不要なゴミを減らすため、環境と健康を守るためにに、一部の国や地域ではビニール袋の使用を禁止しています。
日本では一部スーパーでビニール袋を有料化する等の対策が進んではいますが『禁止』も課税もしていません。
しかし国際的に見れば、ビニール袋をはじめプラスチック製品は、環境面・健康面など複数の理由から排除される動きが進んでいます。
この記事では、
- ビニール袋の使用を禁止または制限している国・地域まとめ
- ビニール袋をはじめプラスチック製品がもたらす悪影響
…の2つをわかりやすくまとめました。
30秒でわかる記事の概要
ビニール袋を禁止・課税対象にしている国・地域まとめ
まずは『ビニール袋を禁止』している国を、地域別にご紹介していきます。
その数は30以上。実際にこれだけの国がビニール袋、あるいはプラスチック製品の使用を禁止・あるいは制限(課税対象)しています。
EU・ヨーロッパ
ビニール袋の使用禁止する国が多いのは、EU・ヨーロッパの国々です。
以下がその一覧です。
- イングランド
- スコットランド
- ウェールズ
- イタリア
- ドイツ
- デンマーク
このうちデンマークは、EU・ヨーロッパで最初にビニール袋を有料化(課税対象)にした国。1994年のことです。
デンマークは風力発電、バイオガス、廃棄物等の再生エネルギー源を積極的に利用する、環境先進国として有名。
今から25年も前に有料化を始めていたとは驚きです。
なお、EUは2019年までにビニール袋の使用量を80%削減することを目標にしており、ヨーロッパ地域全体でビニール袋(及びプラスチック製品)の排除が進んでいます。
アフリカ
EUに並びビニール袋の使用禁止に積極的なのがアフリカです。
以下がその一覧です。
- ケニア
- マリ
- カメルーン
- タンザニア
- ウガンダ
- エチオピア
- マラウイ
- モロッコ
- 南アフリカ
- ルワンダ
- ボツワナ
上記を含め、実に15ヵ国以上で完全禁止もしくは課税対象にされています。
アフリカでは闇市場が横行していることもあり、正確性と税対策の有効性については統計をとるのが難しいとのこと。
ただし、南アフリカでは禁止されて以降、早期に90%以上のビニール袋が使用削減される等、その効果は確実にあったようです。
アジア
アジアでも、日本以外の国では着実に脱・ビニール袋が進んでいます。
以下が禁止または使用を制限している国の一覧です。
- 中国
- バングラデシュ
- カンボジア
- 香港
- インド
- インドネシア
- マレーシア
- 台湾
このうち中国では、2008年の北京オリンピック前に薄手のビニール袋の使用を一切禁止。
厚手のビニール袋には小売業者に課税を行いました。
この結果、ビニール袋の使用量が従来の3分の2にまで減ったと中国政府は述べています。
南米
南米でも以下の国でビニール袋の禁止or制限が進んでいます。
ただし、こちらは国全体で行っているわけではなく、一部の都市や地域で講じられている対策のようです。
- アルゼンチン
- ブラジル
- チリ
- コロンビア
繰り返しになりますが、一部の都市・地域でのみ行われていることに加え、統計も取れないため、性格な効果・進捗も不明。
それでも、自主的にこうした対策が行われていることは事実のようです。
その他の国・地域
その他の国としては、アメリカとオーストラリアでもビニール袋が禁止または使用が制限されています。
ただし、どちらの国でも国全体として行っているのではなく、都市・地域単位で行われているようです(南米と同様)。
ちなみに、それぞれ禁止・または制限されている地域や都市は以下の通りです。
アメリカ
- ハワイ
- コロンビア特別区
- シアトル
- メイン州
- ニューヨーク
- ロードアイランド
- プエルトリコ
オーストラリア
- ノーザンテリトリー
- 南オーストラリア州
- タスマニア州
アメリカ、オーストラリア以外では、カナダとメキシコの州や準州で禁止・制限の措置がとられています。
まとめ
以上、ビニール袋の使用を禁止または制限している国・地域の一覧は以下の通りです。
(一部の国では、都市または地域・州単位で禁止・制限をしている)
EU・ヨーロッパ
- イングランド
- スコットランド
- ウェールズ
- イタリア
- ドイツ
- デンマーク
アフリカ
- ケニア
- マリ
- カメルーン
- タンザニア
- ウガンダ
- エチオピア
- マラウイ
- モロッコ
- 南アフリカ
- ルワンダ
- ボツワナ
アジア
- 中国
- バングラデシュ
- カンボジア
- 香港
- インド
- インドネシア
- マレーシア
- 台湾
南米
- アルゼンチン
- ブラジル
- チリ
- コロンビア
その他
- アメリカ
- オーストラリア
- カナダ
- メキシコ
ビニール袋などのプラスチック製品がもたらす悪影響
では、ビニール袋等のプラスチック製品は環境や健康にどんな悪影響をもたらすのでしょうか?
最後に簡単に3つの例を挙げておきます。
1:人体への影響
ビニール袋は生分解性(微生物によって分解されること)がありません。
ビニール袋をはじめとしたプラスチック製品は、500年以上あるいは半永久的に分解されないと言われており、マイクロプラスチックなどの物質に砕かれます。
マイクロプラスチックは人体に非常に有害な物質。
生活習慣病(ガン、糖尿病、心臓病など)や不妊の原因にもなります。
現に、ヘリオットワット大学の研究では「人間は食事するだけで年間68,415本のプラスチック繊維を食べている」との調査結果も出ており、決して他人事ではありません。
※関連記事:あなたは毎食100個プラスチックを食べている!その危険性・避け方を知る。
2:動物への影響
鳥や海洋生物などは食べ物や巣作りの材料とビニール袋とを間違えられることが多いのです。
その結果、中毒や窒息、腸閉塞などの原因となり、死に至る可能性があります。
3:土壌汚染
最後に土壌汚染です。
ビニール袋は非常に軽量であるため、水に流されやすく、河川や農水路を詰まらせるなどの被害を出すことが多いのです。
その結果、田畑を荒らし農作物の栽培に支障をきたしたり、蚊の繁殖を促す可能性も指摘されています。
考えてみればビニール袋の原料は石油ですので、決して想像に難くない悪影響です。
最後に
近年、日本でもビニール袋の有料化が進んではいますが、それでも日本は世界的に見れば全くの環境後進国。
現に、日本でのビニール袋の使用枚数は年間305億枚…1人あたり約300枚を消費していると言われています。
安易なビニール袋の使用はやがて私たち自身の首を絞める結果になりかねません。
国が対策をうつことを待たず、今日からマイバッグを持ち始める等、小さな工夫を少しずつ始めていきましょう。
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