リモネンをご存知ですか?
何だか爽やかな響きのファイトケミカル。その名前の響き通りレモン由来のファイトケミカルです。
この記事では、アメリカ国立生物工学情報センター所蔵の臨床試験結果や、医療・ヘルスケア専門機関の情報に基づき、
- リモネンの用途(香料の他にもいくつかあります)
- リモネンの持つ色々な効果・効能(ガン予防等、複数の健康効果あり)
- リモネンを使用したおすすめの製品(アロマオイル、洗剤など)
主に以上の3点について、リモネンに関わる情報をわかりやすく解説します。
30秒でわかる記事の概要
リモネンは香り成分の『ファイトケミカル』
リモネンは、冒頭でも申し上げた通りレモンに由来する名前。柑橘系フルーツの皮に含まれる香りの成分です。
ちなみにリモネンのスペルは「limonene」と書きます。
リモネンの使用用途は実に多彩で、私たちの生活に密着したファイトケミカルです。
『テルペン類』に分類される
なお、リモネンはファイトケミカルの中でも、『テルペン』と呼ばれる香り成分の部類に分類されます。
テルペン類の多くは薬効または精神面に有効な作用を与えることで知られ、そのため、アロマテラピーに多く用いられることが多いのが特徴です。
ちなみに、テルペンは柑橘類フルーツ以外には、松の木や、クローブオイル、ミント等に多く含まれています。
☑ 関連記事:クローブオイル(丁字油)の成分『オイゲノール』の効果・効能・摂り方
最強の抗酸化成分『ファイトケミカル』
リモネンをはじめとした香り成分の他、野菜や果物、ハーブには色素、苦味、えぐみ等の優れた抗酸化物質が含まれています。
この総称を『ファイトケミカル』と言い、活性酸素を除去し、癌や心臓病、糖尿病などの生活習慣病の予防効果に優れた成分です。
ファイトケミカルの基礎知識、効果的な撮り方、種類はそれぞれ以下の記事をお読みください。
リモネンの用途
では、リモネンはどのような用途で使われているのでしょうか?
アロマオイルのように香りを楽しむ以外にも、私たちの身の回りで以下のような用途で幅広く使用されています。
リモネンの用途1:食品・飲料の香料
その香りの良さを生かして、清涼飲料水やガムの香料としても使用されています。
これらの製品のパッケージ裏にある食品成分表示に記載されている「香料」は、リモネンのことを指すことが多いようです。
リモネンの用途2:医薬品
軟膏やボディクリームに含まれていて、肌に浸透するのを助ける役割があります。
リモネンの用途3:洗剤や溶剤
界面活性剤を含むため、台所用洗剤やハンドソープの他、発泡スチロールを溶かすための溶剤としても使われます。
植物由来の成分のため非常に安全性が高いところが魅力です。
リモネンの効果・効能まとめ
では、リモネンは私たちの健康に対して、どんな効果・効能をもたらすのでしょうか?
代表的なものを順にご紹介します。
効果・効能① ガンの予防と治療
ファイトケミカル全般に共通する効果ですが、もちろんリモネンにもガン予防効果があります。
2013年アリゾナ大学癌センターの研究では、リモネンが早期の乳ガンに対し細胞の増殖を抑える効果があることが示されています。
また、同所が行った2000年の研究では、リモネンは皮膚ガンにも効果があることが示されており、リモネンが特に多く含まれる『柑橘類の皮』を多く食べることで皮膚ガンの発症リスクを低減させるとのこと。
他に、結腸ガン(大腸ガン)への効果も確認されており、優れた抗癌作用があることがわかっています。
効果・効能② :リラックス&睡眠を促す
神経を正常に働かせるための細胞を活性化し、不安やストレス等を取り除くのに非常に有効です。
アロマオイルの原料の1つとして使われていることが証明しています。神経の興奮を鎮め、ぐっすり眠ることができます。
効果・効能③ ダイエットに効く!!
代謝を上げ、同時にコレステロールを減らします。
体の内側から効いてくれ内臓脂肪を減らすのに効果的であるため、ダイエットに励む方の強い味方です。
効果・効能④ 免疫力を高める
こちらもファイトケミカル全般の効果。
免疫細胞を活性化し、菌やウイルスが身体に侵入するのを防いでくれます。病気全般への抵抗力がつき、風邪やインフルエンザ対策にも最適です。
効果・効能⑤ 育毛と抜け毛防止
北里大学の研究によれば、リモネンは脱毛の原因物質のひとつ5-αリダクターゼを減らす作用があるとのこと。海外の掲示板等でも育毛成分として度々話題にあがっています。
効果・効能⑥ 胸焼け・逆流性食道炎を緩和する
胃や食道の健康維持にも有用で、胸焼けや逆流性食道炎の予防・緩和に効果があることもわかっています。
2007年にAlternative Medicine Reviewに掲載された研究によって明らかになっています。
この試験では、慢性的に胸やけや逆流性食道炎に悩む成人19人に対し、d-リモネン(リモネン)を摂取してもらったところ、わずか1週間で32%の患者の症状が大きく改善したとのこと。
これは、リモネンが胃酸を中和し、また、胃の粘膜の保護にも作用するためだと考えられます。
効果・効能⑦ 抗菌作用(カンジダ予防など)
リモネンには優れた抗菌性も確認されています。
特にカンジダ菌の繁殖を抑える効果に優れ、菌のアポトーシス(細胞の自殺)を誘導することで細菌の増殖を阻害します。
これは、2018年インド・スワンラマンアンドティースマースワダ大学の研究で明らかになっています。
リモネンの効果を得るための上手な摂り方
先述の通りリモネンは柑橘系フルーツの皮に含まれます。そのため、いかに皮の部分を効率的に食べられるかが重要です。
しかし、マーマレードを食べるとわかるように柑橘系の皮は苦く、食べるのに適しているとは言えません。そこでおすすめなのがサプリメントです。
サプリメントならば、苦味や渋みを感じることなく、飲むだけで栄養を摂ることができます。
ただし、サプリメントの選び方には注意が必要です。他の記事でも度々言及していることですが、香料や凝固剤、保存料等の添加物が含まれているものを選んではいけません。
栄養を取りながら同時に悪いものを摂ってしまい、結局は身体にとってマイナスになってしまうからです。
必ず、オーガニックで栽培された野菜・果物をそのまま使い、できるだけ自然のままに近い状態で作られたものを選ぶようにしてください。
皮や種まで丸ごと食べるのが重要ですので、野菜や果物の栽培方法には特に注意すべきだと私は考えています。
リモネンを含む、おすすめのレモンオイル(アロマオイル)
リモネンは香りの成分ですので、その効果を得るためには、レモンのエッセンシャルオイルを用いたアロマセラピーが特におすすめです。
この際に重要になるのがオイル自体の品質です。
合成香料などを使用した低品質なオイルでは、化学物質過敏症の原因にもなりかねませんので、逆効果になってもおかしくありません。
オーガニックのレモンオイルがおすすめ
そのため、オーガニックのレモンを原料とし、合成香料などを一切使用しない無添加のレモンオイルが最適です。
製品としては、定番ですがニールズヤード・レメディーズのオーガニックレモンオイルがおすすめです。
5mlで1,200円以上と高額ですが、オーガニックのレモンの皮のみから丁寧に抽出したオイルの品質は本物です。
アロマディフューザー等を使用すれば、リラックスしたいときや安眠したいときに効果的です。
>> ニールズヤード レメディーズのオーガニックエッセンシャルオイル(レモン)
オレンジオイルにも多く含まれる
リモネンは、オレンジの皮にも多く含まれる成分として知られます。
そのため、オレンジの皮を原料にして作られる『オレンジオイル』の主成分にもなっており、その割合はオレンジオイル全体の90%とも言われます。
オレンジオイルは爽やかな香りを持ち、抗菌効果・血流改善作用・リラックス作用などを持ち、かつ、アロマオイルやシャンプー、クリーナーと様々な用途に使用できる優れたオイル。
幅広い用途に使用できるため、リモネンの効果を実感するには最適な加工製品のひとつです。
下記の記事に内容をまとめていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
>> オレンジオイルの効果・使い方・洗剤 総まとめ。美容・日用・免疫UP!
オレンジオイルを使用したおすすめの製品
なお、オレンジオイルを使用したおすすめの製品はそれぞれ以下のとおりです。
上記の製品の詳細・特長・おすすめする理由は『オレンジオイルの効果・使い方・洗剤 総まとめ。美容・日用・免疫UP!』内にまとめています。関心をお持ちの方は、こちらをご覧ください。
リモネンの毒性・副作用
なお、リモネンには以下の毒性・副作用が報告されています。
個人差が大きく、また、多量に使用した場合に起こりうるものですので、さほど心配はありませんが、念のため注意しておきましょう。
皮膚刺激性または感作性
リモネンには皮膚刺激性または感作性が報告されています。
リモネンを含むオイルや、化粧品などを多量に使用したりすた場合、皮膚膜の透過性を高め、肌がヒリヒリする等の刺激を与える例があります。
ゆず湯に入った際に肌に『つっぱり』を感じることがあるのも、リモネンが作用していることが考えられます。
光毒性
皮膚に付着した状態で太陽光などの紫外線を浴びると、ダメージを受ける『光毒性』もあります。
症状としては、肌に痒み・紅斑・炎症をもたらし、メラニン色素の沈着を促し、シミの原因になる場合もあるため注意が必要です。
これは、果物の皮を圧搾して抽出された柑橘系のアロマオイル全般に含まれる『フロクマリン類』が原因で起こる作用で、同じ香り成分である『クマリン』にも確認されています。
リモネンについて:まとめ、補足
冬は柑橘系フルーツが旬の時期です。
旬ということは、栄養価がとても高く美味しいのですが、私個人はグレープフルーツやオレンジはなるべく避けるようにしています。アメリカ産などの輸入物が圧倒的に多いからです。
輸入物のフルーツの大半は船便で10日間以上もかけて品質を保つために防腐剤満載の状態で運ばれてきます。
さらに、農薬を大量に使い栽培されているため栄養価に乏しく、リモネンの量自体も少なく、本来の効果が得られるとは思えません。
そのため、みかんやぽんかん、はっさく等の国産のものを買うようする、その中でも地元産のものを買う、そして食べる前には農薬落とし用の洗剤で洗うようにする等、工夫をしましょう。
ファイトケミカルの効果を知ることも大事ですが、食物を選ぶ目を養うことも大事です。
柑橘系の旬のこの時期、ぜひ良いものを手にとってください。
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