまでも違いは色素成分の違いのみです。
黒人参に含まれる栄養素
続いては、黒人参に含まれる栄養素を見ていきましょう。
前述したアントシアニンを含め、黒人参には以下の栄養素が含まれています。
No | 栄養素名 | 含有量 (100gあたり) |
備考 |
---|---|---|---|
1 | アントシアニン | 約700mg | ※アントシアニンについて詳しくはこちら |
2 | ビタミンA | 417μg | ※ビタミンAについて詳しくはこちら |
3 | ビタミンC | 5.9mg | ※ビタミンCについて詳しくはこちら |
4 | ビタミンB1 | 0.066mg | ビタミンB群 ※ビタミンB群について詳しくはこちら |
5 | ビタミンB2 | 0.058mg | |
6 | ビタミンB6 | 0.138mg | |
7 | ナイアシン | 0.983mg | |
8 | パントテン酸 | 0.273mg | |
9 | 葉酸 | 19μg | |
10 | ビタミンK | 13.2μg | |
11 | ナトリウム | 69mg | ミネラル類 |
12 | カリウム | 320mg | |
13 | カルシウム | 33mg | |
14 | 鉄分 | 0.3mg | |
15 | マグネシウム | 12mg | |
16 | マンガン | 0.143mg | |
17 | 亜鉛 | 0.24mg | |
18 | 銅 | 0.045mg | |
19 | リン | 35mg | |
20 | セレン | 0.1μg |
※出典:Nature World より一部引用
このように、黒人参はビタミン、ミネラル、抗酸化物質ともに豊富に含む優れた食材です。
特に多いのはやはりアントシアニン。数種類のアントシアニンを含むことから、アントシアニンの宝庫として知られるブルーベリーをも凌ぐ量を有します。
また、ビタミンCと、ビタミンB群とミネラル類は複数種類を豊富に含んでいるのが見て取れます。
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質とバランスが取れ、かつそれらを高含有することが、黒人参の優秀な健康・美容効果を実現しているのです。
黒人参の効果・効能
ここからは、黒人参の持つ効果・効能をご紹介します。
※上記の栄養素や、大学・研究機関の臨床試験などを中心に、科学的な根拠に基づいた効果・効能となります。
1:ガンを予防する効果
ガン細胞の増殖を抑制する効果があるとされています。
これは黒人参に豊富に含まれるアントシアニンによるものと考えられます。
2007年にInnovative Food Science & Emerging Technologiesに掲載された研究によれば、黒人参から抽出されたアントシアニンにはガン細胞の増殖を抑える効果があることが示されています。
同研究では、ボランティアに黒人参のアントシアニン抽出物を飲んでもらい、直腸ガン細胞および白血病の細胞に対する抑制作用を調査しました。
その結果、アントシアニンはどちらの細胞の増殖を阻害したとの報告がされています。
アントシアニンをはじめファイトケミカル全般は、ガンの原因とされる活性酸素(フリーラジカル)の除去効果に優れる栄養素とされます。
正にこの作用を示す研究結果です。
2:糖尿病の予防効果
グルコース(糖)の代謝機能を維持し、糖尿病を予防する効果が期待されます。
2015年・韓国で行われた実験によれば、高脂肪食と黒人参の抽出物を12週間に渡ってマウスに与えたところ、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ効果が確認されたとのこと。
これにより、肝臓が糖を代謝する機能が維持され、糖尿病の予防に寄与すると考えられます。
ちなみに、この実験で用いられた黒人参の抽出物は発酵させた黒人参を原料としたもの。
黒人参は発酵させることで、よりその効果が増す(効果が安定する)とされています。
なお、同様の実験は2016年にドイツのブラウンシュヴァイク工科大学が行った試験でも示されており、黒人参に含まれるアントシアニンがグルコースの吸収を阻害し、潜在的な抗糖尿病特性があるという結果が出ています。
3:脂肪肝を予防する効果
肝臓への脂肪の蓄積を阻害し、脂肪肝になるのを防ぐ効果が期待されます。
こちらも先程(糖尿病の予防効果の項)と同じ2015年・韓国で行われたマウスを使った実験により、その効果が示唆されています。
同実験によれば、黒人参の抽出物を与えられたマウスは、脂肪細胞の増殖が抑制され、この結果、肝臓への脂肪蓄積が顕著に改善されたことがわかっています。
脂肪肝は、肥満(メタボリックシンドローム)やアトピー性皮膚炎の原因として知られていますので、間接的にこれらの症状の予防にも寄与することが考えられます。
4:アルツハイマーの予防効果
アルツハイマーの予防効果があることも確認されています。
「Journal of Agricultural and Food Chemistry」2011年3月号に掲載された記事に、黒人参にはアルツハイマーの原因とされる『アミロイドβタンパク質』の沈着を抑える働きがあることが記載されています。
これは黒人参中に含まれるアントシアニンの作用によるもので、アルツハイマーやパーキンソン病などの脳神経の機能不全を治療し得る可能性が示唆されています。
なお、別の研究では、アルツハイマー病の原因としてビタミンAの欠乏症が関連していること、ビタミンB12の欠乏症などが挙げられています。
前述のように、黒人参はこれらの栄養素も含んでおり、アルツハイマー病の対策に適した食品と考えられます。
5:精子の質を改善する効果
精子の質を改善する効果があると考えられます。
これは、2013年にアメリカのハーバード大学が189人の若い男性を対象に行なった調査の結果、明らかになっています。
同研究チームは、精子の質を高めるポイントは『カロテノイド』と呼ばれるファイトケミカルにあると述べており、カロテノイドを積極的に摂ることで精子の運動性が高くなると結論付けています。
この研究において最も効果が高かったのが一般的なにんじんで、総じて黄色またはオレンジ色の食品が効果が高かったとのこと。
黒人参もまた多くのカロテノイドを含むことから、同様の効果が期待されます。
6:関節の痛みを和らげる効果
アントシアニンには優れた抗炎症作用もあり、これが関節の痛みを緩和します。
2015年、韓国のカトリック大学校による研究では、アントシアニンが炎症を抑制し、関節炎の発症を抑え、酸化ストレスまで減少させたことが証明されています。
また別の研究(2011年・ロードアイランド大学)では、アントシアニンが軟骨を保護する作用と抗炎症効果を有することを発表しています。
このように、複数の研究においてアントシアニンには優れた抗炎症作用があることが証明されています。
これらの研究では黒人参を用いたわけではありませんが、アントシアニンを豊富に含む黒人参には関節部が炎症を起こすリウマチ等の関節痛の症状を改善する効果もあると考えられます。
7:目の健康を守る効果
オレンジ色のにんじん同様、黒人参にもβカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは「目の健康維持に効果的」とされる代表的な栄養素のひとつ。
例えば、2009年に加齢性眼疾患研究研究グループによって行われた研究では、βカロテンが黄斑変性のリスクを低下させる効果が認められています。
さらに、ブリガムアンドウィメンズ病院による研究では、加齢性白内障に有益(あるいは治療において無害)であることも証明されています。
そのため、βカロテンを高含有している黒人参もまた、加齢による目の病気を予防する等の効果に優れていることが考えられます。
黒人参の食べ方・レシピ
では、ここからは黒人参のおすすめの食べ方・摂取法や、料理のレシピ、料理以外の黒人参の用途をまとめてご紹介します。
前提:オーガニック栽培のものを選ぶ
黒人参は様々な摂取法がありますが、全てに共通して重要なポイントは、オーガニック栽培のものを選ぶということです。
農薬や肥料を用いた慣行農法で栽培された作物は、総じて栄養価が損なわれます。
加えて、人体に悪影響のある残留農薬の危険性もあります。
残留農薬は加工食品中に残る可能性があり、また、加工時に使用される薬品や食品添加物と化学反応を起こすことも懸念されます。
残留農薬が招くとされるアルツハイマーや喘息、発達障害などの症状を未然に防ぐためにも、オーガニック栽培の黒人参を選ぶよう心がけましょう。
では、これを踏まえて、以下からは効果的な黒人参の食べ方(摂り方)やレシピ等を順にご紹介シていきます。
1:黒人参茶(ハーブティー)として
日本において最もポピュラーな黒人参の摂取法は、お茶(黒人参茶)として飲むこと。
黒人参は日本ではほぼ市場に出回らず、一部の農家が栽培するのみ。レストランや個人店でごく稀に見かける程度で手に入れるのは非常に困難です。
そのため、黒人参はお茶として飲むのが最も手軽に・かつリーズナブルに黒人参を摂れる、どなたにもおすすめできる摂り方です。
ただし、お茶にも欠点があります。それは、水溶性の栄養素(ビタミンC等)や食物繊維が摂取できないこと。
そのため、黒人参そのものを調理したり食べる方法に比べて、一部の効果(整腸効果)は期待できません。
しかし、黒人参は高栄養価を誇るため、摂りすぎれば後述する副作用が起こる可能性があります。
この過剰摂取を避けることができ、飲みやすく、経済的にも続けやすいのがお茶の最大のメリットです。
手軽に試すことができるため、「これから黒人参を始めよう、試してみよう」という方は、まず黒人参茶から試してみましょう。
少食の方、妊娠中の方、にんじんの風味が苦手な方には、特におすすめです。
無農薬原料100%の黒人参茶
黒人参茶を始める場合、最も推奨されるのは『natoha 黒人参茶クレンズ』です。
この製品の優れた点は、全てが国産の無農薬栽培の原料のみ、食品添加物を一切使用していないという点にあります。
原材料は、黒人参(70%)の他に、ウコンと緑茶を使用していますが、この全てが沖縄で、除草剤も農薬も一切使わないオーガニック農法で栽培されたもの。
そのためか、香りが良く癖のない自然な味わいが楽しめるお茶に仕上がっています。
黒人参茶を試したい方は、まずはこの『natoha 黒人参茶クレンズ』を3ヵ月間飲むことをおすすめします。
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2:料理として(レシピ)
生食の黒人参が手に入った場合は、以下のレシピで料理に用いるのもおすすめです。ここでは、代表的なレシピをご紹介します。
黒人参と大根のピーラーマリネ
■材料
- 黒人参:1本
- 大根:1/4の半分
- 塩(味付け、塩もみ):適量
- 黒胡椒:適量
- オリーブオイル:適量
- レモン(酢でも):適量
■作り方
- 人参と大根を良く水洗いしてピーラーで縦にどんどんシュッシュする。
- シュッシュした人参大根をボールに入れて塩少々で5分置いておく。
- ボールで塩もみした野菜を軽く絞りボールに水が出てたら捨てる。
- ボールに野菜を戻し塩胡椒とオリーブオイルにレモンを絞り出来上がり♪
黒人参ちらし寿司
■材料
- お米:3合
- 黒人参 (マジックキャロット):刻み20グラム又は大さじ2
- きゅうり:せん切り1/2~1本
- 花びらたけ:1袋
- 炒りたまご又は錦糸たまご:少々
- いくら:少々
- すし酢:30~50cc
- 塩:少々
■作り方
- 洗ったお米と黒人参を混ぜ合わせて炊く。炊いている間にたまごを焼き、きゅうりもせん切りにする。
- 花びたけもボイルしておく。炊けたら少しずつ混ぜ合わせる。お米に黒人参の紫色がついてきます。
- お酢を少しづつ入れていくことにより色が少しづつ変化してピンク色がついてきます。
- 野菜、たまごを入れて混ぜ合わせる。器に盛り付けたらいくらをトッピングしたらOKです。
※出典:クックパッド『黒人参ちらし寿司』
3:着色料としても使用される
黒人参は、上記のレシピ以外にも、豊富なアントシアニンを活かし、自然由来の安全な着色料としても使用されます。
※いちごジャムの鮮やかな色を保つのに効果的であることも証明されています。
すでに使用禁止になってはいますが、タール系の合成着色料には発ガン性が指摘される等、着色料の多くは体に害であることが知られています。
黒人参の鮮やかな色素は、こうした着色料の代用品として用いられます。
発酵させることでより効率的に摂取可能
黒人参を効果的に摂取するコツは、黒人参を予め発酵させることです。
確かに黒人参にはアントシアニンが多く含まれるものの、酸化や熱に弱いのが難点。
光に晒されたり加熱されることで、そのはたらきが鈍ってしまいます。
これを防ぐための手段として有効なのが、黒人参は発酵させること。
発酵した黒人参に含まれるアントシアニンは安定性が高まり、吸収率と効果を高めることがわかっています。
上記の効果・効能でご紹介した一部の研究においても、発酵した黒人参の抽出物を用いており、これが優れた効果を発揮したと考えられます。
黒人参の副作用・注意点
黒人参はその高い栄養価ゆえに、摂りすぎることでいくつかの副作用を起こすことが報告されています。
例としては、皮膚の変色やアレルギー反応、血圧の上昇または低下、下痢や腹痛等です。
これらの副作用の原因となるのは、黒人参が以下の栄養素を多く含むためだと言われています。
- 食物繊維
- カリウム
- βカロテン
栄養価の高さは、過剰摂取時の危険性が高まることにも繋がるため、一度に多量に食べることは避けるようにしてください。
また、にんじんにアレルギーをお持ちの方は摂取を避けるようにしてください。
黒人参・黒人参茶について:まとめ
豊富なアントシアニンと複数のビタミン・ミネラルを含む黒人参。
ガンや糖尿病の予防や関節痛、アルツハイマーの予防と、現代人の抱える病気に対抗し得る優れた食材です。
しかし、その優れた健康効果はスーパーフードとも呼べる一方で、過剰摂取時には副作用を伴う場合がありますので、十分に注意したいもの。
手軽に黒人参を取り入れる場合は黒人参茶でお試しになるといいでしょう。
また、食材として普段の食生活に少しずつ取り入れる等して、ご自分に合った方法を見つけてみましょう。
※ご紹介した製品(黒人参茶等)は、これを摂取することでこの記事内に記載のある黒人参の健康効果を必ず得られるというわけではありません。
あくまでも、臨床試験や各研究機関の発表、および黒人参やそれに含まれる栄養素による効果をご紹介するものであり、実際の効果・効能を保証するものではありません。
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