活性酸素を除去する食品には、どんなものがあるのでしょうか?
過去2回の記事では、活性酸素の基礎・原因、そして活性酸素が引き起こす病気・疾患・体の不調をご紹介してきました。
お読みいただいた方の中には「活性酸素をはじめて知った!」という方はもちろん、「心当たりがあり、活性酸素が怖くなった」という方や、「活性酸素を減らす(なくす)にはどうすればいいんだろう?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのは、活性酸素を除去する食品です。
『すべての病気の原因』とも言われる活性酸素。これを効果的に除去することは、私たちの体と心の健康に直結していると言っても過言ではありません。
活性酸素を除去できる栄養素と食品を知りましょう。
30秒でわかる記事の概要
おさらい:活性酸素の発生原因と、それが引き起こす病気まとめ
まずは、過去2回の記事のおさらいと、今回の記事からはじめて読み始めたという方のために、活性酸素についての基礎知識と、発生原因、それが原因で起こる病気・不調にはどんなものがあるか? を簡単にご説明します。
活性酸素とは?
活性酸素は酸素の一種であり、本来は体内に侵入したウイルスなどを退治するはたらきがあります。
しかし、その攻撃性ゆえに、増えすぎると体内の細胞を攻撃したり、結びついて細胞を酸化させるなど、危険な物質になり得る側面も持っています。
活性酸素によって酸化あるいは傷つけられた細胞は異常をきたし、様々な病気・疾患・体の不調を引き起こします。
これが活性酸素がすべての病気の原因と言われる理由です。
活性酸素の発生原因
呼吸によって取り込まれた酸素は、食べ物によって取り込まれた栄養素と共に、ミトコンドリアによって人間の活動エネルギー産生に利用されます。
この際に副産物的に排出されるのが活性酸素です。
つまり、活性酸素はごく自然に体の中で発生する物質であり、この時点で毒性はありません。
しかし、現代は、紫外線、お酒、タバコ、食品添加物や電磁波、汚染された水道水など、活性酸素の発生原因が数多くあります。
これらが相まって、活性酸素を過剰に発生させてしまい、その結果下記のような病気・疾患・体の不調を引き起こしてしまうのです。

活性酸素の引き起こす病気・疾患・体の不調
活性酸素が引き起こす病気や不調は、ここには書き切れないほどあります。
ガン、糖尿病、心臓病や脳梗塞などの重大なものから、飛蚊症や口内炎、歯周病や不妊、子宮筋腫、アトピーなどの身近な症状まで、体の部位を問わず様々な病気・疾患・体の不調を引き起こします。

過去2回のまとめ
以上、駆け足ですが、第1回・第2回の記事のおさらいでした。
これから先では、活性酸素を除去する栄養素・食品をご紹介しますが、その前にまずは様々な病気・疾患・体の不調が起こるということを認識し、発生原因を徹底して断つことを優先してください。
その上で、活性酸素を除去する栄養素・食品を摂るようにしましょう。
活性酸素を除去する栄養素とは?
活性酸素を除去する食品を見分けるには、まず活性酸素を除去する『栄養素』を知る必要があります。
こうした栄養素の種類・含有量ともに多いものが、より効果的に活性酸素を除去することができるからです。
そこで、食品をご紹介する前に、まずは活性酸素を除去する栄養素を知っておきましょう。
1:ファイトケミカル
ファイトケミカルとは、植物の葉・茎・根などに含まれる色や苦み、えぐみや渋みなどの成分。
近年注目を浴びている『第7の栄養素』で、最大の特長は活性酸素の除去作用です。
※なお、ファイトケミカルとはどんな栄養素か、どんな効果があるか、どんな種類があるか、効率的な摂り方 等のファイトケミカルについての基礎知識は下記の記事に詳しくまとめていますので、合わせてご覧ください。

その抗酸化作用(活性酸素の除去)は他の栄養素の追随を許さず、特に抗ガン効果に優れ、”天然の抗ガン剤”とも呼ばれるほど。
「ファイトケミカル」とは聞きなれない名前ですが、実は私たちの身の回りに数多く存在しています。以下から、その一例をご紹介します。
リコピン
トマトに含まれることで知られるリコピンもファイトケミカルの一種。
赤い色素成分で、後述するビタミンEの約100倍もの抗酸化力があると言われる栄養素です。
その効果は多彩で、ダイエット効果の他、骨や歯を強くする効果、美肌効果、あらゆる生活習慣病の予防効果もあります。
脂溶性のため、油と一緒に摂ることでより吸収効率が高まり、同じく抗酸化力の強い油であるオリーブオイルなどが好相性です。
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アントシアニン
ブルーベリーやビルベリーに含まれるアントシアニンもファイトケミカルのひとつです。
主にベリー類に含まれる青い色素成分のことで、この成分もまた非常に強力な抗酸化作用を持っています。
ちなみに、ベリー類は全食品中で最強の抗酸化作用を持つと言われています。
アメリカ農林水産省の研究では、「40種の果物・野菜の中でブルーベリーが抗酸化作用においてトップクラスである」と報告しています。

イヌリン
イヌリンは菊芋などに多く含まれ、食物繊維にも分類されるファイトケミカルです。
菊芋の他にはゴボウやニンニクに含まれています。
腸内を清掃するはたらきに加え、善玉菌を増やす効果もあるため、腸内環境を整える『腸活』をする上では最適の栄養素と言えます。
イヌリンの効果は、便通をよくしたり、糖尿病の改善やアトピー改善など。
総じて腸に効く栄養素であり、その他の栄養の吸収効率を上げてくれる非常に優秀な成分と言えます。

ショウガオール
ショウガオールとは、その名前の響きからも分かるように、生姜の辛味成分の1つ。
発見者は大正~昭和期の日本の化学者・野村博氏ということもあって、和風の名前がついています。
熱が加えられ乾燥した生姜に含まれるファイトケミカルで、温熱・保温効果が抜群。
血行を促進し体を内部から温め、血管を健康に保ち、免疫力を高めてくれます。

アリシン、アホエン
アリシンとアホエンは、ニンニクに含まれるファイトケミカル。
アリシンはニンニクの強烈な匂いの成分で、アホエンは、低温の油で熱せられてアリシンが変化した成分です。
この2つの成分は極めて強力な抗ガン作用を有しています。
そのためか、ニンニクは、アメリカの国立ガンセンター発表の『抗ガン効果のある食品ランキング』で単独1位。
ガン予防だけでなく、その他の生活習慣病の予防効果や脳細胞の活性化など、アリシンとアホエンは正に病気と戦う栄養素と言えます。

カテキン
緑茶の渋みの成分として有名なカテキンも、ファイトケミカルの一種です。
世間一般で知られている脂肪燃焼効果の他に、殺菌作用や糖尿病の予防などにも効果があります。
先進国の中でも肥満率の低い日本ですが、それは緑茶を飲む習慣があり、普段からカテキンを摂っているからという説もあります。
ある意味で、私たち日本人に最も身近なファイトケミカルと言えます。

ルテイン
緑黄色野菜に広く含まれ、目に良い成分として有名なルテインもファイトケミカルの一種。βカロテンなどの仲間で、黄色い色素成分です。
ブルーライトや紫外線などの有害な光線から目を守り、目の疲れや病気、失明を抑制する効果があります。
その他、記憶力UPなどの脳機能の向上、美肌効果があることも分かっています。
ケールやほうれん草、パセリなどの葉物野菜に豊富に含まれています。

2:ビタミンE
ビタミンEは、非常に抗酸化作用の強いビタミンで、血流の改善・細胞膜の保護効果を備えています。
血流の改善作用は、血管系の病気・疾患を未然に予防するのに優れ、
細胞膜を保護するはたらきは、活性酸素による細胞への攻撃を防ぐのに非常に有効です。
病気を予防する他にも、美容効果も高いことから、ビタミンEは『アンチエイジングのビタミン』とも呼ばれています。

3:ビタミンC
ビタミンCは免疫細胞のはたらきを活性化するなど、それ自体が抗酸化作用に優れています。
しかし、ビタミンCの本当に優れた点は、他の栄養素のはたらきを助けることにあります。
たとえば、上記のビタミンEが活性酸素を吸収して抗酸化力を失ってしまった際、ビタミンC自らが活性酸素を還元することで、再びビタミンEのはたらきを活性化してくれるのです。
また、ファイトケミカルの一種・アントシアニンはビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まることが分かっています。

4:ミネラル類(抗酸化ミネラル)
ミネラル類も、活性酸素を除去するために欠かせない栄養素です。
その理由は、ミネラル類は『SOD酵素』という酵素の材料になっているから。
SOD酵素とは、“Super Oxide Dismutase”の頭文字を取った名称で、”活性酸素を取り除く酵素”を意味します。
体の細胞の酸化を抑制する効果が抜群で、活性酸素の除去に最適な酵素として近年注目を浴びています。
SOD酵素は、もともと人間の体内に存在していますが、生成には複数の栄養素を必要とし、その一種が『抗酸化ミネラル』と呼ばれる下記のミネラル類です。
亜鉛
亜鉛は細胞分裂の際、DNAが正しく分裂できるように助けるミネラルです。
SOD酵素の他、300種類以上の体内酵素を活性化する重要な役割も果たします。
セレン
セレンは、ビタミンEと同じようにそれ自体が抗酸化作用を持ち、他の抗酸化栄養素のはたらきを活性化するミネラルです。
人間をはじめ、動物の発育・生殖に必須な栄養素でもあります。
銅
銅は、健康な血液の生成と維持に欠かせないミネラルです。赤血球のはたらきを助け、鉄分と赤血球を結びつけます。
コレステロールや糖の代謝を助けるはたらきもあります。
マンガン
マンガンは人間の体内にごく微量しか存在しませんが、SOD酵素をはじめ、体内の酵素のはたらきを補助・活性化するために必須のミネラルです。
抗酸化ミネラルは複数同時に摂る
これらの抗酸化ミネラルは前述のビタミンE、ビタミンCとともに協同で効果を発揮します。
つまり、複数の栄養素を総合的に摂取することでSOD酵素の生成効率があがり、効果も高まるのです。
特定の栄養素だけを単体で摂るのではなく、複数を総合的に摂取することを心がけましょう。
活性酸素を除去する食品の例
上記で紹介した栄養素を含む食品が、活性酸素の除去効果が高いということになります。
ここからは、その食品の一例をご紹介します。
1:ニンニク
先程も書いたように、ニンニクはすべての食品の頂点に位置する抗ガン食品。
アリシン、アホエンといった特有の匂い成分だけでなく、イヌリン、硫化アリルといったファイトケミカルを複数、しかもそれらを多分に含むスーパーフードです。
ニンニクを摂ると、ガン細胞やウイルスを退治する『NK細胞』を活性化し、あらゆる病気を予防。
さらに、抗ストレス作用、疲労回復作用と、心身ともに人間の健康維持に大きく寄与します。
古くから食用としてだけでなく薬としても利用されてきたニンニクは、活性酸素除去食品の筆頭です。
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2:緑茶
緑茶にはカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなど複数のカテキン類が含まれ、これが活性酸素の除去に効果的です。
そのうちの半分を占めるエピガロカテキンカレートは抗酸化力が強く、ビタミンEの20倍ほど。
糖尿病をはじめとした生活習慣病、アレルギー症状などの予防効果があります。
また、活性酸素による細胞の酸化・突然変異を抑制する作用が非常に高く、特にガンの予防に有効という研究結果が出ています。
その効果はお茶の名産地である静岡県掛川市のガン死亡率に如実に表れており、平成15~19年の調査によると77%。90%以上が大部分を占める中、驚きの数字を記録しています。
第2位も同じ静岡県の藤枝市(80%)であり、緑茶との関連性が指摘されています。
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3:ナッツ類
ビタミンEの宝庫であり、抗酸化作用の強い良質な油も含むナッツ類もおすすめです。
細胞膜に作用し、免疫力の向上や美肌効果の他、アルツハイマーの予防には特に優れた効果を発揮します。
ただし、ナッツ類に含まれる油は酸化しやすいのが難点。
保存状態が悪かったり、直射日光に当てたりすると脂質が酸化してしまい、過酸化脂質(悪性のコレステロール)に変化します。
また、湿気にも十分注意が必要です。湿気ると逆に活性酸素を発生させてしまうので、新鮮なものを食べましょう。
適切な量は、一日に手のひらの半分ほどの量。ミス・ユニバースや女優など、体が資本の職業の方々に愛食されている定番の食品です。
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4:梅干し
日本の伝統食である梅干しも、活性酸素の除去効果に優れた食品です。
その理由は、梅干しを食べた時に出る唾液にあります。
唾液は人間の消化液の中でも最初に分泌される消化液であり、非常に優れた性質を備えています。
唾液には、『酵素カタラーゼ』と呼ばれるタンパク質の一種が含まれていて、活性酸素の一種である過酸化水素を水素と水に分解し、無毒化するはたらきがあるのです。
なお、唾液は分泌される速度が速ければ速いほど、酵素カタラーゼ濃度が濃くなる性質があります。
梅干しは、この分泌速度があらゆる食品中で唾液の分泌速度が最も速い食品です。
さらに梅干しから出る梅酢に含まれる独自成分『ムメフラール』と梅に含まれるファイトケミカル『クロロゲン酸』も極めて強力な抗酸化作用を持ちます。
梅干しほど活性酸素の除去にうってつけの食品はありません。
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5:ベリー類
ブルーベリー、アサイー、ブラックベリーやラズベリーなどのベリー類もおすすめです。
先程アントシアニンの項でも書いたように、ベリー類の果物は、全食品中で最強の抗酸化作用を持つと言われる食材。
アメリカ農林水産省は、「40種の果物・野菜の中でブルーベリーが抗酸化作用においてトップクラス」とし、栄養療法の権威・ジョエル・ファーマン医師もおすすめの食品の筆頭に挙げているのはベリー類です。
この”最強の抗酸化作用”を実現するのは、豊富に含まれるアントシアニン。
熱を加えずに、生のまま、かつビタミンCと共に食べるのがおすすめです。
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6:プルーン
プルーンも、ベリー類と並び抗酸化力の高い果物です。
『ネオクロロゲン酸』などのファイトケミカルの他、ビタミンCやビタミンE、ミネラル、食物繊維と、豊富な栄養素をバランス良く含んでいます。
やや古いデータですが、アメリカ農務省発表のORAC値(活性酸素吸収能力値)の高い果物ランキング1位で、欧米では『ミラクルフルーツ』とも呼ばれています。
また、豊富な鉄分を含むことから、貧血によく効く食品としても知られています。
旬の時期は7月~10月と比較的長く、加工品も多いことから、普段の食事に取り入れやすい点も魅力です。
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活性酸素を除去できるサプリメント
活性酸素を除去する栄養素は、サプリメントで摂ることもおすすめです。
オーガニック原料で作られたもののみを厳選してご紹介します。
1:ニューサイエンス『マルチミネラルビタミン』
原材料はオーガニック栽培の野菜・果物、そして世界一厳格な製造基準『cGMP』をクリアしたニューサイエンス社の看板製品です。
12種類のミネラル、14種類のビタミンをバランスよく含み、ファイトケミカルも満載。活性酸素を除去するために必要な栄養素をすべて含んでいるサプリメントです。
ちなみに、ニューサイエンスは『まごわやさしい』の提唱者であり、白鵬や松井秀喜など、数々のトップアスリートの食事指導を行っていることで有名な山田豊文氏も推薦修のブランド。
毎日の食生活に真っ先にプラスしたい、最もおすすめのサプリメントです。
2:ニューサイエンス『メガAOA』

※出典:amazon
メガAOAは、胚芽・大豆・糠・はと麦などの穀物のみを原材料に、合成原料なし、着色料も保存料も一切使用せず発酵によって作られた健康食品。
こちらもニューサイエンス社の製品で、SOD酵素を非常に効率よく摂取できます。
また、穀物をベースに製造しているため、ミネラル分やビタミンB群も豊富。
SOD酵素のはたらきを高め、活性酸素を取り除く作用に加え、疲労回復効果も期待できます。
補足:水素水は活性酸素を除去できるのか?
活性酸素を除去するものとして近年話題にのぼる水素水。
しかしその話題性とは裏腹に、残念ながら効果があるとは言えません。
水素水は、高濃度の水素を含み、これが活性酸素と結びつくことで無害な水となり体外に排出されるとされています。
しかし実際は、自然界において水素分子はフッ素以外の分子と結びつくことはほぼないようで、この説明自体が破綻しています。
また、水素水に含まれるアルカリ性のイオンは、体内に入ると胃酸(酸性の消化液)を中和し、胃酸の持つ殺菌作用を阻害し、ウイルスや菌の侵入を許してしまう可能性まで指摘されています。
加えて、消費者庁から「水素水に効果はない」と正式なアナウンスも出されています。
以上の理由から、水素水には活性酸素の除去能力がないと考えるのが妥当です。

活性酸素を除去する栄養・食品について:まとめ
私たちの体は、今日まで食べたものでできています。
何を食べ、どんな栄養素を取り入れるかで、健康状態は大きく左右されます。
活性酸素が過剰に発生する原因の一端が食生活にある以上は、それを改善することが活性酸素を除去するための第一歩であり、最適な手段です。
活性酸素の発生原因を断ち、その上で今回ご紹介した栄養素・食品を摂れば、きっと私たちの体と心は応えてくれるはずです。
活性酸素について:過去2回はこちら
活性酸素シリーズの過去2回の記事はこちらです。
まだお読みいただいていない方は合わせてご覧ください。より活性酸素についての知識・理解が深まります。


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