ヨーグルトメーカーとして世界的に有名な『ダノン社』が、アメリカの『ホワイトウェーブフーズ(WhiteWave Foods)社』の買収する方針であることを明らかにしました。
この買収は、縮小する牛乳・乳製品マーケットへの対応と、グループの拡大以上の意味を持ちます。
これはつまり、ダノン社は今後、牛乳・乳製品ではなく、植物性の食品の製造・販売を優先するという方針を示したことになるのです。
その危険性から世界的に需要が低下する牛乳。その逆に、急速に需要を拡大させているヴィーガン(植物性)食品。ダノン社のような大企業が牛乳→植物性食品への転換は、時代の流れを大きく変えることになります。
今回は、それほど大きな意味を持つこのニュースについて書いていきたいと思います。
30秒でわかる記事の概要
ダノン社、買収の理由は『 牛乳の需要が急落と牛乳価格の高騰』
ダノン社は今回の買収の理由を「牛乳の需要が急落し、牛乳価格が高騰した。これに対し、マーケティング予算を中心に今後3年間で11億ドルのコスト削減を行うため」と発表しています。
事実、アメリカでの牛乳の消費量は下図(グラフ)が示すように急激に減少しており、2010年の消費量は60年前の1/6以下。特に1970年以降の減少幅は大きく、78%も減少しています。
これに対し、ダノン社が買収を検討しているホワイトウェーブフーズ社の売上は、2016年の第4四半期時点で、2016年の純売上高が42億ドルを超え、2015年の売上高:39億ドルから9%も増加したと報告されています。
ちなみにホワイトウェーブフーズ社は、植物性食品やオーガニック食品を扱う食品メーカー。植物性食品の需要の高まりが如実に見て取れる数字です。
『ホワイトウェーブフーズ』社とは?
では、ダノン社が買収を検討しているホワイトウェーブフーズ社とはどんな企業なのでしょうか?
ホワイトウェーブフーズ社はアメリカの食品メーカー。植物性食品や有機農産物、オーガニックの牛乳、乳製品など、栽培・生産法にこだわった食品を取り扱っています。
また、傘下にホライズン・オーガニック(Horizon Organic)社、アースバウンドファーム(Earthbound Farm)社といった企業を持ち、この企業も優れた食品を栽培あるいは製造、販売を行っています。
■公式サイト:http://www.whitewave.com/
ホライズン・オーガニック社について
ホライズン・オーガニック社は、アメリカで最大のオーガニック牛乳の販売元です。
USDAによってオーガニック認証を受けており、抗生物質もホルモン剤も一切使わない乳牛とその牛乳のみを取り扱っており、アメリカのオーガニック牛乳のうち実に9割を供給しています。
■公式サイト:https://www.horizon.com/
アースバウンドファーム社について
アースバウンドファーム社は、アメリカで最大のオーガニックサラダの販売元であり、最初にサラダのパッケージ売りを始めた企業です。
サラダの原料となる野菜は自社栽培しており、アメリカで最高のオーガニック農法を行っている企業とも言われています。
■公式サイト:http://www.earthboundfarm.com/
このように、ホワイトウェーブフーズ社は、子会社も含めてオーガニック製品の製造・販売に特化した企業です。
ダノン社がホワイトウェーブフーズ社を買収することの、大きな意味
牛乳の消費量が急激に落ち込み、逆にこうした企業の売上が順調に伸びていることに鑑みて、時代は確実により自然なものオーガニックなものを求めていることが見て取れます。
そして、ダノン社がホワイトウェーブフーズ社を買収することが、その流れを一層後押ししていくだろうことが予測できます。
不自然な従来型の乳製品から、植物性の食品へ。
世界第2位の乳製品メーカーであるダノン社がこの方針を決定したことは、この時代の流れをさらに大きく変えるだけの力があるのです。
乳製品を植物性食品に変えていくことのメリット
乳製品をやめ、植物性食品を選ぶことには、様々なメリットがあります。
最後に、そのメリットを簡単にご紹介します。
1:牛乳による病気や体の不調を防ぐことができる
テレビCMや学校給食によるイメージ戦略の結果、多くの日本人は牛乳が体に良いと思っていますが、実際はその真逆。むしろ数多くの病気や不調を招く原因です。
牛乳を避けることで、下記の記事にあるような病気を未然に防ぐことが可能です。
>>なぜ牛乳は体に悪いのか?牛乳が原因で起こりうる病気まとめ

2:乳牛の虐待を防ぐことができる
乳牛になる子牛は生後間もなく母牛から引き離され、人の手により乳牛にするべく様々な薬物を投与されます。
これに加え、牛乳は本来赤ちゃん牛が飲むべきもの。私たち人間は、それを横取りしているのです。
牛乳を飲むという行為はこれらを助長することになり、誤解を恐れずに言うならば、いわば虐待行為とも言えるのです。
3:環境破壊を抑えることができる
乳牛の飼育に使用される抗生物質やホルモン剤は、土壌を汚染し、水源にも溶け出します。
土壌が汚染されれば農作物に、水が汚染されることは、私たちの飲料水や生活用水に多大な影響を及ぼすことになります。
4:飢餓を救うことができる
乳牛の飼料として使っていた農作物を、かわりに飢餓で苦しむ国々に分け与えることも可能です。
私たちには想像ができませんが、アフガニスタンやスーダンの人々をはじめ、世界には飢餓で苦しむ人が10億人以上もいると言われています。
最後に:牛乳をやめよう。
牛乳が体に良いというのが誤ったイメージであることは、日本でも徐々に浸透してきていますが、まだまだ認識は甘く知識不足の人が大半です。
ダノン社がここまで大きく動くほど、時代は変わってきています。
牛乳はもはや過去のもの。あなたが明日から牛乳を飲むのをやめるだけで、今私たちが抱える多くの問題は、一気に解決できるかもしれないのです。
そしてその流れは、すでにフランスとアメリカでは起こっているということ。
ダノン社がホワイトウェーブフーズ社を買収するという今回のニュースは、それだけ大きな意味を持つ、素晴らしいニュースと言えます。
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