ショウガオールの効果・効能・サプリ 総まとめ。生姜の辛味=血の守護神!

※出典:Krishna Exports

※出典:Krishna Exports

『ショウガオール』という成分をご存知でしょうか?

ショウガオールとは読んでそのまま、生姜に含まれる独特のピリッとした辛味のもとになる辛味成分で、これもファイトケミカルの一種です。

薬味に使ったり、ジンジャーエールなどの飲み物など、私たちの食生活の中の様々なシーンに登場する生姜。それだけ馴染みのある食べ物であるとともに、健康上のメリットもたくさんあります。

この記事では、生姜に含まれるショウガオールに注目し、効果・効能や効率的な摂り方などを分かりやすくご紹介します。

>> 着色料・香料・化学調味料・砂糖を不使用!ショウガオールを高配合した『ヴェーダヴィ』のジンジャーペースト



はじめに:ショウガオールとは?

ではまず、ショウガオールについてもう少し詳しくご紹介します。

ショウガオールとは、先ほど書いたように生姜の辛味成分のファイトケミカルですが、実は生の状態の生姜にはほとんど含まれていません。

後述する、生姜のもうひとつの辛味成分である『ジンゲロール』に熱が加えられ、ジンゲロールから水分が抜けるとショウガオールに変化するのです。

ちなみにショウガオールは生姜に由来した名前で、発見者は大正~昭和期の日本の化学者である野村博氏が発見し、名付けられています。

補足:ファイトケミカルについて

ちなみに、ファイトケミカルとは植物にのみ含まれる抗酸化成分で、色素・苦味・香り・しぶみ・えぐみ等の成分の総称です。

代表的なものに、トマトに含まれる『リコピン』やブルーベリーに含まれる『アントシアニン』、緑茶の『カテキン』などがあります。

その他、ファイトケミカルの効果や性質などについて詳しくは下記の記事をご覧ください。

>>ファイトケミカルとは?最強の抗酸化作用を持つ、”第7の栄養素”のまとめ

ショウガオールとジンゲロールの違い

ところで、生姜にはもうひとつ別の辛味成分が含まれています。

前項で書いたとおり、それが『ジンゲロール』で、こちらは生姜の英語である『ginger(ジンジャー)』に由来した名前です。

両者の違いについては簡単に表にまとめましたので、こちらをご覧ください。

 成分名 概要 効果・効能の特徴
ショウガオール ・ジンゲロールが変質した成分
・熱が加えられ、水分の抜けた生姜に多く含まれる
心臓や胃腸に働きかけ、体の芯から温める保温効果に優れている
ジンゲロール ・生の状態の生姜に多く含まれる
・唐辛子に含まれる『カプサイシン』に近い成分
手足の先など末端部分を温める効果に優れている

上記のように、生のまま・熱を通した状態によって含まれる量が異なり、効果・効能もそれぞれ異なります。

2つは同時に存在することがほとんどなく、生のままだとジンゲロールがほとんどを占めますが、逆に熱を通し乾燥した状態の生姜はほとんどがショウガオールです。

ショウガオールは熱が高温であればそれだけ多く発生するというわけではなく、100℃以下の温度下で効率的に発生するようです。

そのため、スライスして天日干しで乾燥させる等するのが、ショウガオールを上手に作り出すコツです。

ショウガオールの効果・効能まとめ

それでは、ここからはショウガオールが私たちの体にもたらす効果・効能をご紹介します。

1:血行促進効果

血行促進

血行促進効果があります。

血液の流れを良くしてくれるため、体温が上がり、血行不良で起こる冷え症・頭痛・肩こりを緩和してくれます。

先ほどの表に書いたように、ショウガオールは体の芯からじわじわと温めてくれるため、長時間効果が持続するのもポイントです。

2:血管を健康に保つ効果

血管 病気

ショウガオールは、血管や血小板のはたらきを阻害する物質『プロスタグランジン』の働きを弱め、血管を健康に保つ効果があります。

そのため、血管のつまりで起こる心臓病や脳卒中などの病気の予防にも有効とされています。

ちなみに、2013年の同済大学の研究によれば、ショウガオールは脂質の酸化を抑え、動脈硬化の治療に役立つと証明されています。

動脈硬化は、やがて狭心症や心筋梗塞の大きな原因になるとされている症状。

これらを予防するために、ショウガオールは重要な役割を果たしていると言えるのです。

3:免疫力を強化する効果

免疫力 高める 食べ物

血管を健康に保ち、血行が促進されるということは、酸素や栄養などが体の隅々にまで行き渡るということ。

また、胃腸の機能を整えてくれるため、免疫力を強化する効果にも優れています。

病気にかかりづらい丈夫な体を作ってくれます。

4:記憶障害の改善効果

アルツハイマーやパーキンソン病等の、記憶障害の改善効果も確認されています。

韓国の慶熙(キョンヒ)大学校等による発表によれば、ショウガオールは脳内において以下の作用を発揮するとのこと。

  • 脳神経の炎症を抑える
  • 海馬内の悪性腫瘍が減少
  • グリア細胞(経細胞の一種)の活性を阻害する

これらの作用により、脳神経を保護し、アルツハイマーやパーキンソン病等によって起こる記憶障害を改善する効果が得られると言われています。

ただしこれはマウスの実験によって確認されたのみで、人間に対する効果はまだ確立されていません。

5:アレルギー性皮膚炎の改善効果

アレルギーによって引き起こされる皮膚炎を改善する効果もあります。

2016年、韓国のK-herb Research Centerによる研究によると、ショウガオールには、活性酸素等の、肌のかゆみの原因となる因子を阻害する作用があるとのこと。

これに加え、ショウガオール自体の持つ優れた抗炎症作用もかゆみを和らげる作用を持っています。

このように、ショウガオールは、アレルギー性皮膚炎の自然療法薬と言えるのです。

6:糖尿病の改善効果

糖尿病

血糖値を下げ、2型糖尿病の改善にも役立つことがわかっています。

これは、2015年にイランで行われた臨床試験によって明らかになっています。

同研究では2型糖尿病患者を、以下2つのグループに分類し、3ヵ月後の血糖値の状態を比較しました。

  • 3gの生姜を毎日摂取してもらうグループ
  • プラセボ(実際は効果のない擬似薬)を毎日摂取してもらうグループ

結果は明らかで、前者のグループにおいて血糖値やインスリン抵抗性等、あらゆる要素で改善が見られたとのこと。

これはショウガオール単体での研究はありませんが、同様の効果が期待されます。

7:美白効果

メラニンの発生を阻害するため、肌の美白効果にも優れています。

これは台湾台中医科大学が2014年に行った研究によって明らかになっています。

同大学によれば、ショウガオールの美白効果は、化粧品に配合されることの多い、有名な美白成分『アルブチン』よりも、より顕著な作用があったとのことです。

その理由は、ショウガオールが、しみ・そばかすの原因であるメラニン、そのメラニンを作る酵素・チロシナーゼの、どちらの発生も阻害するため。

女性には特に嬉しい効果です。

8:脂肪燃焼効果

体内の脂肪の燃焼を促進する効果を持ち、ダイエットや肥満の予防に最適です。

九州大学健康科学センターの研究結果では、ショウガオールを摂取すると、通常ランニングで30分継続することで得られる脂肪燃焼効果を、わずか20分で達成することが明らかになっています。

なお、同大学は、福岡大学等と合同で発酵・熟成させた『熟成黒生姜』についても調査を行っており、これには通常の57倍にも及ぶショウガオールが含まれていることがわかっています。

>> 株式会社エヌ・エル・エー・九州大学・福岡大学共同で開発した『熟成黒生姜』はこちら

9:ガン予防効果

ガン予防 食べ物

ファイトケミカル全般に共通するのが活性酸素を除去する効果。

ショウガオールもまた、ガンの原因である活性酸素の除去作用に優れているので、ガンの予防効果があります。

ガン細胞を”自殺”させる作用を高めたり、ガン細胞の増殖を抑制する効果もあるなど、様々な実験報告があり、その効果はジンゲロールよりも優れていると言われています。

>>活性酸素について詳しくは下記の記事をご覧ください。

活性酸素とは?活性酸素が過剰発生する原因とは?- 活性酸素その①
活性酸素とは?活性酸素が過剰発生する原因とは?- 活性酸素その①
『活性酸素』という言葉を、耳にする機会が増えました。 活性酸素

乳ガンに対する治療効果

ショウガオールの抗ガン作用は、『乳ガン』に対しての有効性も明らかになっています。

インドの研究機関『Rajiv Gandhi Centre for Biotechnology』による研究(2015年)では、乳ガンへの優れた効果が指摘されています。

同機関は、「ショウガオールは乳ガン細胞の死滅を促す作用に優れ、乳ガン治療に有益である」と結論づけています。

肝細胞ガンに対する効果

さらに、肝細胞ガンへの治療効果も確認されています。

これは台湾の嘉義基督教医院が2015年の研究で明らかにしたもので、ショウガオールは活性酸素の除去に優れ、肝細胞内のガン細胞の自殺(アポトーシス)を促すと発表されています。

このはたらきが、幹細胞内でガン腫瘍が発生するのを抑制し、抗ガン作用をもたらしているとのことです。

腎臓ガンに対する効果

2015年、韓国の啓明大学による研究では、腎臓ガンへの効果も確認されています。

この研究では、ガン細胞のあるマウスに対してショウガオールを投与し、ガン細胞の変化を観察。

その結果、同成分はアポトーシス(ガン細胞の自殺)を増強し、腎臓ガンへの優れた作用を発揮するとわかっています。

ショウガオールを上手に摂るコツ

ショウガオールを上手に摂るには、生姜に火を通す(煮る・焼く)料理や、乾燥した生姜を使用した食品・サプリメントなどがいいでしょう。

料理は、豚肉の生姜焼きやスープ、炊き込みご飯等が定番です。

乾燥した生姜を使った食品は、乾燥した生姜を粉末状にした生姜パウダーがおすすめ。

紅茶に加えたり、炭酸水にはちみつと一緒に加えてジンジャーエール風にしたりと、色々と工夫ができます。

サプリメントは、栄養をたっぷり含み、農薬などの影響のないオーガニック栽培の生姜を使用したものを選ぶのがコツです。

>>生姜料理専門店のシェフが教える・おすすめの生姜のレシピ本はこちら

>>無農薬栽培の生姜を使った生姜パウダーはこちら

生姜ペーストで摂取する

image

また、生姜を十分に加熱して延ばした生姜ペーストもおすすめの摂取法です。

ペースト状なので、そのまま食べることはもちろん、飲み物に溶かしたり、調味料として料理に使用(豚肉の生姜焼きなど)するなど用途が幅広いのが最大の特長です。

>> 着色料・香料・化学調味料・砂糖を不使用!ショウガオールを高配合した『ヴェーダヴィ』のジンジャーペースト

ショウガオールについて:まとめ

体を温めてくれるイメージのある生姜。その効果をより高めるためには、ショウガオールを効率よく摂ることが大事です。

血液の健康は体の健康にも直結します。体の冷えや凝りなどが気になる方は、ショウガオールを上手に摂って対策しましょう。

SNSでいいね&シェア!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

あなたにおすすめの記事
あなたにおすすめの記事
この記事のライター