「起訴」「不起訴」
大きな事件や,有名人が事件を起こす度によく聞く言葉ですよね。
今回は「起訴」と「不起訴」について,パラリーガルの私がざっくり解説します。
30秒でわかる記事の概要
「起訴」とは?ざっくり解説。
まずは「起訴」についてざっくり解説します。
「起訴」とは,「この事件について,裁判を開いて判断してください」と裁判所にお願いすることを言います。
もう少し詳しく説明すると,事件が起きた時に,その事件と,その事件を起こした人をどうするかという判断を,裁判所にしてもらう手続きのことです。
ちなみにこの「起訴」ができるのは,検察官という人たちだけ!
なんとなく,警察がやってるようなイメージがありますが,原則として検察官(HEROで木村拓哉さんが演じたのが検察官!)しか行えないみたいです。
そして,起訴された段階から事件を起こした人は「被告人」→「被疑者」という呼び方になります。
起訴されると,どうなる?
では,起訴されたらどうなってしまうのでしょうか?
ざっくり言ってしまうと,裁判が終わるまではずーっと,警察の留置所や拘置所に入れられます。
留置所や拘置所に入っている期間は,たとえ裁判が1回で終わる事件でも1ヵ月くらい。裁判の回数が数回続くと,半年以上も続くことがあるみたいです。
ちなみに起訴されると99.9%が有罪になるとか…!
当たり前のことですが,悪いことはしない,させないことが重要ですね。
では逆に,「不起訴」とは?
では逆に「不起訴」とは何なのでしょうか?
「不起訴」とは,ざっくり言うと,裁判所が「裁判で判断する必要なし!」という判断をすることです。
これをニュースや刑事ドラマなどでは,よく「不起訴処分になった」のように言うことが多いので,聞いたことがある人も多いと思います。
不起訴になれば,前科がつかないので,警察のブラックリストに載ったり,資格を取り上げられたり等,仕事に支障が出る心配がなくなります。
「不起訴」になるには,3つのパターンがある!
そして,「不起訴」になるには3つのパターンがあります。それが「嫌疑なし」,「嫌疑不十分」,「起訴猶予」の3つです。
それぞれ,ざっくりとご説明します。
1:嫌疑なし
「嫌疑なし」とは,
- 被疑者が絶対にその事件の犯人じゃない
- その犯罪を起こしたと証明する証拠が全然ない
…等が明白にわかるパターンです。
2:嫌疑不十分
「嫌疑不十分」とは,捜査した結果,被疑者がその事件の犯人じゃないとは100%言い切れないけど,有罪とするには証拠が足りないというパターンです。
3:起訴猶予
「起訴猶予」とは,被疑者が事件を起こしたのは間違いないけど,
- 事件の被害者との間で示談になった(和解した)
- その事件の内容が軽い(軽犯罪)
- 本人が深く反省している
…等のパターンです。
不起訴のパターンの9割は「起訴猶予」!
ちなみに,不起訴になる理由のほとんど(一説には9割以上!)が,最後の「起訴猶予」なんだそうです。
確かに,そもそも軽犯罪なら見逃すこともありますし,裁判所に判断をしてもらうなんていう大ごとなら,事前にちゃんと証拠は用意するでしょうし,考えてみれば当たり前ですね。
示談で釈放になった,不起訴になった,というニュースもよく目にすることも多いですよね。
まとめ:「起訴」と「不起訴」では大違い!!
最後にざっくり「起訴」と「不起訴」について,まとめです。
- 「起訴」とは「この事件について,裁判を開いて判断してください」と裁判所にお願いすること
- 「不起訴」とは裁判所が「裁判で判断する必要なし!」という判断をすること
- 起訴されると,ほぼ間違いなく留置所や拘置所行き!しかも1ヵ月は居なきゃダメ!
- 不起訴になるパターンの9割は「起訴猶予」!
「起訴」と「不起訴」では大違いですね!
最後に
いかがでしたか?「起訴」と「不起訴」について,お分かりいただけたでしょうか?
文章を書くのは得意じゃないんですが,私なりに(私自身が)わかりやすいように書いてみました。
これからも引き続き,不定期ですが法律用語の解説をしていきたいと思います。
パラリーガルの私がおすすめの法律の本
おまけで,私のおすすめの法律の本をご紹介しておきたいと思います。
私がパラリーガルとして働き始めたときに愛読していた本で,初心者にも分かりやすく書いてあるのでおすすめです。
ご興味のある方は,ぜひお手に取ってみてくださいね。
1:日本国憲法を口語訳してみたら
これは法律ではなくて日本国憲法なのですが,まずは「憲法とか法律は難しいものじゃない」「知ってると得する」ということをわかってもらうには一番良い本だと思います。
2:クロサギ
山P主演でドラマ化されましたよね!
私は山Pが好きでドラマ観て→ハマってマンガを買うという流れで手に取りましたが,ドラマと違って原作(マンガ)はけっこう法律の抜け穴とか,問題点がとっても具体的に描いてあるのでおすすめ。
最新の(当時の)時事ネタも取り上げていたりして,自分の身にも襲い掛かってくるんじゃないか?と自分ごとにも置き換えられて見れるところもいいと思います。
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