突然ですが、あなたは乗り物に強いですか?
ちなみに私は乗り物に弱く、子どもの頃からよく乗り物酔いをしてしまうタイプでした。
そんな、私と同じような乗り物酔いの人の強い味方が『カプサイシン』という成分。
唐辛子に多く含まれる辛みの成分でファイトケミカルの一種です。
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唐辛子は、スパイスとして辛い物好きの人のためのスパイスだけではなく、乗り物酔いの方にもおすすめ。
もちろん摂り過ぎは禁物なのですが、上手に利用すれば体に嬉しい効果がたくさんあります。
この記事では、乗り物酔い対策も含め、唐辛子に含まれるカプサイシンの効果を5つご紹介します。
30秒でわかる記事の概要
カプサイシンの効果まとめ
それでは、カプサイシンの効果を順にご紹介していきます。
カプサイシンの効果1:乗り物酔いを予防・治す
前述の通り、乗り物酔いを予防したり、酔ってしまった後でも治してくれる優れた効果があります。
しかも、カプサイシンは、乗り物酔いの薬のように事前に飲まなくても、乗り物酔いをした後でも効果があります。
これはカプサイシンが副交感神経を直接刺激する作用があるため。
乗り物酔いは、三半規管が乱れ、交感神経が刺激されて体のバランスが崩れている状態のこと。副交感神経を刺激することで、リラックスした穏やかな状態に切り替えることができます。
ちなみに、副交感神経とは心身を休ませるための神経で、睡眠などのリラックスした状態は副交感神経が活動しています。
カプサイシンの効果2:肥満の予防と解消
糖分と脂肪、コレステロールを効率よく分解してくれるので、肥満の予防と解消どちらにも有効です。
ラットを使った実験では、カプサイシンは正常な状態のラットよりも肥満ラットの方により効果が認められたとの報告があります。
また、年齢による効果の差もないとのデータも出ており、年齢を重ねて代謝も落ちていても関係ありません。
現代人は、年齢に関係なく代謝が落ち、内臓脂肪がつきやすく肥満の人数が増えています。
辛いものを食べることで発汗作用が高まり代謝も上がりますので、嬉しい効果です。
カプサイシンの効果3:生活習慣病を予防する
心臓病やがん、脳卒中などの生活習慣病を予防します。
これはカプサイシンに限らずファイトケミカル全般に共通する効果で、すべての病気の原因とも言われる活性酸素を除去し、特に抗ガン作用に優れています。
しかし一方で、食べ過ぎたり他の物質と組み合わさると、かえって発ガン性を高めるという研究結果も出ています。(詳しくは後述します)
カプサイシンの効果4:血流の改善
血行促進効果があるため、血流の乱れによる症状や病気の症状を和らげてくれます。
例えば、頭痛や腰痛、肩こりなどの原因のひとつは血液が冷えて固まってしまうことにあります。
また、手や足の指先の細い血管(末梢血管)への血の巡りが悪くなることで起きる冷え症の改善にも効果的。
現代人は低体温と言われているので、カプサイシンを摂ることで血流を促進し一定の体温を保つ効果が期待できます。
カプサイシンの効果5:食欲増進
カプサイシンは舌や胃の粘膜を刺激し、唾液や胃液の分泌を活発にさせます。
これに伴い、食欲を増進させる効果があります。
カレー等の香辛料系の香りを嗅いだら食欲が出たという経験は誰でもあるのではないでしょうか?
効果2の肥満予防とはある意味、真逆の効果と言えますが、夏バテなどで食欲がわかない時には嬉しい効果です。
カプサイシンの効果6:気分の高揚・改善
気分を高揚・改善する効果も期待できます。
カプサイシンには『エンドルフィン』という物質を作り出す作用があり、気分の高揚=ストレス解消に役立つため、幸福感を得ることができるとされます。
エンドルフィンは『脳内麻薬』とも形容される物質で、マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる『
それ故、カプサイシンを多く含むハラペーニョや唐辛子は気分を向上させる『ハッピーフード』としても機能します。
※関連記事:幸福感・気分が向上するハッピーフードまとめ
摂りすぎ注意!カプサイシンの副作用
このようにカプサイシンには優れた効果がたくさんありますが、摂りすぎは禁物です。
特定の栄養素だけを摂りすぎることは逆に体の不調を招くことになります。
特にカプサイシンの場合はその作用が強く、過剰摂取すれば死に繋がることもあります。
以下の表にカプサイシンの過剰摂取が招く副作用をまとめました。
No | 病気・副作用 | 備考 |
1 | ガン | 特に胃ガン、食道ガンを発症させやすく、 韓国の胃ガン発症率は世界一です。 |
2 | 味覚障害 | 味を感じる器官『味蕾』を破壊する |
3 | 睡眠障害 | 大脳に影響を与え、興奮物質アドレナリンの大量分泌を促すため |
4 | 精神疾患 | |
5 | 痔 | |
6 | 胃かいよう |
このように、ガンの発症原因になるなど、先ほど書いた『生活習慣病の予防』とは真逆の作用をもたらしてしまうことも。
カプサイシンには上限量があり、体重1kgあたり60mg~75mgのカプサイシンを摂取すると死に至る危険性があると言われています。
つまり、体重が60kgの人の場合、3600mg~4500mgのカプサイシンを一度に摂ると危険があるということになります。
この量は普通の食生活をしている限り摂ることはありませんが、激辛料理が好きな方は要注意です。
(唐辛子1本に含まれるカプサイシンは5mg~6mg程度)
テレビ番組でも、激辛料理だけを食べる企画をよく目にしますが、これは死と隣り合わせの自殺行為なのです。
カプサイシンを摂るコツ
では、こうしたカプサイシンの副作用を避けつつ、健康効果を得るためにはどうすればいいのでしょうか?
摂り方のコツを簡単に3つご紹介します。
その1:ピリ辛程度にしておく
調理の際、少しピリッとくるくらいの辛さに抑えておきましょう。
ピリ辛くらいの辛さは適度に胃腸を刺激してくれ、料理をする際に調味料の使用料も控えられ、料理の風味も増すという二次的な効果も得られます。
その2:常食しない
常食することで辛味に慣れ、徐々に拙書量が増えていってしまいます。
毎日・毎食に食べるのではなく、数日に1回程度にとどめ、意図的に摂取量を制限してみましょう。
その3:オリーブオイル等に漬ける
カプサイシンは脂溶性の成分なので、オリーブオイルなどの油に唐辛子を漬けることで、摂取量をコントロールできます。
オリーブオイル200mlに、唐辛子5本くらいが目安です。
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カプサイシンについて:まとめ
カプサイシンは強烈な辛味だけに、毒にも薬にもなります。
上限量と摂るコツを守って、健康の維持にお役立てください。
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