『オスモチン』
メタボリックシンドローム等、内臓脂肪の多さにお悩みの方は、この『オスモチン』という、変わった名前の成分を知っておきましょう。
2014年の『国民健康・栄養調査』によると、日本の成人のメタボリックシンドロームの方の割合は男性28.7%、女性21.3%。今や男性は4人に1人、女性は5人に1人以上は肥満ということになります。
オスモチンは、そんなメタボリックシンドロームでお悩みの方にとって救世主的存在。
脂肪や糖質をエネルギーに変える酵素のはたらきを高めるファイトケミカルの一種です。
この記事ではオスモチンの効果・効能、多く含まれる食品、効果的な摂り方など、オスモチンに関する情報を分かりやすく解説します。
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30秒でわかる記事の概要
オスモチンとは?
はじめに、オスモチンについてもう少し詳しくご説明します。
オスモチンとはペプチド(分解され、分子量が小さくなったタンパク質)の一種であり、ファイトケミカルにも分類される成分です。
後述する『アディポネクチン』と深い関係があり、脂肪や糖質をエネルギーに変える作用が強いのが最大の特長です。
なお、ファイトケミカルとは、植物にのみ含まれる抗酸化物質で、色や渋み、えぐみ、香りなどの成分です。
ファイトケミカルの基礎知識(効果・性質・摂り方など)についてはそれぞれ以下の記事をご覧ください。
オスモチンの性質
では、オスモチンはどんな性質のある成分なのでしょうか?
オスモチンはペプチドの一種で分子量が小さいため、胃で消化・分解されにくく、小腸まで生きて届くという性質があります。よって、効率よく体に吸収されます。
また、『AMP活性化プロテインキナーゼ』という、糖質や脂質を分解する酵素のはたらきを活性化する役割もあり、これがメタボリックシンドローム解消に効果があるとされる理由です。
アディポネクチンとオスモチン
オスモチンのことを知る上で欠かせない成分が『アディポネクチン』です。
続いては、アディポネクチンの概要と、オスモチンとの関連性について解説します。
アディポネクチンとは?
アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌されるタンパク質の一種です。
主な作用としては、脂肪酸の燃焼、抗炎症、動脈硬化の抑制、インスリン感受性の促進などがあります。
この優れた作用により、代名詞的であるメタボリックシンドローム解消効果の他、糖尿病、ガン、血液系の病気(心筋梗塞、脳卒中など)の予防にまで効果があり、非常に注目を浴びている成分です。
なお、アディポネクチンがオスモチンと共に語られることが多いのは、この2つの成分が非常に分子構造が似通っているため。
アディポネクチンは人間など動物の体内から分泌されますが、オスモチンは植物のみに含まれる栄養素、ファイトケミカルの一種であり、いわば”植物性アディポネクチン”とも言える成分です。
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オスモチンは、アディポネクチンの100倍の効果がある成分
オスモチンについての研究はアディポネクチンに比べ進んでいませんが、一部の実験でアディポネクチンよりも優れた効果を示した例があります。
マウスの細胞にオスモチンを加えたところ、前述のAMP活性化プロテインキナーゼ(糖質や脂質を分解する酵素)のはたらきが約3倍にまで高まり、その効果はアディポネクチンの100倍に相当するとのこと。
オスモチンは様々な食品に含まれており日常的に摂ることができ、さらに、アディポネクチンの分泌量が低い体質の方にとっては、アディポネクチンの代わりに機能するため、非常に高い有用性を備えていると言えます。
オスモチンの効果まとめ
では、オスモチンにはどのような健康効果があるのでしょうか? いくつか代表的なものをご紹介します。
オスモチンの効果1:メタボリックシンドロームの解消・予防
冒頭から繰り返しお伝えしていますが、オスモチンの最も代表的な効果はメタボリックシンドロームを解消・予防する効果です。
これは、オスモチンがメタボリックシンドロームを予防するアディポネクチンの働きを活性化するからです。
また、先程も書いたように、分子構造がアディポネクチンとほぼ同じこともあり、オスモチン自体もメタボリックシンドロームの解消と予防に効果があります。
オスモチンの効果2:糖尿病を予防
糖質病を予防する効果もあります。
この効果についても、先ほど書いたように、オスモチンがアディポネクチンと同じ作用を持つため。
糖質の分解を促し、インスリンと同様の働きをすることにより、糖質病の予防効果が期待できます。
糖尿病は、慢性的に血糖値が上昇する病気です。そのため、糖質や脂質の分解を促進する作用の強いオスモチンは、糖質病を未然に防ぐことができると考えられます。
オスモチンの効果3:アルツハイマーを改善
アルツハイマーを改善する効果があります。
マウス実験の結果、オスモチンには、脳神経の炎症や変性、アルツハイマーの原因であるアポトーシス現象を抑える作用があることが確認されています。
こうした脳を保護する働きに加えて、オスモチンには脳神経細胞を活性化し脳機能を強化する効果もあります。
これらの相乗効果により、オスモチンはアルツハイマーの予防効果に優れた成分となり得るのです。
オスモチンの効果4:血液系の病気を予防
動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの血液系の生活習慣病を予防する効果もあります。
これらの病気は、糖質や脂質が血液をドロドロにし、血管の内部に溜まり血管を詰まらせることで発症します。
オスモチンには糖質や脂質を分解しエネルギーに変えるため、血液をサラサラした状態に保つ作用があり、これによって動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などを予防する効果があると考えられています。
オスモチンの効果5:ガン予防
オスモチンには、『活性酸素』を除去する働きと発生を抑える働きがあることが分かっています。
活性酸素は細胞の遺伝子情報を傷つける攻撃性の強い物質で、活性酸素によって傷ついた細胞が分裂する際に、ガン細胞が生まれると言われています。
オスモチンをはじめ、ファイトケミカルは活性酸素を除去する『抗酸化作用』が非常に高い栄養素で、ガンの原因を未然に排除し、あらゆるガンを予防してくれるのです。
オスモチンを含む食品とは?
では、オスモチンはどんな食品に多く含まれているのでしょうか?
オスモチンを多く含む代表的な食品の例をいくつかご紹介します。
オスモチンを含む食品の代表例
種類 | 食品名 |
---|---|
果物 | リンゴ |
桃 | |
さくらんぼ | |
キウイ | |
野菜 | トマト |
とうもろこし | |
ピーマン | |
パプリカ | |
唐辛子 |
上記のように、オスモチンは野菜・果物問わず多くの食品に含まれています。中でも、特に多く含まれるのはトマトだと言われています。
トマトはオスモチン以外にも『リコピン』というファイトケミカルも多く含み、抗酸化作用の高い野菜として有名です。
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オスモチンを効果的に摂るには?
では、オスモチンをより効果的に摂るには、どうすればいいのでしょうか?
上記でご紹介した食品から、より効率よくオスモチンを取るための方法を簡単に2つご紹介します。
オスモチンを効果的に摂る方法1:できるだけ丸ごと食べる
オスモチンはファイトケミカルの一種。ファイトケミカルは普段私たちが食べる実よりも、皮や種などの捨ててしまうような部分に多く含まれています。
そのため、できるだけ皮や種まで丸ごと食べることで、効率よくオスモチンを摂取することが可能です。
しかし、皮や種などは風味が良くないため食べづらいもの。そこで、『ベジブロス』にして普段の料理の下味として使用するのがおすすめです。
ベジブロスとは、皮や種や茎など、野菜の普段捨ててしまうような部分を使ってとった野菜の出汁。いわばファイトケミカルスープとも呼べるもの。
野菜を入れてスープのベースにしたり、味噌汁に使用したり、カレーにしたり等、様々な料理に使える万能出汁です。
作り方も非常にシンプルなので、一度作ってみてはいかがでしょうか?
>>野菜の栄養を丸ごと!作り方も超簡単!ベジブロスのレシピ本はこちら。
オスモチンを効果的に摂る方法2:完熟する前に食べる
オスモチンは、完熟した状態よりも、まだ青い状態の野菜・果物に多く含まれることが分かっています。
より効率的に摂取するためには、完熟する前の野菜・果物を収穫する等するのも良いでしょう。
ただ、完熟する前の状態では、オスモチン以外の栄養素が少なくなる場合もあり、風味の面で劣るというデメリットもありますので、あくまで参考程度に覚えておきましょう。
オスモチンについて:まとめ
このように、オスモチンはメタボリックシンドロームや糖尿病など、現代人の抱える悩みや病気を改善してくれる優れた成分です。
他の栄養素同様に摂り過ぎは禁物ですが、上手に利用すれば効果はあるはず。
お腹周りや血糖値、内臓脂肪が気になる方は、オスモチンをメタボリックシンドロームの解消に役立てましょう。
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