ロディオラ・ロゼア
うつ病の治療や運動能力アップなどの効果に優れた、高山ハーブ。日本では耳慣れない響きですが、実は世界中で古くから珍重されてきた治療薬です。
この記事では、ロディオラ・ロゼアとは何か? どのような健康効果・効能があるのか? そして、サプリメント・摂取方法・注意点(副作用)まで、わかりやすく解説します。
30秒でわかる記事の概要
ロディオラ・ロゼアとは?
まずは、ロディオラ・ロゼアについて解説します。
ロディオラ・ロゼアは、砂漠や、高山地域、岩場や乾燥した不毛な土地などの荒廃した厳しい環境で成長するハーブの一種です。海外では『ゴールデンルート(黄金の根)』という別名でも知られています。
日本では『イワベンケイ(岩弁慶)』と呼ばれ、北海道などの亜寒帯地方の高山に生息しています。
強力なアダプトゲン
ロディオラ・ロゼアは強力な『アダプトゲン』として知られます。
アダプトゲンとは、肉体的な疲労や精神的ストレスに抵抗し、エネルギー、スタミナ、精神的能力を高めるために使用される天然のハーブのこと。ちなみに、他に高麗人参やマカなどもアダプトゲンの一種です。
アダプトゲンに共通するのは、ファイトケミカルをはじめとした抗酸化物質を含むこと。活性酸素を除去し、体の免疫力を自然に高める力があります。
ちなみにロディオラ・ロゼアには、フェノール類、アルカロイド類、フラボノイド類、キノンなどの抗酸化物質が高濃度で含まれています。
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世界中で伝統的に使用されてきたハーブ
ロディオラ・ロゼアは、アイスランド、スウェーデン、フランス、ロシア、ギリシャ、中国をはじめアジアの国々など、数多くの国々で何千年にも渡って使われてきました。
最も古くはギリシャで使用され、1世紀頃のギリシャの医師ペダニウス・ディオスコリデスは、西暦77年に自著でロディオラ・ロゼアの効果について言及しています。
その他の国々・地域では、それぞれ以下のような用途で使用されてきました。
- ロシア:仕事効率、不眠症、疲労、うつ病、体力アップなど多岐に渡って活用。
- 中央アジア地域:お茶として飲用。風邪やインフルエンザ特効薬としていた。
- モンゴル:結核やガンの治療薬として使用。
- ヨーロッパ近海のバイキング:体力アップのために使用。
- ネパールの少数民族シェルパ族:登山時の強壮剤として使用。
ロディオラ・ロゼアの効果まとめ
では、ここからはロディオラ・ロゼアの健康効果について見ていきましょう。
1:うつ病の治療・改善効果
ロディオラ・ロゼアは、脳機能を改善し、うつ病の症状を抑える、いわば『天然の抗うつ剤』としてはたらきます。
ニューロン(脳神経の細胞)が、幸せホルモン『セロトニン』、やる気ホルモン『ドーパミン』に対して反応感度を上げる(感受性を高める)効果があることがわかっています。
これらの2つの神経伝達物質は、心身の安心・安定のために必要不可欠な存在。
実際、海外では抗うつ剤の有効な代替薬としてロディオラ・ロゼアを処方する医師も居るようようです。
Herbalgram誌に掲載された2002年の研究では、うつ病患者150人を対象に1ヶ月間に渡ってロディオラ・ロゼアの臨床試験を実施。その結果、患者の3分の2がうつ病を完全に克服したと報告されています。
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2:ダイエット効果
ロディオラ・ロゼアに含まれる特有の成分『ロザビン』は体内で脂肪を燃焼する作用を備えており、ダイエット効果も期待できます。
ロザビンには、脂肪を分解する作用のある酵素『ホルモン感受性リパーゼ』を刺激し、そのはたらきを高める効果があり、これがロディオラ・ロゼアの持つダイエット効果の元となっています。
また、ロディオラ・ロゼアを摂取時に軽い運動をすることで脂肪燃焼効果はさらに高まり、特に腹部に蓄積した脂肪を集中的に減らす効果があることが判明しています。
ジョージア州立大学が肥満の被験者130人に対して行った研究では、ロディオラ・ロゼア抽出物を毎日飲むと、平均して体重が19ポンド(約8.6kg)、体脂肪率にして11%も減ったとの結果が出ています。
一方、ロディオラ・ロゼアを飲まずに運動のみを行った被験者のグループは平均8ポンド(約3.6kg)体重が減りました。
両者は試験期間中、同じ食事(カロリー量も同じ)を摂っていたため、ロディオラ・ロゼアの持つ脂肪燃焼効果の高さがよくわかる結果です。
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3:ガンの予防効果
上記の通り、ロディオラ・ロゼアは複数の抗酸化成分(ファイトケミカル)を高濃度で含みます。
これらの成分は活性酸素の除去効果に非常に優れており、体が本来持つ抵抗力を引き出します。
この結果、ガン細胞の増殖をストップし、あらゆるガンの発症を抑制する効果に優れています。
ロシアで行われたある研究では、ロディオラ・ロゼアを経口投与したマウスは、ガン腫瘍の増殖が39%低下し、転移する確率を50%減少させたことが分かっています。
なお、ガンの中でも特に膀胱ガンに対して優れた予防・改善効果があるようです。
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4:コルチゾールを減らす効果
『コルチゾール』の分泌を抑制する効果があります。
コルチゾールとは、副腎から分泌されるホルモンで、 主にストレスを感じた時や低血糖時に分泌されます。これが過剰分泌されることで、以下のような症状を引き起こします。
- 血糖値異常(上昇)
- 顔や腹部の肥満化
- 手足の筋力低下
- 甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病など)
- 記憶力の低下
- 免疫力の低下
- 過食症
ロディオラ・ロゼアは、コルチゾール分泌を抑えバランスを保つことで、上記の症状を抑えます。
総じて、ロディオラ・ロゼアは体の老化を抑制する『アンチエイジング効果』に優れたハーブと言えます。
5:心臓病の予防効果
ストレスホルモンの分泌を抑制し、心臓の健康状態を良好に保つ効果もあります。
ストレスホルモンが過剰に分泌されると、不整脈、動脈硬化、高血圧症、心臓発作などの心臓病をはじめ、脳卒中になる危険性も増します。
ロディオラ・ロゼアは、その中でもコルチコステロイドやカテコールアミンといったホルモンの分泌量をコントロールし、心臓をはじめとした内臓にかかる負担を減らし、上記の病気を予防。
心臓を健康な状態に保つ効果があります。
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6:集中力・記憶力アップ効果
ロディオラ・ロゼアは、長期間に渡って集中力・記憶力を高める効果があることが実証されています。
2014年にカナダの学生40人を対象に行われた試験では、一日2回を20日間、ロディオラ・ロゼアの抽出物を摂ってもらったところ、体力、精神機能、幸福感度が大きく改善したとの報告があります。
これは、ロディオラ・ロゼアが脳のエネルギーの産生を向上させたためと考えられ、精神的疲労の低下、睡眠状態の改善、気分安定性の向上、モチベーションの維持など、様々な脳機能の向上・改善を得ることが可能です。
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7:高山病の予防効果
標高の高い場所でめまいや吐き気、睡眠障害などを発症する『高山病』の予防に効果があるとされています。
一日に2回ロディオラ・ロゼアを服用することで、睡眠の質の向上と酸素の吸収率が改善したというデータがあります。
先程、高山地域で暮らすチベット民族が登山の際にロディオラ・ロゼアを用いていたと書きましたが、彼らはこの効果を身を持って知っていたのかもしれません。
8:性機能を改善する効果
男女ともに性的欲求を高め、性欲減退などを改善する効果があります。
先程も書いたように、ロディオラ・ロゼアはドーパミンの分泌を促す作用がありますが、ドーパミンは性機能や性欲に関わるホルモンでもあります。
また、前述した疲労回復や精神的ストレスを緩和する効果も手伝い、特に男性のEDの治療に用いられることもあります。
ロディオラ・ロゼアの注意点・副作用
このように様々な健康効果を備えるロディオラ・ロゼアですが、摂取するに当たっていくつか注意すべき点があります。
ここからは、ロディオラ・ロゼアの推奨摂取量や副作用などについてご紹介します。
推奨摂取量
ロディオラ・ロゼアの推奨摂取量は250mg~500mgを、食事前に毎日2回程度とされています。
強力な抗酸化成分を備えているとはいえ、これ以上摂取しても効果は現れません。
加えて、かえって健康を害す場合も想定されますので、上記摂取量を守って服用するようにしましょう。
副作用
ロディオラ・ロゼアは極めて安全性の高いハーブで、現在まで様々な研究がなされていますが、いずれの研究でも副作用は報告されていません。
安心して服用できますが、妊娠中および授乳中の方に対しての十分な安全性は得られていません。
また、持病の治療にワルファリンやビタミンEなどを使用している方にも服用する際には、医師に相談されることをおすすめします。
その他の注意点
ロディオラ・ロゼアを摂取する時間帯にも注意しましょう。
ドーパミンなどの脳内物質の分泌を高めることは、睡眠を妨げることにもなりかねませんので、夜ではなく午前中に摂取することをおすすめします。
ロディオラ・ロゼアのお茶(ハーブティー)
ロディオラ・ロゼアはローズ(薔薇)に似た香りがするため、その香りの良さを活かしてお茶(ハーブティー)としても利用されます。
※ローズ(薔薇)に似た香りがすることが、『ロゼア』の名前の由来になっています。
お茶として飲むことは、ロディオラ・ロゼアの香りを最も感じられる摂取方法であり、脳機能の改善と覚醒効果を得るために、朝に飲むのがおすすめです。
朝のコーヒーの代わりに、ロディオラ・ロゼアを含むハーブティーを1杯飲んでみましょう。
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なお、脳機能アップと覚醒作用に優れている反面、リラックス効果には劣りますので、就寝前に飲むことは避けましょう。
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ロディオラ・ロゼアのサプリメント
では最後に、ロディオラ・ロゼアのサプリメントをご紹介します。
ロディオラ・ロゼアは山岳地帯などの寒冷地に生息するハーブであるため、一般家庭では栽培したり料理に用いるのは困難。
そのため、ロディオラ・ロゼアの栄養素を効率よく摂り、その優れた健康効果を得るにはサプリメントで摂るのが最適です。
選び方のポイント:寒冷な山岳地産のものを選ぶ
サプリメントを選ぶ際に気をつけて欲しいのは、ロディオラ・ロゼアの産地です。
ロディオラ・ロゼアの健康効果は、豊富に含まれるファイトケミカルなどの抗酸化成分によるものですが、これらの成分は寒さなどのストレスにさらされることで産生されます。
そのため、温暖な地域で栽培されたロディオラ・ロゼアには抗酸化成分は満足に含まれておらず、上記のような健康効果を得ることも困難になります。
ロディオラ・ロゼアが本来生息する、寒冷な山岳地域(シベリア、チベットなど)で採れたものを使用したサプリメントを選びましょう。
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ロディオラ・ロゼアについて:まとめ
副作用もなく、様々な恩恵を得られるロディオラ・ロゼア。
その効果の高さは『ゴールデンルート』の呼び名に相応しい、まさに黄金のハーブとも言える有益なもの。
うつ病や肉体的・精神的な疲労を感じやすい方、運動をされる方は、ロディオラ・ロゼアを上手に活用してみましょう。
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