「パラリーガル」という職業があるのを,ご存知ですか?
秋篠宮眞子さまの婚約相手として今注目を浴びている小室圭さん。
職業が「パラリーガル」ということで,パラリーガルについても話題になっていますね。
実は,私の職業もパラリーガル。プロフィール欄でも書いてるんですが,都内の某法律事務所でパラリーガルとして働いています。
というわけで,お久しぶりの投稿となった今日は,パラリーガルってどんな職業なのか?を,私の目線で書いていこうと思います。
30秒でわかる記事の概要
そもそも,パラリーガルとは??
まずは,そもそもパラリーガルがどんな職業のことを言うのかを説明します。
ちなみにWikipediaでは,以下のように説明されています。
パラリーガル(paralegal)は、弁護士の監督の下で定型的・限定的な法律業務を遂行することによって弁護士の業務を補助する者。
※出典:Wikipedia
と言っても,なんだかよくわからないですよね??
そこでわかりやすく(私個人の表現)言えば,パラリーガルとは,弁護士をアシスタントする職業のことです。直接,法律に関わること以外の雑務を,なんでもやります。
※直接,法律に関わる業務=たとえば,「それが有罪か無罪か?」を判断する等の,法律的な知識に基づいての判断を下すとかの業務のことです。
パラリーガルの「パラ」には「~に次ぐ」とか,「擬似」「副」という意味があるので,弁護士アシスタントという表現がぴったりかも。
ちなみに,他には「事務員」とも呼ばれたりしていて,うちの事務所では,事務員と呼ばれることが一般的で,パラリーガルとは言われません。
注意!パラリガールじゃなくて,「パラリーガル」!
ところで,一部ニュース記事(スポニチとか)で小室圭さんの職業をパラリガールと誤植して,混乱を招いているようです。
もちろん正しくは「パラリーガル」であって,パラリガールなんて言葉はありません!
ただ,私のように「パラリーガル」として働いている「女子」は,ある意味パラリガールと言えるかもしれませんね~。
パラリーガルの業務内容
続いて業務内容ですが,これは本当に様々あります。
上で話した内容を踏まえて言うと,要は,弁護士にしかできない以外のぜんぶの業務を行えるということになるので,事務所の規模や,各事務所の事情によって,本当に様々ですが,とにかく業務の幅は広いです。
例をあげると,以下のようなものです。
- 弁護士の秘書業務(来客・電話対応,スケジュール管理)
- 弁護士のマネージャー業務(テレビやラジオや雑誌,インターネットメディアに出演する際の調整)
- 書類の作成・管理(訴状や契約書)
- Webサイト(ホームページやブログ)の制作・管理・運営
- 人事・経理・庶務など
法律事務所っぽいものもあれば,一般の企業と変わらないものまで,多岐に渡っているのがおわかりいただけるかと思います。
私のやっている業務はこんな感じ
じゃあ私が何をやっているのか?というと,ライティング業務です。
ホームページなどのWebサイトに出ている文章や,広告,公告などの文章を書くというお仕事です。
事務所や法律上の決まりや要望にしたがって,適切な表現で,わかりやすく,でも誤解のない(ツッコミの入りづらい)文章を書いています。
法律事務所って,すごくいろいろな制約が多いので,入所した当時は「え?こんなに決まりが多いの?」ってびっくりしたのを覚えてます。
ちょっと変わった業務の習慣:「、」じゃなくて「,」を使う
ところで,法律業界?にはちょっと変わった習慣があります。ちなみにそれが「読点」の書き方です。
読点はふつうは「、」を使うと思いますが,法律業界では「,」(カンマ)が多く使われてます。
これは,裁判所の判決などの表記が「,」を使ってるから。なので,弁護士の先生は「、」よりも「,」を好んで使う人が多いみたいです。
最近ではそんなこともないみたいですが,長く弁護士をやってらっしゃる方はこの傾向が強いみたいで,私も最初はぜんぜん慣れなかったのですが,今ではごく普通に「,」を使うようになっちゃいました。
そんな事情があって,このサイトに寄稿させてもらってる私のコラムでも「、」ではなくて「,」を使ってます。
パラリーガルのお給料(年収)ってどのくらい?
続いては,みなさん気になるお給料(年収)について。
あくまで私(アラサー女性)の場合ですが,ぶっちゃけ年収は大体320万円くらい。
※追加情報!給料大幅UPしました(私の中では)!
→2018年5月現在,事務所で全パラリーガルの給料の見直しがあって,なんと360万円くらいまでアップしました!ラッキー!!
がんばっててよかったな~と感じます。法律業界だけに,現代の労働問題などに関心の強い業種とだから,こんなことが起こるのかもしれませんね。
一般的なOLさんとほとんど変わらない金額なんじゃないかと思います。
やっている業務も,いわゆる「物書き」的な仕事で,専門的な知識が必要ないごくごく一般的な職種なので,お給料も一般的な感じになっているみたいです。
弁護士=稼いでいるイメージがあるので,同じように法律事務所勤務のパラリーガルも給料も高くなる,なんてことはなくて,業種よりも職種で給料が決められています。
そのため,法律的な知識が必要な業務(弁護士の指示に従って,公的な文書を作成する)を担当している職種の方は,私の2倍くらいもらっている方もいるとかいないとか。。。
パラリーガルの勤務形態や待遇面は?
次は,勤務形態や待遇面について。これもやっぱり,業務内容に応じて様々です。
まず,私の場合を書いておくと,以下のような勤務形態・待遇になっています。
- 勤務時間:9時~18時
- 残業:それなり。月間20~30時間くらい。
- 休日:土日と祝日
- 有給:年に10日~ ※まあまあ取得できています。
- 産休・育休:あり ※復帰して時短勤務で働いている人もいます。
私の場合は,依頼者と接したりする仕事ではないので,ふつうに土日祝休みで9~18時勤務です。
でも,秘書業務やマネージャー業務をしている方は,土日は出て平日休み,勤務時間もシフト制で交代しながらやっているみたいです。
あとは,その事務所の方針や規模にもよるらしいです。
「土日祝日はお休みです」という方針でやっている事務所は土日が休みになりますが,大手事務所になると深夜遅くまで電話受付をしていて年中無休というところもあります。
私の場合は前者なので,恵まれていると思います(私見ですが)。
※追加情報!残業時間も短縮されました!
→現在の残業時間は10時間位内です!
上で書いた「給料の見直し」と同時に,「残業時間をできるだけ減らすように」という指示が事務所全体にあって,4月から短縮。
やっぱり「労働問題の訴訟」を扱うことのある法律業界だけあって,こういうところは良いなと感じました。
パラリーガルのいいところと大変なところ
続いては,パラリーガルという仕事のやりがいや大変な面について。
※他の業務をやっている方の場合はちょっとわからないので,これから書くのはあくまでも私個人の場合で,だいぶ主観が入ります。あらかじめご了承ください。
いいところ
まずは,いいところから。
1:労働環境は(たぶん)快適
法律事務所も労働基準法の対象になるので,残業代の未払いとか,パワハラとはマタハラとか,そういう労働問題はほぼありません。
法律を扱っている業種だけに,そういう面は割と整備されているんじゃないでしょうか。産休や育休も取りやすいみたいですし。
※追加情報!残業時間も短縮&先輩が職場復帰しました!
→労働環境の見直しで給料UP&残業時間が10時間位内に短縮。
また,違う部署の先輩社員が産休から復帰してました。待遇も変わらないみたいですよ!
2:ちょっとカッコイイ。
「パラリーガル」って響きがちょっとカッコイイのもいいところな気がします。
はじめましての人に「お仕事何やってるんですか?」と聞かれたときに,ちょっと自慢気に「パラリーガルです」って答えている自分がいます。
大変なところ
次は,大変なところをご紹介します。
1:法律的な制約や事務所のルールが独特
文章を書く仕事ということもあって,必ず弁護士の先生のチェックを入れてから表に出します。
独特なルールや法律に基づくので,自分の思わぬところで何回もやり直しになることも。
2:突発的な仕事がけっこう入りやすい
法律事務所は大体,代表弁護士のオーナー企業なので,「つるのひとこえ」で突発的な依頼が入ることがあります。
これのせいで,定時間際になっていきなり残業!なんてことも。。。
今後パラリーガルに期待するもの(私個人的に)
以上のようにパラリーガルにはいいところも大変なところもありますが,私個人的に今後この職業に求めること・期待してることも書いておこうかな~と。
それは「副業」です!!(笑)
これを読むあなたもご存知かと思うのですが,最近「副業解禁」になりましたよね。
それで,私個人も副業について調べるようになって,ネットでもFacebookとかTwitterでも副業のニュースがすごく目に入るようになったんですね。
でも,残念ながら私の職場はまだ副業禁止…。
次の業務改定では「副業OK」にして欲しいなぁ…と考えています。
これも法律に絡むのですが,副業禁止がそもそも禁止なので(憲法違反になります)。
このサイトでも「複業」とか「パラレルワーク」について書いていらっしゃるライターさんが居て,個人的にすごく羨ましいなと思ってます。
※編集部注複業とパラレルワークについての関連記事は以下の通りです。
私はライター職なので,もし解禁になったらクラウドワークス等でライター業にチャレンジしたいなーと思っています。
今後,副業解禁になることがあったら,またこの記事上でお知らせします!
パラリーガルになるには?資格っているの?
最後に,パラリーガルになるにはどうすればいいのか?について。
弁護士アシスタント業務ということもあって,医者に対しての看護師みたいに,何か資格が必要なのかと思われがちですが,パラリーガルになるのに資格は必要ありません。
資格がないだけに,給料面でもそんなに優遇されることもありませんが,法律を勉強したい方や,弁護士や司法書士を目指していて,実際に法律事務所で働いてみたいという方にはぴったりの職業とも考えられますね。
ご興味のある方は,転職サイトや各法律事務所のホームページを見てご応募してみてはいかがでしょうか??
※補足
ちなみに他部署の仲の良い同僚で,司法書士を目指している子は,「法律の業務を実際に行えるのはいいけど,資格取るのは自分で勉強はしなきゃだめだね」とも言っていました。
彼女は努力家でもありますが,資格スクエアに登録して自分で勉強していると言っていました。
パラリーガルになるためのおすすめ転職・求人サイト
パラリーガルになりたい,転職したいという方は,以下の転職・求人サイトに登録されてみることをおすすめします。
パラリーガルはまだまだ一般的じゃない特殊な職業ですので,一般にはまだ案件(求人)がなかなか出回らないんです。(私も,現在の職場に入るのにはけっこう苦労した一人です。。。)
そのため私の経験上,パラリーガルになるには,非公開求人を持っていて,ちゃんとした転職エージェントさんがいる転職・求人会社(サイト)を使うのが一番です。
私が転職に成功したところ(DODAさん)も含めて,いくつかおすすめの転職・求人サイトをご紹介します。もちろんどれも登録にお金がかかったりしないものですので,まずは気軽に登録してみましょう。
「パラリーガル系の案件があればお願いします」と伝えて,あとは給料や勤務地などの希望条件を伝えれば,丁寧に求人案件を紹介してくれるので安心できます。
パラリーガルがわかるドラマ「99.9」
私のやっている業務内容は,上記のようなものですが,「これぞパラリーガルのお仕事だな」という法律業務をこなしている風景を観たいなら,ドラマ「99.9」がおすすめ!
ほんとのところ,あんなにあくが強い人はいませんけど,法律事務所の監修も受けているので,多少大げさですけど割とリアル。
番組終了後にTwitterで配信される限定動画も面白いですし,けっこうハマッてしまいます。
過去シリーズも現行シリーズもAmazonで動画配信されてますし,ブルーレイもあるので,ぜひぜひご覧になってみてください。
>> 99.9-刑事専門弁護士- Blu-ray BOXはこちら
パラリーガルのことがよくわかる本
最後に,パラリーガルのことをもう少し詳しく知りたいなという方向けに,パラリーガルのことがよくわかる本をご紹介しておこうと思います。
それが,「ストーリーでわかる!パラリーガル実務ガイド」という本。
私のようなライター職ではない,いわゆる法律業務のサポートのパラリーガルの実務がわかりやすく書かれている本です。
まずはパラリーガルで実務を経験して,勉強しながらいずれは弁護士とか目指したいなという方におすすめです。
弁護士の方が監修していますし,実例を出して解説しているので,実務のイメージがつくような書かれ方がされてます!
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パラリーガルについて,ざっくりまとめ!
以上,パラリーガルについて私なりにまとめてみました。
パラリガールなんて誤植されるくらい,まだまだ世の中的には認知度の低い職業ですが,私はけっこう気に入ってます。
(と言っても,私の場合は普通のライターって感じですけど。)
ご興味を持たれている方の参考になれれば幸いです。
よかったら「ざっくり法律解説コラム」も読んでください!
時間的に余裕ができたときの不定期更新ですが,ちょっと分かりにくい法律用語について,ざっくりと分かりやすく解説しています。
よろしければ読んでもらえるとうれしいです!
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