もうあと2週間強で新しい年がやってきます。
新年を迎え、気持ちを新たにするとともに開業を考えている人も多いのではないでしょうか?
そして開業時に気になるのが、色々な費用ですよね。
経費で落とすことができればいいのですが、開業の経験がないと、具体的にどの費用が経費で落とせるのか分かりませんよね。
そこで、前回の記事でインタビューした税理士さんにお願いして、
- どんな費用なら開業前の経費として落とせるのか?
- 金額はどれくらいまでOKなのか?
- 開業前のどのくらい前まで遡って経費として扱えるのか?
- 経費として計上するためにに必要なものは?
…など、色々と疑問をぶつけてみました。
近々開業を予定している方は、ぜひ参考にいただければ幸いです。
30秒でわかる記事の概要
Q1:どのくらいの金額までなら、経費として計上できるのか?
開業前には予想しない出費があったり、色々とお金がかかると思いますが、具体的にはどのくらいの金額までが経費になるんでしょうか?
ー 1取引あたり20万円以下が基準になります。これを超える金額は基本的にNGです。
※1取引=経費が合計20万円までという意味ではなく、一回の買い物や工事などサービスの利用金額が20万円という意味。
Q1の回答まとめ
- 1取引あたり20万円以下なら開業前の経費として計上可
- 20万円を超える金額はNG
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Q2:経費として計上できるのは、開業のどれくらい前まで遡れるのか?
なるほど。では、『開業前』というのはどれくらい前までを言うのでしょうか?具体的に開業するどれくらい前までのお金なら、経費になるんでしょうか?
ー これは税理士によって基準がそれぞれ違うのですが、私の場合は半年~1年前くらい前までの費用であれば概ねOKと考えています。
以前、知り合いの税理士から開業5年ほど前の費用を経費として計上できたとの話を聞いたことがありますが、それほど前のものだと、突っ込まれた時に説明がつかなくなりますので、私個人は半年〜1年前を基準としています。
Q2の回答まとめ
- 『開業前』の基準は、半年~1年前くらい
- 5年前などはNG(説明がしづらい)
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Q3:『開業前の経費』として計上できる費用とは?
それでは、一番気になるところですが、開業前の経費として計上できる費用は、具体的にどんなものがあるんでしょうか?
ー 会社を開業するために必要だと明確にわかるものなら、基本的には何でもOKですよ。一番よくある費用は、やっぱり接待費や交通費ですね。(※詳しくは後述)
他にも、たとえば、事務所を決めるのに色々物件を見て回ったとして、その時にかかった電車代やバス代などの交通費も経費になりますし、ホームページの制作費なんかも経費になります。
他にも、名刺を作った費用や、飲食店の場合は、看板の制作費、テーブルや椅子、壁の修繕費用、業務用冷蔵庫を購入した費用なども経費になります。
さっきも言ったとおり、要は会社を開業するために必要だと明確にわかる費用であれば、経費になるんです。
開業しようとしている会社の事業と紐づくような証拠を残しておくのが最大のポイントですね。
Q3の回答まとめ:『開業前の経費』として計上できる費用
- 飲食代(接待費)
- 事務所選びの際にかかった交通費
- ホームページ制作費
- 名刺作成費
- 看板(飲食店)
- 冷蔵庫やテーブル、椅子、壁の修繕費用など(飲食店)
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Q4:開業前に、接待交通費として経費をあげるのに必要なものって?
では、接待費として経費をあげるためには、具体的には証拠として何か必要なものはあるんですか? やっぱり領収書とか?
ー はい、基本的には領収書があれば問題ありません。
ただし、領収書は宛名に個人名がきちんと書いてあるもの。たとえば、『上様』と書いてあったり、空白のものはダメです。
また、できれば、領収書の裏にどこの誰と何人で行ったのか(○○株式会社の●●さん他2名、のような感じ)メモ書きをしておくと、なお良しですね。
領収書には日付や発行元(そのお店の名前)などは書いてありますが、誰と行ったか等の情報は唯一書いてありませんので。
また、金額ですが、接待費の場合は飲食代など、そのときにかかった合計金額を人数で割って、一人あたり5000円以下であることが条件です。それ以上だと接待費として計上できませんので、注意してください。
Q4の回答まとめ
- 領収書があれば問題なし
- ただし、領収書には宛名をきちんと書いてもらう(上様、空白はNG)
- できればどこの誰と何人で行ったのか等メモしておく
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Q5:開業前の経費として計上できない費用は?
では逆に、開業前の経費として計上できない費用には、どんなものがありますか?
うーん。これは具体的に言うのがなかなか難しいんですが、要はさっきの逆で、事業に関係のない費用は全部、経費にはなりません。
たとえば従業員の給料は明確にダメですし、あとはこれは割とよくあるんですが、「視察」と称して旅行に行ったときの費用なんかも当然ダメです。
ズルしたら当然バレますし、あとで突っ込まれても説明できないものはやっぱりダメですよね。
Q5の回答まとめ
- 従業員の給料
- 視察と称した旅行費用など
- 事業に関係のない費用は基本的にNG
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経費だけではなく、開業前の悩みは税理士さんに相談を。
今回も、税理士さんにお話を聞かせていただきました。
ご協力いただきましたN先生、ありがとうございました。
開業前には、それまで想定しなかった疑問や問題が色々と発生するもの。提出書類の準備や経費、手続きなど、障害はつきものです。
そんな時のためにも、開業後にお金の面で苦労しないためにも、税理士さんの存在は欠かせません。
少しでも疑問に思うことがあれば、すぐに相談できる存在がいるのはなんとも心強いことです。
開業・独立を考えていて今まさに悩んでいる方、税理士さんにいちどお話を聞いてみてはいかがでしょうか?
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