肥満だけじゃない。早食いが招く病気と、早食いを治す7つの食事のコツ

早食い

あなたは早食いですか?

恐らくほとんどの人は「早食いだ」と答えるかもしれません。

リサーチパネルのアンケートによれば、自分が食べる早さをどう思いますか?という質問に対し、「とても速い」と回答した人は10%、「比較的速い」と回答した人は39.8%で、自覚しているだけでも半分の人が自分を早食いだと思っているようです。

※出典:リサーチパネル デイリサーチ

※出典:リサーチパネル デイリサーチ

忙しい現代人は食事をとる暇もないため、ついつい早食いになってしまいがち。

しかしそれは、肥満だけでなく、様々な病気にかかる可能性が高い悪癖です。

この記事では、早食いが招く肥満をはじめとした病気・症状と、早食いを治すための食事のコツを7つご紹介します。



早食いが肥満につながる理由

ではまず、早食いがなぜ肥満を招いてしまうのでしょうか?

結論から言えば、早食いは食べ過ぎの原因になるから。

脳が満腹感を得るには食べてから20分必要とされていますので、早食いは実際に必要な量よりも多く食べてしまうのです。

子どもを対象にしたある研究では、早食いの子どものうち60%が食べ過ぎで、これに伴ってか肥満率も通常の3倍まで高まることが分かっています。

九州大学も「早食いは肥満の元」と発表

さらに、2018年2月13日に九州大学が、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)のオンライン版に「早食いは肥満を招く」との研究を発表しています。

同研究チームは、2型糖尿病の日本人5万9717人を対象に、次のデータを分析しました。

  • 年齢
  • 性別
  • BMI
  • 腹囲
  • 血圧
  • 食生活
  • 飲酒や喫煙の有無

その結果、食事をゆっくり摂る4192人は元々ウエストのサイズも小さく、BMI平均値が標準範囲内の22.3、肥満の割合も全体の21.5%でした。

これに対し、早食いの癖のある2万2070人では肥満の割合は44%と2倍以上の数値。そしてBMIの平均値も肥満気味とされる25だったとのこと。

研究チームは同論文内で「ゆっくりと食事をとるように指導することは、肥満の予防や、肥満に由来する各種健康リスクを下げるのに効果的と考えられる」と結論づけています。

早食いが招く病気・症状まとめ

早食いが招くのは肥満だけではありません。冒頭でも書いたように、いくつもの病気・症状を発症する原因になります。

その代表的な例をご紹介します。

1:インスリン抵抗性

インスリン

インスリン抵抗性とは、インスリンが正常に働かなくなる症状のこと。

肝臓や筋肉、脂肪の内部で糖質を体内で処理し切れなくなるため、糖尿病や代謝障害などの病気の発症を高めてしまいます。

日本の名古屋大学やイギリスのニューカッスル大学など、様々な研究チームが同様の結果を示しています。

2:糖尿病

糖尿病

糖尿病になりやすくなります。

リトアニア大学が糖尿病患者234人以上を対象に行なった研究によれば、早食いの人は、ゆっくり食べる人に比べ糖尿病の発症率が2.5倍に高まるという発表がなされています。

※関連記事:最大23%の改善効果!糖尿病の予防に植物性プロテインを飲むべし。

3:メタボリックシンドローム

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内臓脂肪がつきやすくメタボリックシンドロームになりやすくなります。

メタボリックシンドロームになれば、上記の糖尿病のリスクの他、心臓病の発症リスクも増大します。

4:消化不良

胃にいいもの

消化不良になりやすくなります。

早食いの人はゆっくり食べる人に比べ、一口の大きさが大きく、噛む回数が少ないことがわかっています。これが原因で消化不良を起こすことが多くなるようです。

5:満足度の低下

不満

これは健康上の問題ではありませんが、早食いの人は食事の満足度も低くなる傾向にあるようです。

アメリカ・キングストン大学の研究によると、早食いは食事が終わったあとの満足度・満腹感が共に低下する傾向があると発表されています。

早食いを治す食事のコツ

早食いに様々なリスクがあること、そしてゆっくり食べることが大事だとご理解いただけたでしょうか?

逆に、ゆっくり食べることは満腹感・満足感が得られるため、カロリー摂取量を抑えることができます。

肥満や内臓脂肪が気になる方、上記の病気・症状でお悩みの方は、まずゆっくり食べる習慣をつけるようにしましょう。

ここからは、早食いを治し、ゆっくり食べるためのコツを具体的にご紹介します。

1:テレビやスマホを見ながら食べない

※出典:Yahoo!ニュース

テレビ、スマホ、パソコンなどを見ながら食べるのはやめましょう。

意識が食事から画面に向かうため、早食いだけでなく、食事のメニューも偏ってしまう傾向にあるようです。

さらに、自分がどれくらい食べたかも忘れてしまうため、食べ過ぎにもつながります。

2:一口食べるごとに箸を置く

箸

一口食べるごとに箸を置くようにしましょう。

ゆっくり食べることができ、一口一口を味わうこともできるので満足感も増します。

3:お腹を空かせすぎない

空腹

お腹を空かせすぎないようにしましょう。

空腹感が強まると、ジャンクフード等の体に悪いものが欲しくなり、食べる量も増え、空腹を満たそうとより早食いになります。

4:水を飲む

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水を飲むことも有効です。

一口飲むごとに軽い食休みになるため、ゆっくり食べることができるとともに、満腹感も得られます。

※関連記事:水が健康にもたらす効果まとめ。『水は健康の源』と断言できるワケ

5:よく噛んで食べる

よく噛む

飲み込む前によく噛みましょう。

一口一口をゆっくり食べるようになり、脳の満腹中枢を刺激し満腹感が増します。

目安は20〜30回程度。意識してやってみましょう。

6:繊維質の食品を食べる

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食物繊維が豊富な食品を食べましょう。

例を上げると菊芋にんにく、豆類やおから、ごぼう等です。噛むのに時間を要するため、自然と噛む回数も増えます。

また、腸内環境の改善にも役立つため早食いで起こる病気・症状の予防にも効果的です。

関連記事:腸活のススメ。腸内環境を整える!カンタン腸活・3ステップ。

7:一口の量を少なくする

一口 食べる

一口の量を少なくすると、同じ量でも食べる回数が多くなるので、自然とゆっくり食事をとれるようになります。

まとめ:早食いをやめて、ゆっくり食べよう。

食べることは体を作ること。食べ方ひとつで、健康にも不健康にもなり得ます。

一日のうち食事の時間くらいは、余裕を持ってゆっくりと時間を使いましょう。

仕事も趣味も勉強も家事も子育ても、健康な体があってこそのものなのですから。

そのために、早食いをやめて、今日から少しずつでもゆっくり食べる習慣をつけましょう。

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