食卓塩飴
インスタグラムやtwitterを中心に、「パッケージのデザインがかわいい!」等の理由で、ちょっとしたブームになっているようです。
さらに、いくつかのニュースサイトで食卓塩飴に関する誤った情報を配信していることも手伝い、この悪い流れは拡大。何も考えずにパケ買いに走る人が続出するという恐ろしい事態になっています。
食卓塩飴は、決して買ってはいけません。
百歩譲って「パッケージがかわいい」からインテリアや雑貨のようなものとして買うのは認めても、食べることは決しておすすめできません。
食卓塩は、誰でも安心して食べられる飴でもなければ、塩分補給にも向きません。
この記事では、食卓塩飴に関する誤った認識を解くために、食卓塩とは何なのか?それを使用して作られた食卓塩飴とは、本当はどんな飴なのか?などをまとめました。
30秒でわかる記事の概要
そもそも食卓塩とは、どんな塩なのか?
まずは、食卓塩がどのような塩なのかを、作り方も踏まえてご紹介します。
「食卓塩は、そもそもどのような塩なのか?」 これを知るだけで、なぜ食卓塩飴を食べてはいけないかが理解できます。
食卓塩の原料・製造方法について
誤解を恐れずに言うならば、食卓塩は塩ではありません。その理由は、原材料と製造方法を見ればよくわかります。
主な用途:食卓での調味用として
原材料名:天日塩(メキシコ)、炭酸マグネシウム
工程(製造工程):溶解、立釜、乾燥、混合
塩化ナトリウム 99%以上※出典:塩事業センター
本来、塩の原材料は海水のみ。大まかに言えば、海水を塩田で天日干しにし、濃度を上げたのち、釜で煮詰めて作るというのが伝統的な本来の塩の製造法です。
一方、食卓塩は、まず原材料が異なります。天日塩(海水)に加え、湿気って固まってしまうのを防ぐ炭酸マグネシウムという化学物質(添加物)が使用されています。
さらに製造方法も、本来の塩とはかけ離れたもの。
原材料はメキシコ産の塩ですが、これを再び水に溶かして海水を作り、細かいゴミや砂などの不純物を取り除くため、再度煮詰め直して乾燥させ、最後に上記の炭酸マグネシウムを添加して作られています。
この原料・製造方法で作られた食卓塩は、塩化ナトリウムが99%以上。
塩本来の製法で作られた自然塩は、塩化ナトリウムが多くても90%程度ですので、食卓塩がいかに不自然なものであるのかが分かります。
自然塩とは?
これに対して自然塩は天日干し→釜で煮詰めるという製法により作られるため、海のミネラルバランスをそのまま含む非常に優秀なミネラル供給源となります。
前述のように、塩化ナトリウムの含有率は高くても90%程度(参考:ミネラル含有量が異なる塩の官能評価)。その他はカルシウム、マグネシウム、カリウムなどの豊富なミネラルで構成されています。
そのため、自然塩はただ塩辛いだけの食卓塩とは異なり、海の恵みをそのままいただいているかのような、甘みや苦みが入り混じった複雑な味わいが特長です。
一般的に、血圧を上げ体に悪いイメージのある塩ですが、自然塩はむしろ逆です。
海のミネラルバランスは人間の体液(血液や羊水など)のミネラルバランスとほぼ同じ。そのミネラルバランスをそのまま含む自然塩は、血圧の調整をはじめ体調の維持には欠かせない食品なのです。
ここまでのまとめ:食卓塩とは
以上のように、食卓塩は自然塩とはかけ離れたものであり、塩と呼ぶにはあまりに不自然な代物です。
本来、自然塩とは重要なミネラルの供給源となりますが、食卓塩は高血圧やその他様々な病気の原因となるもの。熱中症対策として摂るのにもおすすめできません。
原料・製造法からしてすでに体を害するものであり、その商品名とは裏腹に、食卓に置いておいてはいけない“体を蝕む塩”なのです。
食卓塩飴に関する誤った情報・勘違い
では、上記を踏まえて、ここからは食卓塩飴に関する誤った情報や勘違いをご紹介します。
1:「塩分補給にぴったり」という嘘
まずは「塩分補給にぴったり」という誤解・嘘です。
某サイトやSNSでは、この「塩分補給にぴったり」という以外にも、「熱中症対策に良さそう」という誤情報が配信されています。
上記説明では、人間は汗をかいた際に塩化ナトリウム(=塩分)を失いますが、それだけではなくカリウムやマグネシウムなど、その他のミネラルも共に失っていることの説明が漏れています。
汗もまた人間の体液の代表例。汗をかいた際には、塩分だけではなくその他のミネラルも同時に補給する必要があります。
そのため、海水のミネラルバランスと同じ自然塩を摂取することで熱中症対策になるというのが本来の意味合いなのですが、食卓塩は塩化ナトリウムが99%以上を占め、その他のミネラルをほぼ含まない不自然な塩。
つまり、食卓塩飴では、百歩譲って塩分補給にはなるかもしれませんが、熱中症対策としては不十分なのです。
熱中症には、先ほど紹介した自然塩を舐めたり、ひとつまみ入れた常温の水を飲む等して対策しましょう。
2:「安心して食べられるという」という嘘
そしてもうひとつの誤情報は「安心して食べられる」というもの。これは大きな間違いであり、特に子どもには決して与えてはいけません。
某サイトの記述では、食卓塩飴について上記のように説明されていますが、以下2つの理由から、安心して食べられるものとは言えません。
2-1:『添加物は一切含まれていない』のが誤りだから
まずは、添加物は一切含まれていないという表記が誤りだからです。
前述したように、食卓塩の原材料は『天日塩(メキシコ)、炭酸マグネシウム』の2つ。後者の炭酸マグネシウムは添加物に該当するものですので、これは明らかな誤りです。
食品表示法では、原材料にもともと含まれている食品添加物は表示しなくてもいいという『キャリーオーバー』が認められており、成分表示に記載のある原材料のみがすべてではありません。
それは食卓塩だけではなく砂糖や水飴にも言え、これらも製造の際に添加物を使用することで精製されるのが一般的です。
食卓塩飴は一見シンプルな材料で作られているように思えますが、実際にどれだけの食品添加物が含まれているかは不明であり、『添加物は一切含まれていない』というのは明らかな誤りと言えます。
2-2:9割以上が砂糖と水飴でできているから
もうひとつの理由は、砂糖と水飴が原材料のほとんどを占めているからです。
塩はミネラルのためカロリーは0kcal。つまり、一袋あたり207kcalという食卓塩飴のカロリーは砂糖と水飴のものであり、9割以上は砂糖と水飴の2つでできていることがわかります。
今更言うまでもありませんが、砂糖はガンをはじめ様々な病気の原因で、いわば”万病の元”とも言える危険な物質。水飴もそれと同様の性質を持っています。
つまり、食卓塩飴を食べるということは、体にとって有害な砂糖と水飴を取り込むことであり、あらゆる病気を促進するということ。
食卓塩飴は「お子さんからお年寄りまで安心して食べること」等できるはずがなく、むしろ避けるべき食べ物の典型例と言えます。
なお、砂糖が体と脳に与える影響については下記の記事をご覧ください。
>>正に『万病の元』…砂糖が脳と体に与える・恐すぎる9つの害とは?
>>わずか10日間で劇的変化!同じジャンクフードでも『砂糖断ち』で健康に。
食卓塩飴を食べてはいけない理由:まとめ
食卓塩飴を食べてはいけない理由をまとめると、主に以下2つの理由に尽きます。
- 『食卓塩』自体がそもそも食べてはいけない”体を蝕む塩”だから
- 原材料で最も多いのが『砂糖』だから(砂糖は白い麻薬であり、万病の元)
つまり食卓塩飴を食べるということは、わざわざ体を蝕む物質を2つも体の中に取り込んでいることになるのです。
「食卓塩飴のパッケージのデザインが気に入ったから」等のように、食べることを目的としないのなら否定はしませんが、
もし「体に優しそう」や「熱中症対策・塩分補給のため」等の、食べることを目的とするならば、食卓塩飴を購入することは大きな間違いです。
今回ご紹介したSNSや一部サイトで紹介されている誤情報や、流行に騙されず、自分で調べ、本当にそれが良いものなのかどうかを知ることが重要です。
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