ルチンの効果・食品・摂り方まとめ。蕎麦のファイトケミカルの驚きの力!


『ルチン』

日本の伝統食である蕎麦に多く含まれるこのファイトケミカルは、血液・血管の健康を守る上で非常に優れた効果を発揮します。

現代の日本人が抱える病気や体の不調は血液や血管に関わる症状が目立ちます。

その意味で、ルチンはまさに現代日本人の救世主的な栄養素になるかもしれません。

  • ルチンとはどのような成分なのか?
  • ルチンの効果・効能は?
  • ルチンを多く含む食品は?
  • ルチンの効果的な摂り方とは?
この記事では、主に上記4つの点を中心に、ルチンについて詳しく分かりやすく解説します。

ルチンとは?

まずは『ルチン』という成分の基礎知識について解説します。

ルチンは色素のファイトケミカル

韃靼そば ※出典:青木ソバ粉 楽天市場店



ルチンは、ファイトケミカルの中でも色素系の成分フラボノイド類に分類される、黄色い色素の成分です。

特に、後述する韃靼(だったん)そばはルチンの宝庫として知られ、普通の蕎麦の約100倍の量が含まれています。そのため、上記の写真からもはっきりわかる程、蕎麦とは思えないほど鮮やかな黄色をしています。

補足:ファイトケミカルについて

ちなみに、ファイトケミカルとは植物にのみ含まれる抗酸化成分で、色素・苦味・香り・しぶみ・えぐみ等の成分の総称です。

代表的なものに、トマトに含まれる『リコピン』やブルーベリーに含まれる『アントシアニン』、緑茶の『カテキン』などがあります。

その他、ファイトケミカルの効果や性質などについて詳しくは下記の記事をご覧ください。

>>ファイトケミカルとは?最強の抗酸化作用を持つ、”第7の栄養素”のまとめ

別名『ビタミンP』とも呼ばれているルチン

ルチンはファイトケミカルの一種ですが、『ビタミンP』の一種としても分類されています。

ビタミンPには、ルチンの他にも、みかんの果実の白い筋である”アルベド”に含まれるファイトケミカル『ヘスペリジン』、リンゴに多く含まれる黄色の色素成分『ケルセチン』などがあります。

ルチンが発見されたのは1930年代のこと。ビタミンと似たはたらきをするため当時はビタミンの一種として扱われ、『ビタミンP』と名付けられたという経緯があります。

つまり、ビタミンPと呼ばれるルチン、ヘスペリジン、ケルセチンはどれも似通った性質・はたらきがあるのです。

>>みかんのファイトケミカル『ヘスペリジン』の効果まとめ

>>リンゴの効果・効能まとめ

ルチンはビタミンCと相性の良い栄養素


前述のようにビタミンPとも呼ばれるようにビタミンと似たはたらきをするルチンですが、中でもビタミンCとはよく似た性質・効果を持ち、相性が良い栄養素です。

活性酸素を除去する”抗酸化効果”に優れている他、ビタミンCの吸収・はたらきを助けるという性質の他、水溶性の成分であることも共通しています。

実は、ルチンはビタミンCの研究の過程で偶然に発見された栄養素。

両者がよく似た性質・効果を持つこと、相性の良さは必然とも言えます。

>>ビタミンCの効果・摂り方・食べ物まとめ

ルチンの効果まとめ

ここからはルチンの持つ代表的な健康効果をご紹介します。

ルチンの効果1:血管・血流の改善


冒頭でも動脈や毛細血管など、体中の血管の柔軟性を高め、血管を強くすることで血流の改善に優れた効果を発揮します。

2012年ハーバード大学による研究によれば、ルチンは血流をスムーズにし、血栓(血液が固まり、血管に蓋をしてしまう)を予防するはたらきがあるとのこと。

このはたらきにより、心臓病や脳梗塞、肺塞栓症やエコノミークラス症候群などの、血栓が原因で起こる病気を予防する効果もあることが考えられます。

ルチンの効果2:悪玉コレステロールを分解する


ルチンには悪玉コレステロールを分解する効果があり、高血圧や肥満などの病気を予防するのにも優れます。

2010年にインドのアンナーマライ大学によって行われた研究によれば、40歳~60歳の高血圧の患者に1日に1回、500mgのルチンを45日間にわたって摂取してもらったところ、血中の悪玉コレステロールの数値が有意に低下したとのこと。

同研究では、これはルチンの持つ高い抗酸化力による効果ではないかとしています。

ルチンの効果3:糖尿病の改善・予防


糖尿病の改善・予防にも効果が認められています。

ルチンを糖尿病を患ったマウスに投与する実験には様々な例(2011年・オーストラリア、2006年・アンナーマライ大学)があります。

そのいずれでも、血中のグルコースやリポタンパク質など、糖尿病の原因となる物質の濃度を低下させたことが確認されています。

これもルチンの持つ優れた抗酸化効果によるものとされ、インスリンの分泌を助けるためと考えられます。

ルチンの効果4:関節の痛みを軽減する


リウマチや関節炎など、関節の痛みを軽減する効果もあります。

分解酵素であるトリプシンとブロメラインと一緒にルチンを摂取することで、関節の炎症を抑え、関節の痛みを和らげる効果があることが、パキスタンで行われた研究で明らかになっています。

その効果は、関節炎の処方薬として知られるジクロフェナク並みとされ、ルチンの持つ自然療法への利用価値の高さを証明しています。

ルチンの効果5:アルツハイマーの改善・予防


ルチンの持つ抗酸化作用と血流の改善作用は、脳機能の維持にも好影響を与え、アルツハイマーなどの認知症の改善・予防効果もあるとされています。

2014年に中国で行われたマウス実験では、ルチンを投与したマウスは、
  • アミロイドβ(アルツハイマーの原因物質)の減少
  • SOD酵素(活性酸素を除去するはたらきのある酵素)の増加
  • 脳神経の酸化防止と活性化と、記憶障害の改善
…など、アルツハイマーや認知症の改善効果があることを示すデータがいくつも確認されています。

ルチンの効果6:痔の治療効果


痔のほとんどは、肛門皮下の静脈の血液の流れが悪くなることが原因で発症します。

ルチンは毛細血管などの静脈を強化するはたらきもあるため、肛門皮下にある静脈にも作用し、痔の治療にも有効とされています。

世界的なベストセラー『癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか』などの著者であり、自然医療の権威として世界的に知られるアンドルー・ワイル博士も、痔の有効な治療法としてルチンの摂取を推奨しています。

ルチンの効果7:美肌効果


前述のように、ルチンはビタミンCの吸収とはたらきを助けるため、コラーゲンの生成を促します。

諸説ありますが、コラーゲンは皮膚のうち約70%~90%を占める成分と言われます。

つまり、コラーゲンの生成を促進することは肌にハリや艶を与え、美肌効果をもたらすのです。

ルチンの効果8:ガン、生活習慣病の予防


ルチンに限らず、ファイトケミカル全般に共通する効果として、ガンや生活習慣病の予防効果があります。

前述したように、ファイトケミカルは活性酸素を除去する”抗酸化作用”が非常に高い栄養素で、その作用は数ある栄養素の中でも特に高いのです。

そのため、活性酸素の過剰発生によって発症するガンや生活習慣病の予防に効果を発揮します。

ルチンを多く含む食品

では、ルチンはどんな食品に多く含まれるのでしょうか?

ここからは、ルチンを多く含む代表的な食品をご紹介します。

ルチンを含む食品の一覧表

No 食品名 ルチンの含有量(1kgあたり) 備考
1 韃靼(だったん)蕎麦 23g 黄色い色素の強い蕎麦。通常の蕎麦の100倍多くルチンを含む。
2 蕎麦 230mg そば粉1kgあたり230mgのルチンを含む。
3 アマランサスの葉 24.5g 種子ではなく、葉に多く含まれる。1kgあたり24.5gのルチンを含む。
4 ルイボスティー(未発酵のもの) 1.69g 1gあたり約1.69mgのルチンを含む。
5 エルダーフラワーティー 10.9g 乾燥した状態で、1kgあたり約10.9gのルチンを含む。
6 アスパラガス
7 リンゴ
8 いちじく
9 トマト
10 レモン
11 グレープフルーツ

『蕎麦』に含まれるルチンについて

冒頭から述べているように、ルチンが含まれる食品で最も代表的なものは蕎麦です。

中でも、鮮やかな黄色をしている韃靼(だったん)蕎麦は通常の蕎麦の100倍ものルチンを含む、優れた食品です。

なお、蕎麦に含まれるルチンの量は品種や栽培条件により大きく異なり、特に生長の際の日照量が大きく関係していると言われています。

たとえば、日照時間の長い夏期に栽培された蕎麦の方が、秋に栽培されたものに比べルチンの量は多くなる傾向にあります。

また、栽培する地域によっても同様で、日の長い南方の地方の方が北方の蕎麦よりもルチンの含有量は多くなります。

ルチンをはじめ色素系のファイトケミカル(他に、トマトのリコピンなど)は、主に日光の脅威(紫外線など)から実をガードするために存在しています。

(人間が紫外線から肌を守るためにメラニン色素を増やし、肌が黒くなることと同じ原理です。)

そのため、日照時間が多い程、それを防ぐ色素成分の量も増える傾向にあるのです。

また、日照時間に加え、蕎麦は精製されるほどにルチンは失われますので、蕎麦を食べてルチンを摂取する際には、いわゆる田舎そば(そば粉の割合が100%の、十割蕎麦)やそば米を食べるといいでしょう。

蕎麦は私たち日本人には非常になじみが深く食事に取り入れやすい食品である一方、アレルギー食品の1つでもある点に注意しましょう。

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補足:1日に3食、蕎麦を食べる『彝族』

中国には1日に3食蕎麦を食べる『彝(イ)族』と呼ばれる少数民族が存在します。

片山虎之介氏の著書『不老長寿のダッタン蕎麦』によれば、彼らは長寿・健康の民族として知られ、生活習慣病の患者がほとんどいないのだとか。

彼らの主食は韃靼蕎麦であり、これが健康・長寿の秘訣だと考えられています。

※韃靼蕎麦は中国では漢方薬として古くから使われており、日本同様とてもなじみの深い食品のようです。

『アマランサスの葉』に含まれるルチンについて

アマランサスはスーパーフードの一種として、主に種子を食べることで知られていますが、実はにも非常に多くの栄養を含んでいます。

2009年に『Plant Foods for Human Nutrition』に掲載された研究によれば、アマランサスの葉には、乾燥した状態で1kgあたり24.5gのルチンが含まれていると発表されています。

これと対照的に、アマランサスの種子にはほんの少量しかルチンが含まれないそうです。

なお、アマランサスの葉は、ほうれん草やなどの葉物野菜と同様の調理法であればおいしく食べられます。

『ルイボスティー』に含まれるルチンについて

未発酵のルイボスティーにも多くのルチンが含まれます。

乾燥した状態のルイボスティー1gあたり約1.69mgのルチンが含まれると言われています。

ルイボスティーは美容にも良いお茶として広く知られているため、手に入りやすいのもポイントです。

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『エルダーフラワーティー』に含まれるルチンについて

エルダーフラワーティーは上記のような白い花を咲かせる植物を原料にしたお茶で、ヨーロッパではハーブの一種として伝統的に使用されてきました。

ケルセチンやクロロゲン酸などのファイトケミカルも豊富に含み、抗酸化作用の強いお茶として知られています。

Curtain Journal of Food Sciencesに掲載された研究によると、エルダーフラワーティーには1kgあたり約10.9gのルチン(乾燥した状態)が含まれているそうです。

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『リンゴ』に含まれるルチンについて

身近な食品でいえば、リンゴにもルチンが含まれています。

リンゴに含まれるルチンはそのほとんどが皮の部分に存在します。

また、リンゴの皮には他にも、ケルセチンやカテキン類、ペクチンなど栄養素が豊富に含まれているので皮をむかずに食べることが大きなポイントです。

しかし一方で、リンゴの皮には大量の残留農薬も含まれます。

オーガニック栽培のものを選ぶか、食べる前に農薬落とし用の洗剤で洗ってから食べるようにしましょう。

>>リンゴは第2位!残留農薬の多い野菜・果物ランキング

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ルチンの摂取量・副作用について

ルチンの一日あたりの推奨摂取量は約30mgとされていますが、ビタミン同様、あまった分は対外に排出されます。

摂りすぎによる副作用も、逆に欠乏症も確認されていないため、よほど大量かつ一度に多くを摂取しない限り、副作用などを気にする心配はないようです。

なお、30mgは一食分の蕎麦で十分に摂取可能です。

ルチンを効果的な摂り方は?

では最後に、ここまで解説した内容を踏まえ、ルチンを効果的に摂取するための方法をご紹介します。

1:ビタミンCと一緒に摂る

すでに前述したように、ルチンはビタミンCと非常に相性の良い成分で、互いの効果を高め合います。

ビタミンCと一緒に摂ることを意識しましょう。

2:汁ごと食べる

ルチンはビタミンC同様に水溶性の成分のため、茹でるなどの調理を行った場合、その多くは汁に溶け出します。

そのため、茹で調理を行った場合はゆで汁も飲んだ(食べた)り、スープなどにして汁ごと飲むなどすることで、ルチンを余すことなく摂取できます。

前述のように、ルチンが含まれる代表的な食品は蕎麦です。蕎麦湯を飲んだり、そば米を使ってそば米雑炊にする等、調理法・摂取方法にを工夫しましょう。

>>そば米の効果&栄養まとめ!蕎麦と米の魅力を併せ持つ雑穀

ルチンについて:まとめ

血管は人間の全身に張り巡らされているため、血管や血液の健康は、あらゆる病気の予防と健康維持に欠かせません。

自分に合った食品と食べ方を選び、ルチンを上手に利用し、健康な体を作りましょう。

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この記事のライター
キニナル編集部
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